留学大図鑑 留学大図鑑

Saya

出身・在学高校:
帯広畜産大学
出身・在学校:
ロンドン大学大学院 / 秋田大学大学院
出身・在学学部学科:
Education Practice and Society
在籍企業・組織:

ロンドン大学の博士課程で教育社会学を学んでおります。これまでの大学院受験の記録、大学院留学の準備過程、現地での学びの様子は、ブログ「異文化の魔法」やTwitterで詳しく発信しております!ぜひ、イギリスの大学院にご興味ある方はご訪問ください。


最終更新日:2021年09月06日 初回執筆日:2021年09月06日

学校に異文化の魅力を届けるための学びの旅

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • University College London/ MA Sociology of Education
  • イギリス
  • ロンドン
留学期間:
1年
総費用:
5,000,000円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 4,300,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS7.5> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

私にとって、今回の留学の大きな目的の一つは研究と向き合うことでした。なので、修士論文にはとても真剣に取り組みました。私の研究テーマは「集団性と多様性に対する日本人中学校教師の信念と教育実践に関する研究」で、日本人の教師を対象に、日本の教育についての調査を行いました。本研究は、1年間の修士課程という短い研究期間であったことや、研究対象者が日本人の現職教員であったことが、研究を進める上で、大きな壁ではあったのですが、留学前から複数の計画を練って研究に取り組むことができたので、中身の深い研究が行えたと思います。指導教官の先生も、日本の教育現場の様子に大変興味を持ってくださり、指導のたびに充実した話し合いができ、博士課程進学への素地を築けた一年間でした。

留学の動機

私は日本で一つ目の修士号を取得したのですが、大学院在学当時は自分の知識の乏しさや、学校現場を経験したことのないことに落ち込んでいました。そのため、大学院修了後は教員として働いていたのですが、現場に出てみると、私一人の力では解決できない多くの課題が目に飛び込んできました。その中で諸外国の教育現場ではどのような状況なんだろう?という疑問がでてきたため、大学院留学を目指しました。

成果

大学院留学をするにあたり私の教員経験は私の強みとして生きてくれました。イギリスの大学院には、色々な国でさまざまな教育関連の現場で働いてきた経験を持っていらっしゃる方々が学びにきていたので、私の考えや経験は日本人を代表するような形で扱われることが多かったです。そんな時に、実際に自分の目で見て、考えてきたことを授業で伝えられるのは嬉しかったですし、議論ができた経験は私の大きな学びの成果です。

ついた力

批判的思考力

大学院の成績は基本的に最終課題とされる5000wordsのエッセイ一本でした。そのエッセイが授業の成績となるので、日々エッセイのことで頭がいっぱいでした。なお、エッセイでは「critical thinking」と呼ばれる、物事を多面的に考え、批判的に思考する力が表れているものが高く評価されるので、それを身につけために友人と何度も議論をしました。その結果、少しは意識できるようになった気がします。

今後の展望

イギリス大学院での1年間は今後私が海外でアカデミックの道に進めるかどうか自分を試す1年でもあったような気がします。人一倍本を読み、必死に文章を書き続けた日々を経験し、くたくたになった自分もいましたが、それ以上に、海外でのPhD取得に向けた素地を築けた1年でもありました。この先は、あと3年間UCLに戻り博士号の取得を目指し、いずれは異文化の魅力を学校の先生方に届けられる研究者になりたいと思っています

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
9月

イギリス(ロンドン)

私はロンドンの中心部から少し離れたフラットで、日本人の大家さんと共同生活をしていました。なので、学生寮で色々な国の人たちと関わるような華やかな雰囲気の留学ではなく、緑や猫ちゃんに囲まれた非常に落ち着いた日々を送っていました。その中で、近所のイギリス人の方々と仲良くなっていったり、現地に住む日本人会の方々との交流もあったりしました。また、日本人の大家さんが40年にも渡りイギリスに住み続けている心内を知ったりする中で、海外に住む日本人の気持ちといった、私の研究にも通じるような事柄を深く考える日々を送ることできたような気がします。現地での生活を通して、人々との出会いや、現地の人々の語りすべてが、私自身の今後の研究に大きく関わってくる大切な学びでした。

費用詳細

学費:納入総額

2,500,000 円

住居費:月額

119,996 円

生活費:月額

30,000 円

フラットの周辺
費用詳細

学費:納入総額

2,500,000 円

住居費:月額

119,996 円

生活費:月額

30,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

イギリスの大学院留学は大変の一言に尽きます。それは、色々な人に聞いていた話ではありましたが、やっぱり経験してみると覚悟していた以上に大変な日々でした。そんな中、私の大きな支えだったのが、私の部屋の日本人の大家さんと、UCLの指導教官でした。偶然にも大家さんとは、日本の出身県が同じで、イギリスに到着したその日から、まるで親子かのように、とても仲良く毎日を過ごさせていただきました。勉強で辛い時、話を聞いてくれた大家さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな私の研究をずっとそばで支えてくれたのは、UCLの指導教官でした。私の先生は女性の先生で、UCLで修士課程および博士課程を修了されていらっしゃる、私の憧れの存在でもあります。先生と研究について話をする時に得られる視点は、私にとっては考えたこともない、新しい視点を与えてくれ、その度に修士論文がより良い方向に向かっていくのを感じました。そんな大家さんと指導教官に出会えたことは、大学院の勉強とはまた別に、素敵な思い出の一つとなりました。

UCLのキャンパス

JASSO海外留学支援制度

  • 費用 : 奨学金

イギリスの大学院に進学する場合、修士課程ですと、おおよそ400万〜500万円かかります。私は留学資金として、仕事をしながらお金を貯めてはいましたが、その間にいくつもの奨学金を受けていました。その中でもJASSOの海外留学支援制度は、給付額も大きく、採用人数も多いです。私は幸運にも本制度の支援をいただくことができ、修士課程への進学および博士課程への進学も達成することができました。留学資金で悩んでいる方は、ぜひ受験をおすすめいたします。

留学前にやっておけばよかったこと

私はもう少し西洋哲学を学んでおくべきだったと思いました。イギリスの大学院の人文社会学系の学部では、まずは理論に関する授業を受講することが多いです。その際に基盤となるのが、西洋哲学です。ヨーロッパの学生は、当然のように西洋哲学の理論を語り、議論をすることができるのに対し、その議論についていくのが精一杯な自分に不甲斐なく感じました。

留学を勧める・勧めない理由

私の周囲からは、留学をして後悔したという話をしている人はいません。なので、留学をすることは、きっとどの人にもプラスに影響する気がします。しかし、海外留学には高額な資金がかかったり、一定期間収入がなくなってしまうリスク、留学後の進路や生活が見えにくい部分も多いです。ですが、留学を通して新しい発見があり、今までに考えたことのない人生を歩めむことができる大きな転換期になることも事実だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は大きな人生の一歩だと思います。きっと、留学を考え始めると悩むことも多く、踏みとどまりたくなる時もあるかもしれません。それでも、海外に興味があるのであれば、ぜひ人生で一度は留学を経験してほしいと思っています。せっかく、「やりたい」と思っている気持ちが芽生えているんですから、その気持ちを大切にしてほしいです。きっと、その先には、今まで見たことも考えたこともない世界が広がっているはずですよ!