留学大図鑑 留学大図鑑

こうすけ

出身・在学高校:
浅野高等学校
出身・在学校:
東京工業大学
出身・在学学部学科:
工学院機械系
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年04月01日 初回執筆日:2020年04月01日

イリノイ大学で学ぶ宇宙の物流問題

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
  • アメリカ合衆国
  • アーバナ・シャンペーン
留学期間:
6か月
総費用:
1,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,210,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<IELTS 7.0>

留学内容

 宇宙工学の1分野であるSpace Logistics(宇宙ミッションのモデル化・最適化を扱う学問)の研究を行うため半年間アメリカ合衆国イリノイ州のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)において派遣研究員として研究留学をした.研究内容は留学後に修士論文としてまとめ上げ,また国際学会で発表を行った.
 留学中は研究活動だけでなく,博士論文の公聴会への参加,研究室の世界各国からの留学生との議論,英語の授業参加や旅行など様々な活動をした.特に研究室の友人との交流によってアメリカ合衆国において博士を取得することのはっきりしたイメージができるようになった.

留学の動機

以前よりSpace Logisticsという日本では行われていない研究分野に興味があり,現在Space LogisticsをリードしているUIUCのHo先生(現在はジョージア工科大学に移籍)に師事することで,最先端の宇宙モデル化・最適化手法を学ぶことができると考え留学を決意した.

成果

将来の複雑な宇宙ミッションを想定し,宇宙機のランデブーを従来の物流モデルに組み込んだ.この手法により既往の方法よりさらに現実的な最適問題を解くことが可能となった.成果は2020年1月のAIAA SciTech Forum and Expositionにおいて発表された.

ついた力

息抜き力

留学中,研究が上手くいかないことや,インターンにビザの関係で行けないなど何度か落ち込むことがあった.そんな中で無料で友人から手に入れた自転車を使うようになり,行動範囲が増え自分でリラックスすることができるようになった.

今後の展望

留学前から海外で働きたいと考えていたが,今回の経験を経て働く前に学位を海外で取得したほうが私にとってはいいと結論を出せた.留学時から様々な先生とコンタクトを取り始め,今は博士をスイスかアメリカ合衆国で取得する予定である.

留学スケジュール

2019年
4月~
2019年
9月

アメリカ合衆国(アーバナ・シャンペーン)

4月上旬からから9月下旬までUIUCが提供するアパートに暮らした.4月中は研究テーマの模索,5月から具体的に研究活動を行った.また5月からはもう一人新たに先生にコンタクトを取り二つのテーマを並行して研究した.
5月の途中から夏休み期間に入り,研究室全体でのミーティングもなくなった(先生とは週一回直接ミーティングを行った).夏休み期間最初の一か月は英語の特別授業を受講した.6月に論文のアブストラクトを投稿した後に,アルゼンチンに友人を訪ねに行った.帰国後はまた研究活動を続けつつ,研究室や英語の授業で仲良くなった友人との交流を楽しんだ.8月には大学院受験を見据えてアメリカ合衆国とスイスのいくつかの大学の見学に行った.

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

90,000 円

生活費:月額

60,000 円

研究室のある建物のそばにはいつもカナダ雁とリスがいる
8月のシカゴで行われた野外音楽フェス.
UIUC航空宇宙工学科75周年ドローンショー アメリカ国旗.
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

90,000 円

生活費:月額

60,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

英語の授業の先生にはそのあと出願のためのエッセイのチェックなど非常にお世話になった.先生はUIUCの言語学の博士先生でもあり年齢も近く,帰国前に一緒に飲みに行った.その際,バーで丁度数週間前に受けたIELTSの点数が開示され,目標の7.0に達していたことをお世話になった先生の目の前で確認でき他のが嬉しかった.

金曜日の夜には英語の授業の皆で飲みに行ったこともありました.

海外でのPhD取得を目指すには

  • 帰国後の進路 : 進学

海外の博士課程出願には様々な準備が必要だと感じた.私の場合留学前から海外の博士課程への進学を考えていたものの,はっきり決意したのは8月に入ってからだった.幸い推薦書(博士課程出願時に非常に重要)は用意可能であったものの,奨学金の獲得が上手くいかなかった(日本から奨学金を持っていくと,大学院の合格率も上がる).なぜなら8月の後半にはすでに多くの奨学金が応募修了していたためである.またアメリカの大学院を受験する場合GREという試験も受けなければならない.GREの英単語は私の指示した英語の先生でさえ知らないものがあるレベルで,高得点を狙うにはかなり単語の勉強を行わなければならない.その他エッセイの執筆や出願先の先生の受け入れの可能性確認なども必要となる.これらすべての要素をまんべんなく準備することが合格の鍵である.海外の博士課程出願を考えている人は,決意する前から奨学金の準備をまず始めたほうがいい(辞退は可能なので).

留学を勧める・勧めない理由

自分の視野を大きく広げる可能性があるという点において留学を強く勧める.留学していなければ環境問題や日本での男女不平等,LGBTQの問題に今ほど意識的にはなれていなかったと感じる.

これから留学へ行く人へのメッセージ

安全が最も第一なので,無理をせず,周りに注意しながら楽しんでください.