留学内容
現在,燃料や塗料などの化成品原料となる多くの化学物質は,石油などの化石燃料を原料につくられています。しかし現在の方法では,発がん性のある化学物質を工場で扱わなければいけない,また製造途中に大気汚染物質を排出してしまうといった問題があります。
そこで私は,ご飯や木材などに含まれる身近な“糖”から,微生物を使って化成品の原料物質をつくる研究を行いました。この手法が確立することによって,これまでの方法よりも安全,簡単かつ環境にやさしい方法で様々な原料物質を製造することが可能になると期待しています。
留学先では,微生物の染色体編集技術や培養手法,解析方法を学びながら,目的物質を生産させるために一番良い条件の検討を行いました。日本の大学での研究内容とは異なったため,論文の精読,指導してくれる学生とのディスカッション,教授とのミーティングなどを通して様々な知識を一つ一つ学びながら行っていきました。