こにーた

出身・在学高校:
北海道立札幌月寒高等学校
出身・在学校:
東京学芸大学大学院
出身・在学学部学科:
教育学研究科次世代日本型教育システム研究開発専攻
在籍企業・組織:

タイの呪物は任せてください


最終更新日:2026年08月20日 初回執筆日:2026年08月20日

タイの呪物から学ぶ!新たなメンタルヘルス

留学テーマ・分野:
フィールドワーク
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Amulet Market
  • タイ
  • バンコク
留学期間:
1年
総費用:
300円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 165円

語学力:

言語 留学前 留学後
タイ語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

私の留学テーマは、タイの呪物文化を通して、「自分の努力で切り拓く部分」と「他者の力や運に委ねる部分」を、どのようにバランスよく生きていくかを考えることだった。
タイでは、仏像や護符などのお守りを日常的に身につける人が多く、願い事や身を守ることを呪物に託す文化がある。私はそこから、「自分ではコントロールできないことをお守りに託す」という信仰行為が、人々の不安やストレスを和らげ、メンタルヘルスにも良い影響を与えているのではないかと仮説を立てた。
そこで、現地の人々が実際にどのように呪物と関わっているのかを知るため、日々呪物市場に通い、参与観察を行った。当初、協力をお願いしていた人には断られてしまったが、諦めずに市場へ通い続ける中で新たなインフォーマントと出会い、製作者や呪術師へのインタビューも行った。

留学の動機

授業でタイを訪れる機会があり、呪物が売っていると噂の市場に足を運んだ。そこで、タイで有名なクマントーンをはじめ、アヒルやガネーシャ、麻雀牌など、さまざまなシンボルが埋め込まれた呪物に一目惚れした。「なぜ人はこれを身につけるのか」という疑問が生まれ、呪物と人々の生活の関係をもっと知りたいと思った。振り返れば、偶然その市場にたどり着いたことも含め、私はタイに行く運命だったのだと思う。

成果

留学を通して、人生には自分の力ではどうにもできない「運命」によって決まっている出来事があると知った。一方で、人は不幸や不都合を「運命だから」と簡単に受け入れられるわけではない。もっと幸せになりたい、もっと良くしたいという欲望や葛藤が生まれる。タイの呪物文化に触れたことで、運命を受け入れることと、自らの力でより良い未来を求めることは矛盾せず、その両方を抱えて生きることが人間らしさなのだと学んだ。

ついた力

巻き込まれ力

フィールドワークでは、受け入れを約束してくれていた場所から突然「もう来ないで」と言われたり、インフォーマントとの約束を何度もキャンセルされたりと、ほとんどが思い通りに進まなかった。それでも予定に固執せず、市場の店先でぼーっとしていると、偶然知り合ったクマントーン職人が現れ、人を紹介してくれたり、作り方を教えてくれたりした。予定外の出来事を受け入れ、人や機会に巻き込まれる力が身についた。

今後の展望

今後は、留学で得た経験を修士論文としてさらに掘り下げたい。タイの呪物文化を通して、「定められた運命」と、それを受け入れるだけではなく、呪物を通じて運命に働きかけようとする人々の間にある葛藤を明らかにしたい。また、研究だけで終わらせず、呪物市場で出会った人々から教えてもらった価値観や、生き方についての気づきをエッセイとしてまとめ、より多くの人に届けたい。

留学スケジュール

2025年
8月~
2026年
8月

タイ(バンコク)

バンコクにある呪物市場の一つの呪物商店を拠点に、約1年間フィールドワークを行った。店に通いながら、呪物商人や製作者、呪術師などと関わり、彼らの生活や信仰について聞き取りを重ねた。調査を通して、タイの人々には「運命はある」という感覚がありながらも、呪物を通じて自ら運命に働きかけようとする姿があることが分かった。一方で、信仰だけでは受け止めきれない現実とのギャップや葛藤もあった。私自身も、留学を通して「運命はある」と考えるようになった。
生活面では、シェアルーム、呪物商人の家への居候、アパートでの一人暮らしと、さまざまな住まいを経験した。キッチンのない部屋でも、近所の屋台で安くておいしいご飯を食べられることが幸せだった。特に、ライムを絞って食べるエビチャーハンがお気に入りだった。人との偶然の出会いや予定外の出来事を楽しめるようになったことも、自分自身の大きな変化だった。

費用詳細

学費:納入総額

180,000 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:謝礼

300,000 円

お世話になっていたお店の様子
費用詳細

学費:納入総額

180,000 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:謝礼

300,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

市場で誰にも受け入れてもらえず、途方に暮れていたとき、偶然知り合ったクマントーン職人のおじさんが、ある呪物商店のオーナーを紹介してくれた。彼女は、その市場で唯一、タイのおばけにまつわるお守りを専門に扱う人だった。突然現れた私を受け入れ、呪物について教えてくれただけでなく、市場での人付き合いや人生で大切なことも教えてくれた。
落ち込んだときはホイップがたくさんのったアイスをごちそうしてくれ、喧嘩をしたときは一緒に大量の肉を食べに行った。時間を守らず、計画性もない彼女に腹を立てることも多かった。それでも彼女に会って笑顔を見ると、不思議と怒りは収まった。彼女との出会いは、私にとって留学で得た何より大切な宝物だ。

けんかした日に行った火鍋

生ガキを食べない

  • 生活 : 食事

魔が差して、20個ほど生ガキを食べてしまった。
すると見事にお腹を壊し、丸2日間、吐いて、下痢をしていた。
どれだけおいしそうでも、絶対に大量に生ガキを食べてはいけない。

うまそうな生ガキ

留学前にやっておけばよかったこと

自分の研究に関わる者だけでなく、その土地の歴史や文化についてできるだけ学ぶこと。

留学を勧める・勧めない理由

留学を勧めたい理由は、「外国人として生活する」とはどういうことなのかを、頭で理解するのではなく、身をもって体感できるからだ。言葉や文化の違いに戸惑い、思い通りにいかないことも多い。しかし、そこで初めて見える景色や出会える人がいる。日本にいるだけでは当たり前だと思っていたことを、外側から見つめ直す経験は、自分の価値観や生き方を考える大きなきっかけになる。

これから留学へ行く人へのメッセージ

安全に気を付けて、楽しんでください!