留学内容
留学先での研究テーマは,“toxin(毒素)” の細胞内移行性を新たに活用した“薬物送達ツールの創製” です。着目したリボソーム不活化toxin は,低濃度,且つ,高効率に細胞膜を通過してサイトゾルに移行する特徴を持ちます。分子量約3 万のtoxin が,どのように細胞膜を通過しサイトゾルへ移行するのか,詳細な機序は未だ解明されていません。私は,リボソーム不活化toxin を基盤としたサイトゾルへの送達キャリアーを創製するべく,第一に詳細が不明な細胞内移行機序を解明するため,膜透過性ペプチドをはじめとした機能性分子の細胞内移行機序を,高度な顕微鏡技術を駆使し,世界最先端で研究を行っている教授のもとで実験を行いました。帰国後も共同研究を続けており,toxin のサイトゾル移行には新しい知見が得られつつあり,今後さらに機序解明に繋がる結果が得られるように進展させたいと考えております。