留学内容
シンガポール国立大学にある”Organic Nano Device Laboratory(ONDL)”にて有機太陽電池の変換効率向上に向けた、デバイス開発の研究を行った。ONDLは化学・材料開発グループとデバイス開発グループが共同して、変換効率、耐久性・安定性の優れた有機デバイスを開発する研究室であり、私はそこで新材料・新素材を有機太陽電池デバイスに組み込んだときにどう性能が変わるかを検証した。具体的には、ドーピングによるオリジナルの正孔輸送層(正孔という電荷を効率よく輸送し、電流を生み出しやすくするための層)と同じくドーピングによるオリジナルの発電層(一般に有機太陽電池ではp型・n型と呼ばれる二つの異なる材料を用いて発電領域を作るのだが、本実験ではさらにドーピングをすることでこの二つの材料の親和性を向上させた)を導入したデバイスの開発を行った。最終的にONDLが持つ最高変換効率の記録を破ることは出来なかったが、ONDLが持つ正孔輸送層の中で最適なものを発見することができた。