留学大図鑑 留学大図鑑

さおり

出身・在学高校:
豊島岡女子学園高等学校
出身・在学校:
東京農工大学大学院
出身・在学学部学科:
工学府 生命工学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2018年03月30日 初回執筆日:2018年03月30日

人生初の研究留学でスウェーデンへ!

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ルンド大学 生物化学科
  • スウェーデン
  • ルンド
留学期間:
4ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金なし

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

現在、私の所属する研究室ではタンパク質の工学的応用を目指す研究の一環として、がん細胞とリンパ球を架橋させることで特異的な抗腫瘍効果を誘導する二重特異性抗体の研究を進めています。しかし、タンパク質をはじめとするバイオ医薬品は開発年月の長さや、製造が大きな問題となっています。これらの問題を解決する新しい展開を探すため、スウェーデンのルンド大学に留学してきました。そこでは、「分子インプリンティング」の習得を目指しました。分子インプリンティングとは、抗体という生体分子をポリマーで模倣できるという化学的手法です。この技術を用いることで、二重特異性抗体の様な分子が、より迅速に、かつより簡便に開発・製造できるのではと考えました。現地では、分子インプリンティング技術の基礎を学ぶとともに、実際に二重特異性抗体の模倣にも挑戦しました。その結果、現場でしか分からない分子インプリンティング技術の習得の難しさを痛感すると同時に、課題に対し自身の専門分野から見た目線も常に意識することで、多角的なアプローチから課題解決に取り組む姿勢を身につけることができました。

留学の動機

大学生時代に所属していた理系海外インターンシップ支援団体で、研究のために来日している多くの留学生に出会い、彼らに触発されたことが最初のきっかけです。これまで英語力向上のための語学留学などには挑戦してきましたが、就活前に自身のキャリアパスを決めるためにも「研究」というアカデミックな分野で自分の実力を試してみたいと思い、留学を決意しました。

成果

研究テーマの考案から、実験方法の確立まで自分主体で行うことができ、今まで以上に研究者としての思考力がついたように思います。また、自身の研究発表では1時間半にも渡る議論を先生や学生と重ねたこともあり、英語でのディスカッション能力の向上を実感しました。

ついた力

課題解決のため、主体的に動く力

留学前の自分は、与えられている環境に満足し、目の前の課題をこなすことに精一杯でした。しかし、留学先では研究テーマの考案から自分が携わったため、自分がどうしたいかを深く考え、それに従い主体的に動く姿勢が身につきました。また研究時間の確保のために早めの登校や、積極的に周りの人に質問することを心がけた結果、周囲の人から「君は努力家だ」と言って頂けたり、研究面で互いに励まし合えるような友人に恵まれました。

今後の展望

就活真っ只中ですが、企業選びに「研究職としてグローバルに働けるチャンスがあるか」を軸の一つとして進めています。そして、いつか研究室で出会ったメンバーと、どこかで再会できる日を楽しみにしています。

留学スケジュール

2017年
9月~
2017年
12月

イギリス・スウェーデン(ルンド)

平日はもちろんのこと、たまに休日にも研究室に足を運んで、実験をしたり、文献調査をしていました。研究室全体ではミーティングやセミナーがあり、専門的な内容を理解するのには苦労しました。また、スウェーデンの文化で'Fika(フィーカ)'というコーヒーブレイクのようなものが、研究室にも導入されていて、週1回担当の人がケーキなどを振る舞ってくれます。その時間は自分のグループ以外の人とも気軽に話せるため、研究の息抜きに最適でした。ただ、学部生はもちろんのこと、修士課程の人はほとんどおらず、年齢層が高いのが日本の研究室と大きく違う点だったと思います。研究以外の活動としては、日本語TAに参加したり、ルームメイト達と夕飯を一緒に作るのを楽しんでいました。また、月一回はトビタテ生に声をかけて、一緒に観光に行ったりしてました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

65,000 円

生活費:月額

20,000 円

スウェーデンの伝統菓子(プリンセスケーキ)
私が誕生日の時、ルームメイトがサプライズで祝ってくれました!
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

65,000 円

生活費:月額

20,000 円

スペシャルエピソード

日本のことが、とても好きになった瞬間

日本語学科の先生にお願いし、日本語TAとして会話の授業に参加する機会を頂きました。主に会話練習のパートナーとして補助に入ったり、質問対応などを行いました。その時、日本語授業を取っている学生が合計で約60人もいることに驚きました。スウェーデンという日本にとってあまり馴染みのない、遠い国でこんなにも日本語、日本文化に興味を持っている人がいることを嬉しく思った瞬間です。

日本語授業の風景

パスポート盗まれた...!

  • 生活 : 治安・安全

タイトルにある通り、「パスポートの盗難」に遭いました。デンマークのコペンハーゲンに遊びに行った帰り、リュックサックをふと見たら大きくチャックが開けられていて、パスポートなどが含まれるポーチがなくなっていました。その次の週には、飛行機でヨーロッパを回る計画を立てていたため、すごく焦ったのを覚えています。新しいパスポート取得には、主に証明写真、戸籍謄本、現地警察署で発行される被害届が必要になります。これから長期で海外に行かれる方は、念のため証明写真だけでなく、戸籍謄本も持って行かれた方が安心かもしれません。私の場合、長期で海外にいて、身の回りのものに対する危機感が薄れてしまっていたと思います。常に自分が盗難のターゲットにされやすい「観光客」に見られていることを意識するべきだと痛感しました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は「自分を見つめ直す最高の機会」であり、精神面で自己成長できます。楽しいことばかりでなく、苦労することも多いと思います。でも、それは一度立ち止まり、自分自身と正直に向き合って考える時間をつくるきっかけになります。その時に、様々な生き方や考えが浸透している「海外」という場で、実際目にしたもの、出会った人々を通じて、自分のあり方を模索できるのは本当に素晴らしい環境だと思いますよ!