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最終更新日:2018年08月07日 初回執筆日:2018年08月07日

感覚マーケティング×自殺防止ウォーク

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ミシガン大学アナーバー校 マーケティング、心理学専攻
  • アメリカ合衆国
  • アナーバー
留学期間:
8か月
総費用:
1,800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,530,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

感覚マーケティングとは、五感と消費者行動の関係を調べる分野のことで、スマホアプリの乗車サービスであるLyftが、どうすれば業界トップのUberに対抗できるのかについて、視覚と聴覚の観点から考えました。視覚では、CMにLyftの特徴的なピンクを積極的に取り入れることを提案しました。ピンクは親しみやすい色で、わくわくした感情を引き起こすという研究があるからです。聴覚では、スマホでLyftを呼ぶとき、車に乗るとき、降りるときに、短い音を出すことを提案しました。CMや友人のスマホからその音が聞こえる度に、Lyftを連想するようになるからです。また、感覚マーケティングの勉強とは別に、いじめや過労死などの自殺問題に強い関心があったため、全米自殺防止財団のミシガン大学支部でOut of the Darknessというキャンパス・ウォークを開催しました。当日は参加者全員で大学のキャンパスを歩き、自殺問題とメンタルヘルスの意識を高めました。前回のウォークは参加者が250人、寄付金が28,000ドルでしたが、8か月間、募金活動やウォークの宣伝を積極的に行った結果、今回は1,001人の参加者から、106,862ドルの寄付金を集めることができました。これは全米200の大学のウォークの中で史上最高額です。寄付金の半分は全米自殺防止財団に送られ、残り半分はミシガン大学の学生のメンタルケアに使われます。

留学の動機

ミシガン大学には、感覚マーケティングの第一人者の先生がおられ、その先生の下で学びたかったため、同大学への留学を希望しました。

成果

ウォークを通じて、アメリカでは寄付の文化が根付いていることや、アメリカより日本の方がメンタルヘルスに対するスティグマ(偏見)が強く、助けを求めづらい雰囲気があるため、世界的にみて日本の自殺率が高い理由がわかりました。

ついた力

行動力

留学前に計画していたかどうかに関わらず、興味のあることには積極的に挑戦していたため、行動力が身についたと思います。

今後の展望

今は具体的に何がやりたいかはわかりませんが、将来的に自分がやりたいと思ったことには積極的に挑戦していきたいです。

留学スケジュール

2017年
8月~
2018年
4月

アメリカ合衆国(ミシガン(アナーバー))

感覚マーケティングの講義で聴覚と消費者行動の関係を勉強する一方で、音楽が人間の心理に与える影響を学ぶために、音楽心理学の講義も受けていました。老人福祉施設と小児病院でボランティアをしながら、歌と楽器の演奏を披露することで、音楽が人間の心理にどのような影響を与えるのかについて実践的に学びました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ミシガンスタジアムで行われた卒業式の様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学の中で最も印象的だったエピソード

自殺防止団体の中でも、大学組織や学生団体と交渉し、ウォークの参加と寄付をお願いするアウトリーチ・グループに所属していました。そのグループでは、あらかじめウォークについて説明するテンプレートを作っておいて、それをできるだけ多くの団体にメールで送っていました。しかし、ほとんどの団体はすぐに一斉に送られたテンプレートであることに気付き、返信すらしてくれませんでした。そのため、時間はかかりますが、団体ごとに個別のメッセージを書くことにしました。例えば、LGBTQ+の団体には、性的少数者の自殺率が異性愛者よりも高いというデータを示すことで、LGBTQ+が自殺対策に携わる必要性を訴えました。他にも、フェミニズムの団体には、男性の方が自殺率は高いものの、女性の方が精神科の利用率や自殺未遂率が高いというデータを示すことで、ウォークに参加してもらうことができました。このやり方を続けることで、ウォークに参加してくれる団体が増えたため、他のメンバーにもテンプレートを使うのではなく、個別にメッセージを書くように伝えました。その結果、参加者は前回の4倍の1,001人になり、団体が個別に書かれたメッセージに強く共感したため、寄付をしてくれる人が増えました。最終的に、全米200の大学のウォークの中で史上最高額で、前回の3.8倍の106,862ドルの寄付金を集めることができました。

ウォークの寄せ書き横断幕

留学を実現するために

  • 費用 : 奨学金

留学実現にあたり、経済面の支援ではトビタテ!留学JAPANなどの奨学金制度、語学面ではフィリピンなどでの語学留学、就職活動ではボストンなどでのキャリアフォーラムなど、留学を支援するシステムはたくさんあるため、留学を簡単に諦めないで欲しいと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

英語の勉強は、どれだけしてもしすぎることはないと実感しました。

留学を勧める・勧めない理由

勧めます。留学したことを後悔している人に出会ったことがないからです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

海外では辛いことや苦しいこともあると思いますが、全て自分の成長に繋がるので、海外での貴重な時間を大切にしてください!