留学大図鑑 留学大図鑑

稲飯亜有美

出身・在学高校:
北海道札幌北高校
出身・在学校:
東北大学
出身・在学学部学科:
文学部 日本語教育学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年10月23日 初回執筆日:2017年10月23日

言葉がわかれば世界がひろがる

留学テーマ・分野:
語学留学・タイ語
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • チュラロンコン大学文学部
  • タイ
  • バンコク
留学期間:
12か月
総費用:
1,300,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,540,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
タイ語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

大学では、日本語を母語としない人に外国語として日本語を教える日本語教育を専攻しており、言葉を「教える側」ではなく「学ぶ側」から言語教育を体験するというのがこの留学の全体のテーマでした。
タイを選んだのは、独自の文字システムを持っていること・英語圏でないこと・他の国ではほとんどタイ語が使われていないことが日本語の言語環境と似ているため、外国から日本語を学びに来る人が感じる心細さやモチベーションを自分でも疑似体験できるのではないかと考えたからでした。
私はタイ語が0の状態から、チュラロンコン大学で開講されている外国人のためのタイ語コースを1年間受講し、様々な側面から言語教育を体験・考察することができました。

留学の動機

大学1年生の時に暮らしていた寮が留学生と共同で、様々な国からの留学生と交流するうちに海外へ行くことに興味を持つようになったのが初めのきっかけです。
初めは交換留学を考えていたのですが、トビタテ留学JAPANの一次選考を通過したものの、英語の点数が足りずに学内選考に落ちました。それでも留学を諦めきれなかったため、留学計画を変更し、大学を休学して留学することに決めました。

成果

どのように言葉を教えるか、どのように言葉を習得していくかというプロセスを実際に体験できたという経験はとても大きかったです。初めは全く0だったタイ語が最終的には新聞やニュースが理解できるまでに上達したのは自分の自信にもなりましたし、クラスメイトの存在の大切さも知りました。
また、並行して日本語を学んでいる人の個人チュータリングを行い、様々な形の言語教育に触れることができました。

ついた力

自分で考える力

日本はいろいろな意味で、行政や組織に守られている部分が多いと思いますが、タイでは自分の身を自分で守ることはもちろん、自分の行動もつらいことも楽しさも頑張りたいことも、すべて自分が決めていたように思います。
周囲の「こうあるべき」ではなく、自分が「どうしたいか」を一番に考えることができるようになったのが大きな変化でした。

今後の展望

卒業後は大学院に進学し、第二外国語(英語以外の外国語)習得についてより専門的に研究していきたいと考えています。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
8月

タイ(バンコク)

チュラロンコン大学で外国人向けに開講されているタイ語コースを1年間・6コース受講しました。全く知らない言葉を習得していく過程や、その中で現れる母語の影響、クラスメイト間の相互影響などの他、教科書がどのように組み立てられているか、先生がどのような方法で教えているかなど、教える側・学ぶ側両方の側面から言語教育を体験することができました。
0だったタイ語がわかるようになったという経験は個人的に大きな自信にもなりました。
また、ある国の文化社会・生活などを深く知ろうとしたときに、その国の言語がわかるということは欠かせない要素なのだと感じました。言語は教室内で完結するものではなく、生きた関わりを持つことで成長していくものであって、言葉がわからなくても楽しいことが、言葉がわかればもっと楽しくなるということを身を持って体験することができました。

費用詳細

学費:納入総額

540,000 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

30,000 円

大学で刑事事件についてのプレゼンテーションをしているところ
費用詳細

学費:納入総額

540,000 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

30,000 円

2016年
10月~
2017年
8月

タイ(バンコク)

タイ語の勉強と並行して、日本語の個人チュータリングや高校での授業見学や模擬授業の機会をいただくことができました。
学習者によって日本語を学ぶ目的もニーズも異なるため、その差に戸惑うことが多かったですが発見もたくさんありました。大学で行う実習だけでなく様々な形の日本語教育を体験することができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

高校で模擬授業をしているところ
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

留学してすぐのころ、他の人のきらきらしている様子と特に大きな出来事もない自分の生活を比べて落ち込んだり焦ったりすることがよくありました。実際比べても仕方のないことなのですが、SNSを見るのが怖くなったほどです。
そんなとき、大学で知り合った日本語を専攻している友達に「綺麗な人は自信があるから綺麗。自信が無かったら綺麗な人も綺麗に見えない」と言われて、自信を持つことで何か少しずつ変わっていけるのかなと少し前向きになれました。
その日の家までの帰り道に乗ったタクシーの中で、緊張しながら運転手さんに話しかけてみたのを覚えています。勉強を始めて3か月ほどの自分でも十分にタイ語で会話ができて、その時はじめて自分の成長を実感したとともにそれが自信になりました。
つまずいた時には、自分ができるようになったことを振り返って「ここまで頑張った」と一度自分を認めてから、もう一度問題に向き合うようになったことで、頑張り続けるということに対する自信がついたと思います。

地道な勉強が自信につながる 類別詞一覧

休学するという選択肢もある

  • 単位・留年 : 休学・留年

私は初め交換留学を考えていましたが選考に通らず、休学するという選択肢をとりました。
交換留学であれば行先が決まっており、単位交換ができれば留年せずに卒業できることもありますし、様々な場面で所属がはっきりしているため何かあったときは安心だと思いますが、私自身は大学を休学してより自由な幅の中で留学できたことはよかったと思っています。
保険や住居探しなど自力でやらなければならないことは多いですが、同時に既存の枠にとらわれずに自分が本当にやってみたいことに挑戦できるというのは確かです。
また、休学している間は日本の大学生としての時間は止まっていることになるので、単位や実習のことは気にせず、1年時間が増えたと思ってまっすぐ留学生活に心を向けることができました。
すべてを自分でコントロールしているので堕落していく危険がないわけではありませんが、そこでしっかり軸をもって何かをプラスにして帰ろうと考えられれば、終わったときには達成感や強くなった自分を感じられるのではないかと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

自分の所属研究室や大学の先生が詳しい情報や繋がりを持っていることがあるので、もっと積極的に情報を集めにいけばよかったと思いました。

留学を勧める・勧めない理由

留学は、自分に何らかの変化が起こる大きなチャンスだと思います。今までと違うことが起こると今までと違う考え方や感じ方をするようになることもあります。その一つ一つに意味づけをするのは自分ですが、それまでなかったものを手に入れる一つの手段として、留学はとてもいい機会だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

何かが変わるということが大切だと私は思っています。日記をつけるのはおすすめです。案外書いた時の気持ちは見返せば思い出せるものですし、最後の日に読み返した時なんらかの自分の変化に気づけるのではないかと思います。
変わろうと変に気を張ることよりも、日々起こることに感動したり落ち込んだりしながら毎日を過ごして、一日一日を大切にできることの方が素敵かなと思います。สูๆ!