高校生の留学準備ガイド 高校生の留学準備ガイド

高校生の留学準備ガイド

留学のパターンはさまざまです。それぞれの特徴を生かして、自分の目標とする進路・キャリアや外国語の修得に最も効果のある留学を考えていきましょう
パターン01 海外の高校へ進学 パターン01 海外の高校へ進学
特徴
海外の中学校や高校へ進学し、卒業まで長期留学する。
準備の注意点
国によって、教育制度が異なり、中学校・高校の年数が日本と異なることが多いので、希望するタイミングで入学できるように、早目の情報収集が大切です。公立・私立によっても、留学生受け入れの状況が異なるので、その点にも注意して情報収集しましょう。学校の指導の特色や、サポート体制、また費用などをしっかりと調べて学校選択をすることが大切です。
学校が公立か私立かによって、受け入れ可否や、授業開始前の英語準備コース有無などに違いがでるなど、国や学校によって受け入れ条件は異なるので、正確な情報を早目に手に入れて準備を進めたいものです。そのため、中学・高校留学を専門に扱う留学エージェントなどに相談し、情報提供や手続きのサポートを依頼する方法が多く使われます。なお、エージェントには日本の公的な認定・登録制度がなく、選択や契約はすべて自己責任ですので、自分でも留学先の情報をよく調べ、複数のエージェントを比較検討した上で利用することが大切です。また、国や学校によっては、18歳未満の学生の留学で現地に保護者が同行するのでない場合、後見人(ガーディアン、カストディアンなどと呼ばれる)を指定することが義務付けられていることがあります。後見人は、現地での緊急時の対応をしてくれたり、長期休暇で学校の寮が閉まる期間に受け入れてくれたりする人として必要です。後見人は、個人で手配しなければならない場合が多いので、早目に希望する留学先のルールを調べて、必要な準備を始めましょう。
準備に必要な期間の目安
2年~1年半
パターン02 海外の高校へ1年間交換留学 パターン02 海外の高校へ1年間交換留学
特徴
日本の高校に在籍している間に1年間海外の高校に留学する。
準備の注意点
国によって高校課程の教育制度が日本と異なるため、希望する留学先の教育制度の情報は早目に収集しましょう。
交換留学をする場合、教育交流団体やエージェントなどが実施する1年程度の交換留学プログラムに参加することが一般的です。
希望のプログラムをもっている団体を探し、複数の団体の説明を聞いたうえで、参加するプログラムを選ぶことが大切です。
また、1年間の留学中の履修が、学校長の判断により日本の在籍校の履修とみなされ、最大36単位まで修得することができます。
1年の留学を含めても、3年間で高校を卒業したい場合は、在籍している日本の高校に確認してから留学準備を進めましょう。
また、現地の高校のカリキュラムは、日本の大学受験に必要な準備には沿わないことが多いので、日本での大学受験に向けた計画も念頭に置いて、留学計画を立てることも大切です。
準備に必要な期間の目安
2年~1年半
パターン03 長期休暇を利用して短期研修 パターン03 長期休暇を利用して短期研修
特徴
夏休み・春休みなどの長期休暇を利用して研修する。
準備の注意点
期間は数日から1か月程度とさまざまです。
語学力補強を主な目的としたものや、現地の生徒との交流などの異文化体験を重視したものなど、テーマも幅広く用意されています。
日本人の受入れに積極的な語学学校には日本語のウェブサイトを持っているところもかなりありますので、学校が提供するプログラムを比較検討して選ぶとよいでしょう。
自分の目的に応じてカスタマイズプログラムを組むことができることもあります。旅行会社や留学エージェントの提供しているパッケージの短期留学プログラムから探す方法もあります。
複数のエージェントを比較し、自分の希望や条件に合うプログラムをもつところを選び、よく調べて契約しましょう。
最近では、大学訪問や学問・テーマ別のカリキュラムによるプログラムなども出てきており、海外の大学進学などグローバルなキャリア選択のきっかけづくりとして、利用する人も増えています。
行き先の好みだけでなく、「何が体験できるか?何を学べるか?」をしっかりと比較検討してプログラムを選ぶとよいでしょう。
準備に必要な期間の目安
半年~3か月
パターン04 高校卒業後に海外大学への進学 パターン04 高校卒業後に海外大学への進学
特徴
日本の高校卒業後、海外の大学に進学し、学位取得を目指す長期留学。
準備の注意点
海外の高等教育は、その指導方針が国によって異なります。
英語圏なら、教養教育重視のアメリカは幅広くいろいろな分野に触れる学びを、社会に出てからの即戦力育成重視のオーストラリアは、専門知識やスキルの習得に重点を置いた学びをカリキュラムにしています。
自分の目標や好みの学び方によって、進学先の国や地域を見極めることが大切です。
また、海外の大学学部レベルの教育制度は、国によって4年制・3年制など制度が異なるので、希望する留学先の国や地域の教育制度に関する情報を収集しましょう。
高校までの教育課程にも国によって違いがあるため、イギリスやオーストラリアなどのように、日本の高校を卒業しただけでは大学入学資格に達しない国も多く、ファンデーションコースなどの準備コースを経る必要があるなど、留学計画に注意が必要なところもあります。
入試は書類審査が中心の場合が多いので、必要書類の作成はしっかり時間をかけて、学校の先生や保護者など周囲の人の協力を得ながら進めて行く必要があります。
高校時代の成績も重要な要素になりますので、しっかり勉強しましょう。また、留学先国・地域で必要な語学能力試験のスコアや級を取得する必要があります。
早いうちから語学学習に力を入れておくことが大切です。 入学前の語学力補強も含めると、最低でも4年~5年の留学期間となり、費用も計画的な準備が必要です。
後悔・ムダのない進路にするためにも、留学目標を明確に定め、必要に応じて大使館など公的機関の提供する留学相談サービスやエージェントを利用したりしながら、主体的に留学準備を進めることが成功の秘けつです。
準備に必要な期間の目安
2年~1年
留学準備のステップ
【 1 】目的に合った留学パターン検討
まずは、留学を通じて学びたいこと、経験したいことをまとめ、どんなパターンの留学が自分の目標達成に最適かを考えましょう。
【 2 】留学先の国・学校・プログラムを検討・選択
留学のパターンが決まったら、その留学でより自分のやりたいことが実現できる教育制度や、プログラム制度を持っている国や地域を選び、さらに学校やコース、プログラムを絞り込みましょう。国や留学パターンが決まれば、その後に必要な手続きが自然と決まってきます。情報収集の際は、クチコミなどではなく、各国大使館や日本学生支援機構の留学情報サイトなどから公的な情報を得ること。留学先の学校のサイトを読み込むことも重要です。また、エージェントなどに相談して留学プランを立てること、手続きのアドバイスをもらうことも役立ちます。エージェントの選択・契約においては、必ず比較検討の上、会社・団体を選び、契約内容も吟味しましょう。
【 3 】学校・プログラムへの出願・申請
自分の参加希望の留学プログラムに申請するために必要な書類をまとめ、提出します。特に、大学や大学院などの教育機関に出願するときは、成績証明書や卒業証明書、推薦状やエッセイの作成が必要です。早目に情報収集して、協力して下さる方々への依頼も早目に行うことが大切です。
【 4 】滞在先の申し込み
寮やホームステイなど、現地の滞在先も出発前に確保します。
【 5 】学費・諸費用納入
受入れ許可書が届いたら、学校の指示に従い、学費納入をします。学費以外に支払う必要があるものを整理して、期日までに納入しましょう。銀行などの金融機関からの海外送金やクレジットカードなどでの支払いが可能です。支払い漏れがあると必要なビザ取得が難しくなる場合もありますので慎重に行いましょう。
【 6 】ビザの申請
留学パターンや機関、国によって必要なビザは異なります。主に、学生ビザ・観光ビザ・ワーキングホリデービザなどですが、手続きがそれぞれ異なりますので、留学する国とプログラムが決まったら早目に各国大使館のホームページなどで情報を収集しましょう。
【 7 】航空券の手配
必要なビザが取れたら、航空券を手配するようにしましょう。空港出迎えサービスなどを利用する場合は、到着日や空港が決められている場合があるので、航空券手配の際は、それらの条件を満たすものを手配しましょう。
【 8 】保険の加入
留学中は、留学生に対応した保険に加入していることが欠かせません。旅行保険とは異なる補償が必要です。また、留学先校が保険を指定している場合がありますので、必ず適切な保険に加入するとともに、現地で必要な時に保険加入が証明できるようにしましょう。
留学を成功させるには
明確な目標を持とう!
限られた時間と費用の中で、できる限りたくさんの経験をして来るには、日本にいる間から、目標をしっかり持って、現地での時間の過ごし方や、現地で頑張りたいことを明確にしておくことが大切です。留学生活はあっという間に終わってしまうので、目標をしっかりもって、充実した時間にしましょう。
しっかりとプランニングしよう!
目標達成ができるように、計画はしっかり立てていきたいものです。留学には自主性・主体性が重要ですが、その上で、国によって異なる教育制度やカリキュラムに熟知した公的機関やプロのサポートを使うのも手です。留学プランは100人いれば100通り。自分にぴったりの留学プランを作りましょう。
『日本とは違う』を楽しもう!
海外での生活は、毎日がカルチャーショックの連続と言っても過言ではありません。時には日本との違いに驚いたり戸惑ったり、つらく感じることもあるでしょう。しかし、この「違い」を経験することこそが留学の醍醐味そのものです。日本と違うことに出会ったらその違いを思い切り楽しみましょう!異文化理解力アップの秘けつです。
日本について勉強しよう!
留学した人が口をそろえて留学前にしておけばよかったことの一つは「日本について知る」ということです。日本の歴史や文化、時事問題など、海外で話す機会はたくさん出てきます。語学と同様に、日本についての理解を深めておくことを、心にとめて渡航前の時間を有効に使いましょう!世界から見る日本を、よりよく理解するためにも日本の中で日本を知っておくことも大切です。