留学大図鑑 留学大図鑑

梨木 聡人

出身・在学高校:
兵庫県立星陵高等学校
出身・在学校:
帯広畜産大学大学院
出身・在学学部学科:
畜産科学研究科 植物生産科学専攻
在籍企業・組織:
筑波大学大学院


最終更新日:2020年11月09日 初回執筆日:2020年11月09日

次世代のバレイショ研究留学

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ウィスコンシン大学マディソン校園芸学部
  • アメリカ合衆国
  • マディソン
留学期間:
10ヶ月
総費用:
1,600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,600,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

USDA(アメリカ合衆国農務省)に所属し、アメリカ合衆国・ウィスコンシン大学にあるShelley Jansky氏が主宰するバレイショ遺伝資源開発学研究室にて、10ヶ月間の研究留学を行いました。具体的には、将来来たるタネから栽培するバレイショ栽培に向けた育種研究として、バレイショのタネの発芽率を向上させる種子処理方法の検討、バレイショの野生種を用いた発芽特性の評価を行ったほか、ウィスコンシン大学に所属する他の作物の育種研究室の育種プログラムへの参加や、遺伝育種学を専攻する大学院生の間で開かれるゼミへの参加や、アメリカ国内のバレイショのシンポジウムにて、口頭での発表を行いました。

留学の動機

日本の食糧生産基地である十勝の生産現場と大学の育種研究に携わるなかで、世界のマーケットでは、生産者や消費者の需要に対し、どのようにして研究現場では取り組んでいるのか元々興味がありました。そして、日本で行っていた研究に関連したタネから栽培するバレイショの実現に向けた研究を行う先生がアメリカにいたことから連絡を取り、受け入れてもらえたことで留学ができることになりました。

成果

NCCC215: Potato Breeding and Genetics Technical Committeeにて、口頭発表を行った。論文2報分のデータを取得し、現在論文を執筆中。バレイショだけでなく、様々な作物、分野の研究者や博士学生の友達ができた。本留学を通して、育種研究の専門的なスキルだけでなく、グローバルなコミュニティに対応できるソフトスキルが身に付いた。

ついた力

人間力

偉大な研究者であっても、これから大きな成果を出す研究者の卵の博士学生も同じ一人の人間であり、みんなが友達のようにディスカッションを行う環境で、対等に話すべく、必死に背伸びをしてしがみついた経験は視野の広がりと自信をもたらし、今では私の大きな財産となっています。

今後の展望

アメリカ滞在時に、お世話になっていた先生方と話すなかで、一つの作物、分野に捉われない人材が今後必ず求められると感じました。そこで、博士学生としてバレイショから新たな作物の育種研究に取り組み、多面的な視点を持って物事に取り組み、産業界に貢献できる人材を目指します。

留学スケジュール

2019年
5月~
2020年
3月

アメリカ合衆国(マディソン)

ウィスコンシン大学マディソン校にあるShelley Jansky氏が主宰するPotato Germplasm Enhancement Laboratoryにて訪問研究員として所属し、バレイショの多様な遺伝資源を用いて、バレイショの発芽特性に関する研究を行った。その他の活動として、バレイショの遺伝資源の宝庫であるジーンバンクへの訪問や、大学で開かれる授業の聴講や、大学の研究室が主宰する多様な作物の育種プログラムに参加することでアメリカの育種について座学と実学を通して学んだ。5月から8月までと8月から2月までそれぞれ異なる2ヶ所の大学の周辺のシェアハウスでウィスコンシン大学の学生と生活を共にした。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

70,000 円

生活費:月額

80,000 円

項目:

150,000 円

研究圃場のバレイショ畑にて
ウィスコンシン大学のアメフトの試合観戦
研究を手伝ってくれたラボメート
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

70,000 円

生活費:月額

80,000 円

項目:

150,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

人としての振る舞いです。私を受け入れてくださったボスやその周りの教授陣、学生には研究面だけでなく、人としての振る舞いについて初めて考えさせられるほど多くのことを学びました。現在、オンラインによるコミュニケーションが普及が加速しているなかでオフラインの必要性を考えていますが、意図せずした人との出会い、交流を通してふとした瞬間に感じるソフトスキルなどの偶発的な学びは現地にいたからこそ学べたものではないかと考えます。

マディソンで出会った仲間とのキャンプ

留学から繋がるストーリー “今、これやってます”

私はバレイショの遺伝育種学を専攻し、留学中もバレイショの研究室に滞在していましたが、マディソンでお世話になったボスから、"バレイショから離れた世界に身をおくことで見る景色の広がりは今後の人生にとって大きな成長となる"とアドバイスを得たことから今後は、バレイショから一度離れ、博士課程からウリ科のメロンの育種研究に従事する予定です。

SNSの活用

  • 住まい探し : シェアハウス

留学前に日本から生活の拠点となる家探しは非常に大変でした。そんななかで留学先の大学でPh.Dとして活躍されている大学の先輩に相談したところ、Facebook上で大学周辺にあるルームシェアの掲示板グループを紹介して頂き、そこで運良く見つけることができました。訪問研究者用の大学の寮もありましたが、一人用の部屋を選ぶと家賃が非常に高く、狭いです。大学周辺のルームシェアの多くは一軒家の一部屋を間借りするような形となっており、家賃も安く、部屋も十分広く、現地の学生と生活を共にできるため、オススメです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

日本が大好きな自分にとって、慣れない土地で、慣れない言葉で生活、研究することは当初はストレスでした。しかし、不安定な環境に身を置き、困りながらもなんとか足掻く自分を俯瞰して楽しめるようになれば勝ちです。自分の成長を実感できる日々は非常に楽しいです。応援しています。