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火山灰(テフラ)屋さん

出身・在学高校:
私立成城高等学校
出身・在学校:
首都大学東京
出身・在学学部学科:
都市環境科学研究科 地理環境環境科学域
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年08月16日 初回執筆日:2017年08月16日

世界の火山、古環境研究と分析手法の習得

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • University of Oxford Research Laboratory for Archaeology & the History of Art
  • イギリス・イタリア
  • オックスフォード
留学期間:
6カ月
総費用:
140円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,400,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<なし> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<なし>

留学内容

ヨーロッパの火山、古環境変動学研究の最先端を行く研究グループにAcademic visitorという形で在籍し、多国籍の研究者と共同で研究しました。

留学の目的は3つあり、最先端の研究機器を使用した試料の分析、最新の分析手法の習得、プロジェクトへの参加を通じた火山・古環境変動学研究の学習です。また、様々な研究プロジェクトに参加することができたため、世界各地の研究(ヨーロッパ、アフリカ北東部、チリ、メキシコ等)に触れることができ、研究の視野が大きく広がりました。

特にイタリアでは実際にフィールドワークを行ったため、自分の行っているような地味な研究が日本以外の土地でも行われていることに感動を覚えました。また、出発直前には日本の火山地域をイギリスでの先生に案内する機会があり、自分の行っている研究の意義を再確認することができました。それらのフィールドワークを通じて受け入れ先の研究者やphdの学生と心を通じ合わせることができたと思っています。留学期間中は苦労することも多かったですが、先生方と信頼関係を築くことができたこと、phdの学生たちと仲良くなることができたことは私の人生を大きく変え、今では留学してよかったと心の底から思っています。

留学の動機

自分の研究する学問分野は地誌性が強く、日本で研究してるのみでは世界の研究の動向を知ることが難しい学問分野だと認識しています。そのため、今後の研究進路を模索するうえで留学はそれを考える絶好の機会であると感じたため留学を決意しました。

成果

①IAVCEI(国際火山学および地球内部化学協会)での研究発表
実質的な研究成果としては、今後随時論文投稿や国際学会への発表などを通じて発信していく予定です。

ついた力

地を固める力

留学前まではどれだけ早く階段を駆け上がれるかということに重きを置いていましたが、留学で積み上げることの大切さを実感しました。ヨーロッパの研究を知らない私はそれを一から学ぶ必要があり、毎日のラボワーク以外の時間でそれを入れなければなりませんでした。その作業は非常に地味ではありましたが、それを積み重ねることで上司やphdの学生と信頼関係を気づくことができたのではないかと考えています。

今後の展望

留学中に上司に”Phdはまたうちに来ないか”という誘いを受けたためそれを実現するために日々闘っています。将来は自分の研究のみならず、それを社会にどのように還元していくかということについても考え、実行していきたいと考えています。

留学スケジュール

2016年
11月~
2017年
4月

イギリス(Oxford)

10月:北海道でのフィールドワーク(with イギリスでの上司)
11月:イギリスへ出発
12月:自身の研究発表およびプロジェクトの途中経過報告
   クリスマスホリデーを使ったドイツ逃避
3月:自身の研究発表およびプロジェクトの途中経過報告
1月:トビタテ年越しロンドン会
4月上旬:イタリアでの研究調査
4月下旬:ダブリンでの試料分析、帰国

費用詳細

学費:納入総額

180,000 円

住居費:月額

70,000 円

生活費:月額

60,000 円

オックスフォード大学の図書館とカレッジ
イタリアのリパリ諸島リパリ島から見たブルカノ島
費用詳細

学費:納入総額

180,000 円

住居費:月額

70,000 円

生活費:月額

60,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

イタリアでの調査を行った時のことです。
イタリアの調査スタイルと私の調査スタイルの違いに驚愕した話です。
私は地質調査といえば何日もテントや車で寝泊まりし、地獄のような生活環境で行うものだと思っていたのですが、イタリアではリゾートホテルに泊まり、調査終わりはプールの中でシャンパン、夕飯はコース料理と全く異なる調査スタイルに驚愕しました。
このような研究や調査スタイルの違いも研究留学をする上での楽しみといえるかもしれません。

Panarea島で泊まったプール付きのリゾートホテル

粘り強く交渉する

  • 留学先探し : 大学院

私は先進国に行ったということもありあまり苦労をした経験はありませんでした。あえて言うなら、渡航前の手続きに苦労しました。
まず留学先を探す際には、私の研究分野が活発な国で1人か2人ずつ研究者をピックアップして交渉を行いました。返信すらくれないことも多くありましたが、ようやく良い返事をもらえたのがニュージーランドの先生でした。しかし受け入れが決定した後、その先生がサバティカルに入るということが判明し、全ての話が頓挫しました。その影響で、新しい渡航先探しはもちろん、トビタテ計画書の変更申請など様々な事務作業が押し寄せてきました。当時、未来への不安や留学に対する不安などに苛まれていた私としては、英語のメールもろくに打てない自分に打ちひしがれていました。
その後なんとか留学先をみつけ渡航までこぎつけられたのは粘り強く留学先の先生方との交渉ができた結果だと考えています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学とは自分の中にある課題を達成する一つの過程だと思います。とはいえ、自分のやりたいことを見つけるために、とにかくトビデテみるのも大事だと思います。ぜひ人とは違う自分なりの留学を考えてみてください。