留学大図鑑 留学大図鑑

Chiaki

出身・在学高校:
私立跡見学園高等学校
出身・在学校:
鳥取大学大学院
出身・在学学部学科:
工学研究科 化学・生物応用工学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年11月02日 初回執筆日:2017年11月02日

バイオマスと微生物で有用物質を生産する

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Department of Chemical and Biomolecular Engineering, Rice University
  • アメリカ合衆国
  • テキサス州ヒューストン
留学期間:
8か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」  - 円
  • 大学独自のもの  - 円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

現在,燃料や塗料などの化成品原料となる多くの化学物質は,石油などの化石燃料を原料につくられています。しかし現在の方法では,発がん性のある化学物質を工場で扱わなければいけない,また製造途中に大気汚染物質を排出してしまうといった問題があります。
そこで私は,ご飯や木材などに含まれる身近な“糖”から,微生物を使って化成品の原料物質をつくる研究を行いました。この手法が確立することによって,これまでの方法よりも安全,簡単かつ環境にやさしい方法で様々な原料物質を製造することが可能になると期待しています。

留学先では,微生物の染色体編集技術や培養手法,解析方法を学びながら,目的物質を生産させるために一番良い条件の検討を行いました。日本の大学での研究内容とは異なったため,論文の精読,指導してくれる学生とのディスカッション,教授とのミーティングなどを通して様々な知識を一つ一つ学びながら行っていきました。

留学の動機

語学以外を目的に留学をしたかったから。
研究留学という貴重な機会を通じて,自分の世界が広がると思ったから。
日本以外の世界を実際に見てみたかったから。
微生物に関連する研究に興味があったから。

成果

研究の成果として,グループ内で新たに利用を始めた菌を用いて目的物質生産のための至適条件見つけることができました。また,留学先での学生やポスドクたちと交流を通じて,アメリカの大学院での生活や学生たち各々の進学目的を知ることができました。それによって,自分の将来に対する考え方が大きく変りました。また普段の生活で周りの学生たちと英語で話すうちに,専門分野も日常生活での英語力も向上しました。

ついた力

自己決定力

留学前は,何事も失敗することが怖く,物事を決め,行動にうつすのに時間がかかる人間でした。
しかし,留学先では自身で考え,挑戦してみる。そして失敗したら,そこから学び次に活かし改善するということを研究を通して学びました。加えて,留学先大学院は所属大学院よりも国籍,経歴,年齢の幅が広く,周りを気にせず自身で人生を決めて歩んでいること知り,自分もそうあっていいのだと考えるようになりました。

今後の展望

留学先や日本での研究生活,就職活動を通して新しいものを創り出すことに関わっていきたいと思うようになりました。ですが,深めていきたい分野はまだ見つかっていないので,これからの経験を通して見つけていきたいと思います。見つかった時には,躊躇せず挑戦したいと思っています!

また,英語だけでなく他の言語も使えるようになるよう日々努力しています。

留学スケジュール

2016年
8月~
2017年
3月

アメリカ合衆国(Houston, Texas, USA)

Department of Chemical and Biomolecular Engineering の研究室で,微生物を使って化成品原料を効率的に生産させるための手法の検討を行いました。具体的には,遺伝子組み換え,培養実験,および微生物代謝産物の解析を行いました。実験手法に関する知識はもちろんですが,研究を効率的に進めていくための方法や,研究とプライベートを両立させる方法,女性研究者の様子などを知ることができ,進路決定や大学院での研究に大いに役立っています。一方,プライベートでは研究室の学生を通じて知り合った友人たちとよくディナーに行きました。また,普段お昼ご飯をラボの学生やポスドクたちと食べていたので,これらを通じて英語力が上がったように思います。また,留学先大学で日本人の先生方や学生たちと知り合い,彼らの考えや海外で生きるということについて考えるきっかけになりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

Rice Universityのキャンパス
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

留学が始まって2か月程たった時期,
これまで日本の研究室で当たり前にできていたことができない日々が続き,英語でのコミュニケーションもままならならず落ち込んでいる時期がありました。
その時に,韓国人の学生から
「君は,できないから学びに来たんでしょ?焦らなくていいよ。失敗したら次に同じ失敗をしないようにすればいいんだよ。」と励ましてもらいました。
できないことの多さに焦っていた私は,その言葉にとても救われました。
誰でも最初ならできないのは当たり前。
失敗を恐れずに挑戦し,失敗から学び次に活かす。
それを繰り返して成長するしかないんだと,当たり前のことを気づかされました。

実験中の様子

この国のことが、とても好きになった瞬間

とにかく色んな国のおいしいごはんが楽しめた!!

アメリカといえば,ハンバーガーなどジャンクフードが多く,ご飯がおいしいというイメージはありませんでした。しかし,さすが移民の多い国!日本でなじみの薄い地中海料理やメキシカンなどがあり,どれも本格的でとてもおいしかったです。研究室に近かったこともあり,メキシカンは良く食べていました。

スーパーにも様々な国の食材があり,見ているだけでもとても楽しかったです。大きさは,さすがアメリカンだったので買い物は一苦労。笑 安いからと大きいお肉を買って夜な夜な手が痛くなるまで,包丁で薄くスライスしていたのはいい思い出です。

テクスメクス(テキサス風メキシカン)のファヒータ!
大好きだったタコス!

楽しみながら英語を学ぶ!

  • 語学力 : 英語

私が実践した英語の勉強法は以下の3つです。
1. Podcastの活用
iPhoneでアメリカのニュースや英会話に関するチャンネルを登録し,空いた時間に聞いてリスニング力を鍛えました。
2. YouTubeを活用
自身が料理が好きなので,英語のレシピ動画を見るなど興味のある分野を英語で勉強していきました。ほかにも英会話のチャンネルなどを活用しました。
3. TEDをみる
TEDと呼ばれるアメリカのプレゼンテーションをインターネットで見ていました。分野が多岐にわたるので自身の専門分野の知識から生活に役に立つことまで様々な知識を得ながら英語を学んでいきました。TEDを用いた勉強用のアプリやサイトがあるのでそれを活用しました。

留学前にやっておけばよかったこと

留学先の研究分野の勉強
留学先での研究が今までと違う分野だったので,もっと勉強をして臨んでいたら違う実験方法も試せたかなと思います。
日本について勉強すること
いろいろ聞かれるけど,答えられないことが多かったので。周りの人たちは政治とか歴史とかよく知っている人が多かったです

留学を勧める・勧めない理由

興味があればぜひ挑戦することをお勧めします。
日本にはない選択肢,考え,環境を経験できる大きなチャンスで,それが自分の世界を大きく広げてくれるからです。また,日本にいるときよりも身近なことから専門分野までたくさんの挫折,失敗をします。だからこそそれを次に活かし成長する大きなチャンスになると考えています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

研究での留学は,授業を受けるのとは違って成果が出にくく,留学中は楽しいことよりもできないこと,つらいこと,悩むことのほうが多かったです。でも悩んで,自分の考えを自分で探って,一つ一つを乗り越えたからこそ今の自分があります。悩んだときは,トビタテ生に相談したり,励ましあいながらここまで来ました。まず,挑戦してください。周りにたくさん頼ってください。とりあえず一歩踏み出せば,人生は進んでいきます!