留学内容
現在執筆中である修士論文に向けた18世紀フランス演劇研究をベースに、アヴィニョンの演劇祭や大学院での研究やワークショップへの参加、および若手研究者との定期的な意見交換。また、留学先であるパリを拠点にヨーロッパ各都市の劇場に実際に足を運び生の舞台に触れながら実地調査を行い、古典作品の現代需要のあり方について模索した。その研究成果や批評などを研究ホームページなどを通じて日本に発信していた。なお、まだ書き溜めているものがあり、現在もこの活動は継続中。
最終更新日:2017年10月24日 初回執筆日:2017年10月24日
語学力:
言語 | 留学前 | 留学後 | |
---|---|---|---|
フランス語 | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<DELF B2> | → | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル |
現在執筆中である修士論文に向けた18世紀フランス演劇研究をベースに、アヴィニョンの演劇祭や大学院での研究やワークショップへの参加、および若手研究者との定期的な意見交換。また、留学先であるパリを拠点にヨーロッパ各都市の劇場に実際に足を運び生の舞台に触れながら実地調査を行い、古典作品の現代需要のあり方について模索した。その研究成果や批評などを研究ホームページなどを通じて日本に発信していた。なお、まだ書き溜めているものがあり、現在もこの活動は継続中。
趣味が高じて現在に至るまで大学では舞台関連の勉強を続けてきてきました。一方で日本の舞台環境への疑問が生まれ、また、観劇の趣味が原因で高尚な人間というレッテルを貼られてしまうことに息苦しさと違和感も感じていました。年間を通じて本場ヨーロッパの劇場で多く触れたい、日欧の舞台、特に古典需要のあり方や向き合い方を比較し、自分が目指す舞台業界での働き方を見つけたいと思い留学を決意しました。
パリの劇場を中心とし多く観劇をし、また通うことで現地の人との交流ができました。フランスだけでなく欧州中足を運び舞台環境や演出の違い、観客の層や反応の違いなどが比較できました。先進国がゆえの問題点やマイナス点も浮き彫りとなり、日本の舞台に関しこれまで否定的にしか捉えていなかった面の良い点にも気付けました。私を単純にカテゴライズせず扱ってくれる社会に居心地の良さも感じました。
多角的に物事を見る力
留学生として異国で暮らすことは、その国の内側に入り込んでいる一方で、そこには常に一線があり外側の人間としても扱われます。大統領選挙など社会的変化の激しかった一年にいたからこそ強くこのことを感じました。中に入り込むからこそ見えること、中から外を見る一方で、常に外から物事を見つめる視点を同時に持てるのは留学生として異国にいることの特権の一つだと思います。
正直まだ迷いも多く自分の無力さを痛感した一年でした。ただコスモポリタンな街で多くの外国人とも出会いっていく中で、それぞれが自分で自分が生きる場所を選び勝ち取って行っている姿を見、自分が自分らしくいれる場所を世界中から選んでいい、そして迷いにかける時間や年齢もきにする必要などないのだということを気づかされました。自分らしくいられる場所をもう少し模索し続けようかなと思っています。
2016年
9月~
2017年
7月
9月前半語学集中講座を受けた後、前期には美学や音楽史など自分の研究のベースとなる講義を受け、日本からの視点で学んできたことをフランス自国の視点を通じて補強して行く。
また観劇を始め、批評などを書きHPを使っての発信活動を始める。10・11月は体調を崩し気味で、精神的にもすごく参った時期。年末年始以前からお世話になっているフランス人友人宅で過ごし、昔からの友人たちと再会したことで気持ちを持ち直すきっかけになった。後期からは少し授業を減らし、自分の研究に時間を割くようにする。院のゼミにも参加、演出家や劇場支配人などを交えた意見交換などを通じ、現代演劇の需要について学ぶ。5月授業が終わってからは本格的に研究に没頭。7月リスボン育ちのフランス人友人宅に招かれる。下旬アヴィニョンの演劇祭ではワークショップなどに参加し改めて舞台環境の成熟を感じた。
学費:納入総額 100,000 円 |
住居費:月額 80,000 円 |
生活費:月額 130,000 円 |
項目:舞台、習い事、旅行、研究資料 - 円 |
学費:納入総額 100,000 円 |
住居費:月額 80,000 円 |
生活費:月額 130,000 円 |
項目:舞台、習い事、旅行、研究資料 - 円 |
ポルトガル育ちのフランス人友人宅に1週間お邪魔しました。彼女が連れ出してくれる場所や集まりはリスボンに住むフランス人が集う場所で、異国にあるフランス人コミュニティ。異国で生きている、また育った彼らは、将来への選択肢を当たり前のように世界規模でもち、自分の視野の狭さと小ささを痛感しました。言語を3つ以上操れるという強みを除いても、彼らには自分を律するたくましさと堂々とした姿勢があり、一人一人がとても魅力的でした。一方で友人が習っている合気道にも毎日ついていき、異国で日本の文化を愛でている人々にも出会うことができました。私にとって初めての合気道。異国で自国固有の文化に触れることはなんとも不思議な感覚で、日本にいてはきっと踏み入れることをしなかった世界、このような巡り合わせだからこそ知れた自国の魅力でもありました。
院での授業は、自分の研究とは少しずれもあり知識が足りない点も多くありました。またハイレベルな場であるがゆえに、また政治やテロなどすごくデリケートな問題に議論が発展するがゆえに、どんどんとついて行くことができなくなっていきました。同じ研究分野でも研究への向き合い方が全く異なり、自分の甘さを痛感した経験です。しんどく重い議論もあり頑張ることをやめたくなるような瞬間もありました。そんな中、寮の友人たちが毎日勉強漬けで頑張っている姿を常に横に見ていると、自分を奮い立たせることがきました。また授業はほとんどフランス人でしたが、寮で重いテーマを外国人同士で話したり、また寮のフランス人にフランス的な解説をしてもらうことで自分が抱えていた溝を少しずつ埋めて行くようにしました。
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