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のぶ

出身・在学高校:
江戸川女子高等学校
出身・在学校:
筑波大学
出身・在学学部学科:
人文・文化学群 人文学類
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年10月28日 初回執筆日:2020年10月28日

インド映画、熱狂のワケを探る

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ジャワハルラール・ネルー大学 日本語学科
  • インド
  • デリー
留学期間:
6か月
総費用:
700,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 750,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEFL ITP 513点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

世界で最も映画の年間制作本数が多いインドにおいて、インド人は映画をどのように楽しんでいるのかを研究するための留学だった。そして、ただ映画のあり方を学ぶだけでなく、その熱狂的な盛り上がりの中に何か一つでも日本の映画産業に持ち込めそうなものは無いかを探った。
インドの大学生たちと一緒に各地の映画館を巡り、どのような映画がどのような楽しみ方をされているのか、また映画に関連したビジネスにはどのようなものがあるのかを調査した。分かったのは、貧農の差が激しいインドにおいて映画とは所得の高低を問わず楽しめるコンテンツであり、日本の映画とはそもそも性質が違ったということだった。高所得者にとっては映画館は日本と同じような「映画を見る場」であり、低所得者層にとっては「皆で見られる大きなテレビ」といった立ち位置であった。このような形態である以上、インド人の映画の楽しみ方をそのまま日本に持ってくるのは難しい。映画館ビジネスを救済するというのなら、映画を上映するだけではなくもっと映画館の他の使い方を増やした方がいいのではという結論に至った。

留学の動機

元々、大学時代に留学をして海外を相手にビジネスができる(と、少なくとも自分では思えるような)人間になりたかった。自分はインドの神話や映画、文化に興味があったので大学でもインド学の研究をしていた。その繋がりで大学を探していたらたまたまデリーに協定校があったので、交換留学を申し込んだ。

成果

インドの映画館の盛り上がり方をそのまま日本に持ってくるのは難しいとは思ったものの、日本の映画がインドで上映されている様子を実際に見て、日本のコンテンツ制作能力はまだまだ高いと思い知った。日本のコンテンツはもっとインドに輸出していいいのでは? と思う。インドは日本人が想像している以上に親日国である。

ついた力

精神耐久力

インドで生活していると、身分問わずあらゆる人間に嘘を吐かれたり、電気・水道が突然何日も止まって復旧のめどが立たなかったりといったトラブルが非常に多く発生する。そんな時にいちいち「もう嫌だ」と投げ出したりしていてはインドでの生活はままならない。どんなショックも「まあいいか」と思える精神的な耐久力が付いたと思う。

今後の展望

映画に関わる仕事に就職しようとしたが、残念ながら(コロナ禍の影響もあってか?)就活に失敗して映画業界には就職できなかった。代わりに映画と同じく「世界に通じるエンタメを作る業界」ということでゲーム会社に就職することになった。この業界で、まずは海外でも通用する日本のコンテンツとは何か研究していこうと思う。

留学スケジュール

2019年
7月~
2020年
1月

インド(デリー)

ニューデリーの大学に通いながらインド人の友人をたくさん作り、彼らと様々な価格帯の映画館に足を運び映画を鑑賞した。インドは映画上映前に国歌斉唱があったり、上映中に普通に大声で電話をする人が居たりと日本の映画鑑賞スタイルとは全く違っていることが分かった。留学中は大学の学生寮で生活していた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

デリーの日本語学校で箸の使い方講座をしているところ
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

笑いあり、涙あり!留学中にあった、すごいエピソード

留学中、私の受け入れ先の大学がストライキで閉鎖されて色々と大変なことになりました。オフィスも教室も閉鎖されて、結局私含めた日本人留学生はいくつかの授業の単位証明書を受け取れないまま日本に帰国することになってしまった。学生運動団体の見張りの目を盗んで割れた窓から大学に侵入したり、見張りに追いかけられながら先生のサインを貰いに行ったりと、中々厳しい戦いを強いられた。授業やテストは校舎の建物の外や、学内の芝生に座って受けたりすることもあった。ここで学んだことが二つ。一つは自分の意思はしつこく何度も聞き入れられるまで主張していいということ、もう一つは先入観に囚われずにやれることはとにかくやってみた方がいいということだ。先生のサインは先生の自宅に貰いに行ってもいい、授業もテストも必ずしも教室で受けなくてもいい、そういった「常識外れの行動」に何の抵抗も抱かなくなったのは成長だと思う。

割れている窓から校舎内に侵入する様子
大学が機動隊に封鎖されている様子

単位証明書が出ないこともある

  • 単位・留年 : 単位互換

世界中どこもかしこも日本のようにきっちりした国ではありません。私のようにストライキでオフィスが閉鎖され、結局単位証明書を貰えずじまいで日本に帰国する羽目になることもあります。私は大学3年生の後期を使って半年間留学していましたが、一応留学先の大学で取得する予定の単位はあまりあてにしないで日本の大学の履修を組むようにしてきました。つまり、もし留学先の大学で一つも単位を取れなくても、ギリギリ4年卒業はできるようにしていたのです。そのおかげで、予定外のトラブルが発生して留学先で単位証明書を貰えないという事態に陥ったにもかかわらず、無事4年卒業ルートに戻ることができました。

留学前にやっておけばよかったこと

インドは思いのほかフェイスブック利用者が多かったので、もっとフェイスブックに馴染んでおけばよかったかなとは思いました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学はしてみたいけど、他の留学者のように立派な目標や高い志なんて持てない……。なんて思っている人も多いと思います。留学はそんなに重く考えなくてもいいものなのです。海外で暮らして外国語でコミュニケーションを取れるようになりたい、物価の安い国に行って現地の物を大人買いしたい、そんなささやかな理由から留学を志してもいいんです。成し遂げたい目標は留学計画を立てているうちにふと湧き上がったりするものです。