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Hikaru

出身・在学高校:
東京都立江北高等学校
出身・在学校:
首都大学東京(現東京都立大学)
出身・在学学部学科:
東京都立大学大学院
在籍企業・組織:

ノルウェー留学や大学院での交換留学について悩んでいる方はご相談ください!


最終更新日:2025年03月07日 初回執筆日:2025年03月07日

ノルウェーで学んだ「ケア」の形

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • サウスイースタン・ノルウェー大学、文化・宗教・社会学部、人権と多文化主義コース
  • ノルウェー
  • ドランメン
留学期間:
5か月
総費用:
1,700,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,150,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<IELTS6.0> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<IELTS6.0>

留学内容

将来的に持続可能な看護を模索することを目的に、日本よりも移民比率が高く多文化受容が進み、また福祉国家と呼ばれるノルウェーで“ケアの実践”を学ぶ留学をすることにしました。サウスイースタン・ノルウェー大学では、人権と多文化主義の理論や国際法に関する授業を履修し、高齢者ケアと結びつけて文献レビューを行いました。また、認知症の高齢者が集う施設でのボランティアに加え、オスロ大学病院、ノルウェー看護協会、そしてケアリサーチセンターへの訪問を行いました。これらの活動を通して学んだことは、ノルウェーではケアを受ける個人の自立や自由が強調されていること、そしてその良い面と課題です。また、ケアの場においては必ずしも多文化がうまく融合しているわけではないことにも気がつき、ただ模倣するのではなく、様々な視点を取り入れながら考え続けることが重要であると学びました。

留学の動機

学部生の頃から、留学をして自分の視野を広げることが必要だと確信していました。研究者として日本の医療・看護に貢献すると決めた時、少子高齢化や働き手不足をといった深刻な課題を抱える日本には、国際的で多様な視点が必要だと思いました。そして、私は博士研究でフィールドワークを行っているので、その場にいる人々を多角的に理解することに役立つ人権と多文化主義コースで学ぶことにしました。

成果

ノルウェーでは高齢者の自立を促進する一方、日本では家族や地域で支え合うという違いが明白で、両国それぞれの課題が明らかになりました。ボランティア先は初期段階の認知症の方が自主的に集まるノルウェーでもユニークな場所で、地域で支え合う素晴らしさを体験しました。病院や看護協会への訪問では、両国の課題を共有し、将来的なコラボレーションの可能性を得ることができました。

ついた力

そのままの自分を受け入れる力

留学前は「人前で明るく振る舞い、積極的であらねばならない」という思い込みがあり、様々な場面でそうなれない自分に嫌悪感を抱いていました。しかし、文化的に平等や個人を尊重するノルウェーでは、その都度自分なりに頑張っているとうまくいくことがたくさんありました。まず自分を知り、それを受け入れて物事や人と接することの大切さを学び、自分らしくどんどん行動できるようになりました。

今後の展望

まずは、博士号を取得することが一番の目標です。その後は何らかの形で国際的に研究活動をしたいと考えているので、博士課程在籍中は英語で成果発表を行って実績を積み、コネクションを作っていく予定です。また、留学で得た知識や経験を共有して、周りの人が少しでも海外に興味を持つ人が増えるような活動をしていきたいです。

留学スケジュール

2024年
8月~
2024年
12月

ノルウェー(ドランメン)

8月〜12月、交換留学先であるサウスイースタン・ノルウェー大学でTheory of Human RightsとMulticulturalism and International Human Rights Protection and the Role of International Institutions, Mechanisms, and Relationsという授業を受講しました。最終課題では、高齢者の人権やケアについて国際的な視点でノルウェーと日本の状況を比較するエッセイを執筆しました。また、9月〜12月の間、初期の認知症の高齢者が集まってアクティビティを行う Villa Fredrikke aktivitetshusで週1回のボランティアを行いました。高齢者の方は英語を話すことに慣れておらず、コミュニケーションに苦労することがありましたが、一緒に食事を作ったりアクティビティをすることで、関係性を深められました。
また、オスロ大学病院やノルウェー看護協会、ケアリサーチセンターに訪問し、研究チームに混ざってミーティングに参加しました。ミーティングでは、自分自身の研究に加え、日本の医療・福祉の状況をプレゼンテーションし、将来的なコラボレーションの可能性についてディスカッションを行いました。
学生寮では、他の学生4名とキッチンのみをシェアしていました。そこでは、ノルウェー人のルームメイトと仲良くなり、一緒にアニメ鑑賞をしたり、食事をしたりしていました。彼らと日常生活の一部を共有する中で、ノルウェーの食事や文化をたくさん学びました。ノルウェー人は「シャイ」であると言われることが多いそうで、初対面の人との距離感が日本人の感覚と似ており、関係性を深めやすかったと思います。ノルウェーの伝統料理を食べてみたいというと、何時間もかけて作ってくれて、とても優しい人たちでした。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

85,802 円

生活費:月額

100,000 円

項目:航空券・旅行・ジム・娯楽など

700,000 円

留学先のキャンパス。こじんまりとしていますが、とても親しみや
ボランティアをしていた施設です。とても素敵な空間です。
ルームメイトとはお互いの国の料理を一緒に作りました。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

85,802 円

生活費:月額

100,000 円

項目:航空券・旅行・ジム・娯楽など

700,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

Gjøvikという場所にあるケアリサーチセンターに訪問した時、1人の研究者マリアンヌから連絡をもらいました。彼女は今後日本での調査を計画していて、ぜひ私と話をしたいと言ってくれました。少し話をして意気投合をして、「もう一度Gjøvikに来ない?」と、改めてマリアンヌと家族の家に2泊3日で招待をしてもらいました。彼女と家族(夫と子どもたち4人)と一緒に過ごし、マリアンヌの研究計画について聞いて、日本でどのように調査を進めることができるかを話し合いました。私の研究にもアドバイスをもらい、とても有意義な時間を過ごしました。
今年の春に、マリアンヌ家族が日本に来るので、今度は私の実家に招待して家族と一緒に日本のおもてなしをする予定です。文化も専門分野も違うマリアンヌですが、このような繋がりができて、行動することの大切さを実感しました。

お世話になった研究センターがある大学です。
マリアンヌ家族宅の2階で寝泊まりしていました。

笑いあり、涙あり!留学中にあった、すごいエピソード

ボランティア先で、スタッフとゲストの希望があり20人にお寿司を振る舞う機会がありました。日本人は私だけなので、材料を購入して作るまで全て1人で行わなければならず、日本人の友人を呼んで手伝ってもらいました。当日になり、2時間という時間制限の中でお寿司作りを始めました。しかし、大きな鍋で日本米を炊くのが想像以上に難しく、半分以上が半生になってしまい、うまく炊くことができませんでした。とっても焦ったのですが、ノルウェー人のボランティアスタッフの方が「皆、日本の米がどんな感じかなんてわかんないから大丈夫!!」と言ってくれ、食べられないわけではないのでそのまま作ることに。
日本人には出せない出来でしたが、ゲストの皆さんは顔をほころばせて「美味しい!」と言ってくれ、おかわりもしてくれました。マイ箸を持ってきている人もいて、どれだけ楽しみにしてくれていたかがわかりました。どれだけ上手く作るかよりも、気持ちが大事なんだと体験を通じて知った出来事でした。

ほうじ茶も準備して、日本食を楽しんでもらいました!

あらゆる手段を使って実践活動先を探す

  • 留学先探し : ボランティア

トビタテへの採用が決まった後、実践活動先を探すのにかなり苦労しました。最初はどこに連絡したらいいのかわからないまま、ホームページやボランティア募集サイトからメールをしていました。しかし、「ノルウェー語ができないと難しい」と言われ、なかなか見つかりませんでした。
ノルウェーに留学していた先輩トビタテ生に連絡をしたり、SNSでつながりを作ったりして、情報を得ていきました。最終的には、Rinkdinでオスロ大学病院に努めている人に直接コンタクトをとって、病院や看護協会につなげていただきました。また、交換留学先のボランティア募集イベントに参加して、関係がありそうな人に直接「こういう活動先を探している」と伝えました。たまたまその人がドランメンのケア施設を担当している方で、その方からボランティア先へ連絡をしてもらうことができました。その後は、ボランティア先に直接足を運んで自分のやりたいこと、できることを伝えて承諾をもらうことができました。
文化や言語が違うコミュニティに参加させてもらうのは、とても大変なことでした。でも、すぐに諦めないで行動し続けることが大切です。

留学前にやっておけばよかったこと

言語の勉強はどれだけやっても足りないくらいです。私は日常英会話に困らない英語力はありましたが、授業や研究チームでのディスカッションには苦労しました。留学前からオンライン英会話やコミュニティに参加して色々な人と話す力をもっともっとつけておけばよかったと思います。

留学を勧める・勧めない理由

留学は大変なこともありますが、意外となんとかなることもたくさんあります。留学をすることで、人は一段階レベルアップすると思います。「留学に行ってみたいな〜」と少しでも思うなら、今から行動することをおすすめします!

これから留学へ行く人へのメッセージ

後悔しないように、やりたいことをやってみてください。「思っていたのと違う」と思うこともあるかもしれませんが、それが知れることも大事な経験です。行動しながら、次を考えていけば大丈夫です。ぜひ、思い切り楽しんできてください。