留学大図鑑 留学大図鑑

じま

出身・在学高校:
駒場東邦高等学校
出身・在学校:
東京大学大学院
出身・在学学部学科:
工学系研究科社会基盤学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年12月07日 初回執筆日:2020年12月07日

グローバル人材になるためのヨーロッパ留学

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • フランス国立土木学校 École nationale des ponts et chaussées / カールスルーエ工科大学/ カビラム(語学学校)
  • ドイツ・フランス
  • パリ・カールスルーエ・ビシー
留学期間:
21か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 4,500,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<DELF B2>

留学内容

私は、地球環境に配慮したインフラ整備に興味をもっていたため、その分野に強く、実践的な学習ができる学校に行きたいと考え、フランスの国立土木学校に留学した。
授業はすべてフランス語で行われるため、それに備えるという意味で渡仏してから最初の5か月間はビシーという田舎町にある語学学校でフランス語の勉強に勤しんだ。その後、9月からENPC(国立土木学校)のあるパリに移動して、環境汚染・温暖化などの環境問題解決に向けた、インフラの観点からの取り組みや、最新技術・政策的課題を学んだ。さらに、ENPCでの授業がない夏の時期にはドイツの大学でインターンシップを行った。そこでは、大気汚染の計測に関する研究に関わることができ、現場でどのようなことが行われているのか知ることができた。

留学の動機

進行している地球温暖化と激化する自然災害と対策に興味を持っており、そのような観点からインフラについて勉強して専門性をつけたいと考えていた。また、英語以外の言語を勉強して自分の強みを増やしたいと考えていたため、アフリカなどで話者の多いフランス語に興味を持っていた。
以上を考慮して、フランス語を使いつつ環境の分野から専門的な勉強ができるフランスの国立土木学校(ENPC)への留学を決めた。

成果

8月に仏語試験であるDELFでB2レベルに合格することができた。また、国立土木学校でのグループワークなどを通して、実際の場面でフランス語を使えるようになった。
専門の勉強についても、環境汚染・温暖化などの環境問題解決に向けた、インフラの観点からの取り組みや、最新技術・政策的課題を学ぶことができた。試験などでもフランス人に劣らない成績を得ることができ、高いレベルで身につけることができたと思う。

ついた力

挫折から立ち直りコツコツ頑張る力

語学学校でも国立土木学校でも、個人的には大きな挫折を経験した。
留学当初、フランス語は全くできなかったため、語学学校で劣等感を感じていた。また、国立土木学校でも授業やグループワークについていけない自分に対して、無力感を感じていた。しかし、自分がやりたいと思ったから始めたことであるということと、ここで諦めたら将来後悔するだろうということを自分に言い聞かせて、なんとか立ち直って頑張ることができた。

今後の展望

今回の留学と通して、環境を重視したインフラ整備・社会実装に関わりたいと感じることができた。将来的にはそのようなことに関われる仕事をしたいと考えている。そこで、自分が勉強してきたフランス語を活かすことができればさらに面白いと思う。

留学スケジュール

2018年
4月~
2018年
8月

フランス(ビシー)

留学の最初の五か月間はフランスVichyの語学学校で仏語の学習を行うことになっていた。9月から本格的に国立土木学校での授業が始まるため、それについていけるだけのフランス語力を身につけるためだった。
フランス語に関する勉強は日本ではほとんどできなかったため、完全に初心者の状態で語学学校に入学したが、当然授業は全然理解できず、周りの日本人にも置いて行かれている感覚があった。 そこで、語学学校での勉強以外にも、放課後や週末を仏語の勉強に費やしてコツコツと差を埋め、逆転できるように努力していた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ビシーでの気分転換時の散歩道
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2018年
8月~
2020年
2月

フランス(パリ)

国立土木学校にて、温暖化や環境汚染などの環境問題や災害対策の分野の基礎理論や分析手法の学習、フィールドワークを行った。
インフラの観点からの温暖化抑制に向けた最新の政策的・技術的取り組みや、激化する災害のリスク評価やその対策について、シミュレーション分析を通して学習し、専門的な知識を身につけることができた。
また、語学面に関しては、グループワークなどでリーダーなどの重要な役割を果たせるようになったと思う。ENPCに移った当初はディスカッションを伴う授業があっても、自分の仏語の拙さから議論に入れないうえ、他のメンバーの言っていることも全く理解できなかった。しかし、リスニングの勉強をがんばるなど工夫した結果、 最終学期には大きく改善することができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

国立土木学校(ENPC)の校舎
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2019年
6月~
2019年
8月

ドイツ(カールスルーエ)

カールスルーエ工科大学の研究室にてインターンを行い、カールスルーエにおける都市大気環境の調査に参加した。フランスの国立土木学校で得た知識を活かしつつ、実際の調査ではどのようなことが行われるのか体感してみることが目的だった。
具体的には、大気中のエアロゾルを調べることになっていたが、そこでは3か月という短い期間で研究のプラン立案、実施、報告書まとめまでを行う必要があった。ドクターの学生と協力しながら、時には別の研究室の学生とも協力しながら、逐一計画を修正しながら主体的に研究を進め、期限までに期待通りの結果を出すことができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

カールスルーエのシンボル、カールスルーエ城からの景色
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

一般的に、フランスでの成績評価はかなり厳しいという。特に、私が留学していたENPCのいくつかの理数系科目(ハード系)では不可になる学生が毎年大勢いるという話だった。個人的に、そのような厳しい環境でもうまくやっていけるのか、海外でも自分のハード系の力は通用するのか不安に思っていた。
そのような不安もあったので、毎週の授業をちゃんと理解できるようにコツコツ復習することを心がけながら勉強していた。その結果、自分でも驚くほど良い成績を修めることができた。特に、20/20だった科目が二つもあり、自分の自信につながる出来であった。
当時、語学の面で失敗が重なっていて非常にモチベーションの維持が難しい時期が続いていた。しかし、この経験を通して、自分の得意分野なら海外でもしっかり通用するということが分かり、自信を持ちなおすきっかけになった。今は苦手なことでも、しっかりと努力して自分の得意なことにしていけばきっとうまくいくと感じられるようになったため、その後の語学方面も含めた自分のモチベーションにポジティブな影響を与えた出来事だったと思う。

ENPC校舎内としばしば勉強に利用したカフェ

就活に対して不安に思う必要性はほとんどない!

  • 帰国後の進路 : 就職(企業)

近年の就活は卒業学年の一つ下の学年から始めるのが一般的になっている。実際、私の同期たちも修士1年のうちから様々な会社のインターンシップに参加したり、外資系企業の選考に参加したりと積極的に就活を進めていた。
これに対して、私の留学終了は2月だったため、3月から就活を始めることになっていた。つまり、半年分以上遅れて就活を始めることになっていた。自分にはインターンに参加する時間はないので、自分が内定をもらえるほどの枠は残っていないのではないのかとか、面接に対する練習時間が足りなくて失敗するのではないか、など不安を感じていた。
このような不安を抱えながら帰国して就活を始めたが、結果から言えば、不安に感じる必要は全くなかった。真面目に選考準備を行っていた企業の面接ではほとんど落とされなかったし、自分の第一志望の企業から内々定を頂くことができた。
冷静に考えてみれば、企業のインターンシップに参加して頑張る人と、日本という自分に合った快適な国から出ていろんな人にもまれながら頑張っている人のどちらが良いかという問いに対する答えは自明な気がする。自分が留学先で何をどのように努力していたのかということをしっかりと伝えることさえすれば、問題なく就職先を決めることができると思う。
留学するかどうかを考える際に、就活との兼ね合いを考慮する人は多いと思う。しかし、真摯に留学している人の努力は正当に評価してもらえるのだから、就活は気にせず、海外で自分を磨くことに尽力してほしいと思う。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私の指導教員である教授もおっしゃっていたことですが、働き始めたあとでは、新しいことに挑戦する時間は限られてしまうし、失敗したときのリスクも大きくなります。失敗してもその後に影響せず、ほぼノーリスクで大きな挑戦をすることができるのは学生の特権です。留学先では失敗を気にせず多くの新しいことに挑戦してほしいと思います。