留学大図鑑 留学大図鑑

まる

出身・在学高校:
大阪府立北千里高校
出身・在学校:
関西外国語大学
出身・在学学部学科:
外国語学部 英米語学科 国際関係コース
在籍企業・組織:
NGO


最終更新日:2018年10月29日 初回執筆日:2018年10月29日

社会包摂的な途上国支援を、政治学から学ぶ

留学テーマ・分野:
大学進学(学位取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Gustavus Adolphus College
  • アメリカ合衆国
  • ミネソタ州 セントピーター
留学期間:
19ヶ月
総費用:
4,470,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,880,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 860> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 960>

留学内容

私はアメリカで学士号を取るために留学しました。留学前の目標は、社会公正・人権を重視した包摂的な社会を目指した途上国支援を学ぶため、政治という切り口からトップダウンシステムの理解をすべく、米国での学びを決意しました。アメリカでは、実際に政治参加する市民の活動の場に積極的に出向きました。北米におけるダコダパイプライン建設の反対抗議運動、2017年のトランプ大統領就任式、Women's March、The March for Scienceなど、自ら市民が政治参加する機会に進んで参加し、政治と生活の関係性をより近く感じる経験をしました。個人的な活動としては、地域に根ざした活動を心がけ、貧困問題を抱える方々の支援を教会で行い、地元スーパーや市議会委員にかけあい、環境問題にとりくみました。

留学の動機

留学の動機は、途上国の立場にたった支援ができる人材になるためです。英語力はもちろんのこと、世界を広い視野から見ることは、手の行き届いた支援を目指す上で必要だと思いました。トップダウン方式の政治は、私たちの個人思想をも形成し、個人が組織に入った時にその経営方針へも影響します。政治とカネ問題を理解することでより、将来的に途上国を考慮した公正が支援やビジネスモデルを考えることができると考えました。

成果

約2年の留学生活は、机上の勉学に留まらず実践的な活動を加えることで充実した生活を送ることができました。成果としては、留学を通し、途上国に何かしたい!という気持ちから、途上国の人々から先進国に住む我々が学び、我々の消費活動や社会の見方を変えることが、最終的に途上国支援になるという認識に変わりました。

ついた力

批判的思考力、行動力

常に批判的な思考を求められるアメリカの教育を受け、物事を鵜呑みにせずに一度立ち止まり、常に問う習慣がつきました。例えば、自国の歴史を学ぶ時に、他国の評価を文献や信頼できるニュースソースを比較し、いろいろな角度から理解することの重要性を学びました。次に、実際に現場に行く行動力です。実際に市民参加型のイベントに参加する、気になる場所には足を運び、自身の言葉で説明することができるようになりました。

今後の展望

現在は、アドボカシー活動を行う国際環境NGOで広報の仕事をしています。将来は経験を生かし、国際機関で途上国側の立場になって人権や公正を重視とした社会包摂的な政策提言ができる人材になることです。現在緊急課題である環境問題をグローバルな視点から日々働きかけることで、先進国の経済の仕組みを変える必要性を日々感じています。私もその活動の一人として貢献したいと思います。

留学スケジュール

2016年
9月~
2018年
6月

アメリカ合衆国(ミネソタ州 St.Peter)

具体的には、政治学を専攻し学位を取得しました。上記にもありますが、留学前の目標は、社会公正・人権を重視した包摂的な社会を目指した途上国支援を学ぶため、政治という切り口からトップダウンシステムの理解をするためです。留学中は、環境学・ジェンダー学・経済学などあらゆる角度から学ぶことにより、世の中の政治の動きをいろいろな角度から分析する力を身につけることができました。生活は、学内にある寮に住み、深夜近くまで図書館に友人と一緒に勉強する日々を送っていました。あまりにも寒い極寒の地での生活であったため、大変なこともありましたが、たくさんの出会いに囲まれ、毎日充実した日々を送ることができました。

費用詳細

学費:納入総額

2,040,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

1,200,000 円

項目:滞在先大学の保険費用、課外スタディーツアー

700,000 円

留学生オリエンテーション
ワシントンD.Cでの政府関係機関を訪れる
卒業式当日
費用詳細

学費:納入総額

2,040,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

1,200,000 円

項目:滞在先大学の保険費用、課外スタディーツアー

700,000 円

2018年
1月~
2018年
1月

エクアドル(キト)

途上国支援がしたいと口では言っていたものの、途上国に行ったことがないことに対し、自分自身に矛盾を感じておりました。そこで長期冬休み休暇に途上国であるエクアドルで環境問題、女性問題、人権問題、またエクアドルの政治や憲法を学ぶために一ヶ月のスタディツアーに個人的に参加しました。留学の成果は、途上国での問題は、先進国が作りだしているケースが多いことを目の当たりにできたことです。例えば、1960年代に始まるネオリベラル時代、ラテンアメリカ諸国はその安価な労働力により先進国から搾取の対象となりました。同時に国内政治の腐敗により、海外からの投資を受け入れ続けた結果、石油開発による環境汚染、農薬の大量使用、先住民の方の土地の搾取など、現在に至るまで影響のある深刻な問題へと発展しました。エクアドルでは先住民そして自然に権利が保障されています。先進国よりもずっと進んでいる側面を学びました。

費用詳細

学費:納入総額

500,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

30,000 円

ホストファミリーと日本食と伝統文化を伝える会
エクアドルに住む先住民の方々の家にホームステイ
アマゾンで生物多様性そして人権について学ぶ
費用詳細

学費:納入総額

500,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

30,000 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

留学中に手にいれた今でも大事にしていることは、世界中にできた友人や家族との関係です。スウェーデンの王様にちなんだ名前を持つ留学先の大学には、北欧ヨーロッパ系の生徒だけでなく、アジア、ラテンアメリカ、中東諸国など様々な文化背景をもつ生徒がいました。そこで出会った友人や教授、すべての出会いが私にとって宝物です。彼らから教わったことは、CARINGそしてLOVINGという気持ちを常にもつことです。どんな状況であっても、相手を気遣う気持ちを、無常の愛情を注いで接してくれる彼らから学びました。個人主義とよばれるアメリカの社会ですが、よく耳にするのは、日本こそが究極の個人主義国家であるということ。昔はあった地域との共存を重んじていた時代と比べ、ずいぶんと自己責任という言葉を耳にするようになりました。人とのつながり、愛情をもつことの大切さを教えてくれた全ての出会いを、これからもずっと大切にしていきたいです。

親友そして家族である大切な友人
毎日一緒に笑い、支え合った大切な親友

とにかく日本語から離れる

  • 語学力 : 英語

英語の学習方法に関しては、留学を控える誰しもが心配することではないでしょうか。私自身も留学前にどのように英語を上達させようか頭を悩ませました。
2年間留学して、一番効果的だったことは、極力日本語をさける、それが一番効果だったと言えます。もちろん日本人の友人とのコミュニケーションは欠かせませんが、英語で話すことを徹底し、中でも他国出身の友人を交えるなど、英語を話さないといけない環境を常に心がけました。毎日の新聞は英字で、日本のニュースもJapan Timesなど英語に触れる機会を一秒でも多く作ることを心がけました。本気で海外でやっていきたい、他国の人に負けないくらいの学力とコミュニケーション能力をつけたいのであれば、覚悟を決めてやることをお勧めします。

留学先で出会った友人

留学前にやっておけばよかったこと

完全英語環境にならないと、スピーキング・リーディング力は伸びないと思っていました。しかし、日本にいる間から、インターネットさえ使えば、英語に触れる機会を多く持つことができたと、後悔することがありました。海外ニュースを購読する、興味のある文献を読む、先に興味のある分野に長けている教授にコンタクトをして勉強をするなど、後悔のないように、先取りして今できることを実践して欲しいです。

留学を勧める・勧めない理由

私が留学を進める理由は、自分のことを理解するチャンスを留学が与えてくれるからです。留学の目的は人それぞれ。遊んで終わる人もいれば、私のように図書館に缶詰になる人もいるでしょう。しかし、様々な文化背景や異なる環境で育った人に会うことで、自分の生き方や価値観を振り返ることができます。少しでも多くの人に留学を通し、広い視野から社会を見れるよう、自分を大切にできる人になって欲しいと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

良い企業に就職するために、留学するのではありません。留学は、人生の選択肢を増やし、自分の意思で人生を歩む方法を教えてくれます。私の留学は、90%が苦しいことでしたが、その苦労と残りの10%のキラキラした思い出のおかげで、私の人生は充実したものとなりました。思う存分苦し楽しみ、そして人間として成長してきてください!