タイ(チェンライ)
受け入れ先は、タイ北部にあるチェンライ県の団体、Sharing eco tour and homestayでした。国からの補助金や外国からの助成金などの外部資金に依存せずに、継続的な地域支援のための事業を展開しており、田舎の学校の活性化、女性の自立支援、文化継承、有機農業などに、地域ネットワークを活かしながら取り組んでいる団体です。
日本人の女性、タイ人でアカ族という少数民族の村出身の男性のご夫婦が運営しており、年間、日本からのボランティアを受け入れていました。お子さんも3人いて、ご家族で暮らすお家とボランティアが泊まる施設がつながっているような場所でした。今回の滞在中は、スタッフとして働く、アカ族の男の子と、大学で日本語を専攻していたモン族の女の子、インターンとしてSharingで生活するアカ族の同い年の女の子、日本から同じタイミングで参加した高校1年生の子と一緒に生活しました。
生活は、とても規則正しく、健康的でした。朝のお掃除から始まり、鶏の餌やりやご飯作り、家事などの日常のお仕事を分担しておこないました。朝と夜のご飯は、毎朝取れる卵や、村でいただいたお野菜、市場で購入した食材などを使ったおかずが盛りだくさんでした。昼ご飯は、バイクに二人乗りをして、行きつけの麺屋さんへ。会話は、日本語ができるスタッフを介すこともありますが、基本的には、英語やタイ語、日本語を混ぜこぜにしたよくわからない言語を使っていました。コミュニケーションに困るのでは?と感じるかもしれませんが、そんな心配はすぐになくなりました。恋バナや将来の夢の話で盛り上がった、忘れられない、青春の日々です。
【水難事故防止活動】
7月18日 ミャンマーとの国境付近にあるホエナムグーン村の小学校で、絵本の読み聞かせとライフジャケットの試着体験をしました。普通の公立学校ではなく、国籍を持たない生徒もたくさん在籍しました。本番前には何回もタイ人スタッフからタイ語のレッスンを受け、自分の口で絵本を読み聞かせをしました。対象は、全校生徒25人ほどで、全体的には低学年の子が多い印象でした。村名の中の「ホエ」は現地の言葉で「小川」という意味で、名前の通り、村の中には川がある場所でした。子供達は興味津々に話を聞いてくれて、初めてのレッスンは安心して進めることができました。
7月20日 サイムン村の地域の子供会で活動をしました。子供会をしている公民館の真横には農業用の水路があり、連日の雨で増水していました。地域の方からは、落ちたら死ぬと呼ばれているぐらい危ない川で、田んぼ用に川が枝分かれしており、分岐する場所で吸い込み事故などが増えているらしいです。子ども会で何度も会ったことのある子ども達だったので、絵本を読む時も元気に楽しく伝えることができました。お手伝いに来ていたインターンからも、安全教育を受けられない子ども達にとって良い経験になるという言葉をもらえて嬉しかったです。
7月25日 滞在先から30分ほどで着くアパ村での、小学校での異文化交流活動内で、2年生約20人に水の安全レッスンをおこないました。元気いっぱいなクラスで、特にライフジャケットの試着の時には列ができるほどでした。街に近い村で、子ども達のスマホの普及率も高いので、水難事故防止というワードへの抵抗感はあまり感じませんでした。水遊びはほとんどしないという子どもも多く、同じ田舎町でもこんなにも違いがあるのかと驚きました。
8月3日 受け入れ団体にて、「あっぱくん」という練習機材を用いて、BLS講習をおこないました。対人スタッフ・インターンの大人7人、子どもたち3人の10人で、倒れている人がいたときに取るべき行動、二次被害を防ぐためのポイント、心臓マッサージの実技などを実施しました。毎年多くの日本人を受け入れている団体のため、もしもの時の行動を学んで安全性もより増し、良い経験となったと言ってもらえました。クラウドファンディングで購入したライフジャケットは、ここで管理してもらうことになり、地域の子どもたちが利用できるようにしてもらいました。