留学内容
私の留学テーマは「雷雲から放出されるガンマ線を観測し、雷のメカニズムを解明すること」です。雷の発生に静電気が関与しているのは広く知られていますが、近年では宇宙から来る放射線である宇宙線も関係していることが明らかになってきました。宇宙線が地球の大気と相互作用することでガンマ線が放出されることが知られており、私はこのガンマ線を観測するために、アメリカ・ニューメキシコ州のLangmuir Laboratoryに留学しました。この研究所は、雷の頻度が高く、標高が富士山と同程度で雷雲との距離が近いため、雷研究に理想的な環境です。私は、日本から2種類の放射線検出器を持ち込みました。1つは京都大学が開発したCOGAMO検出器、もう1つは自作のCSI検出器です。これらを使って観測を行い、現地の研究者とプレゼンテーションやディスカッションを通じて交流しました。現在、取得したデータを解析しており、雷雲が近くにあるときの放射線量の増加が確認できると期待しています。