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KK

出身・在学高校:
洛南高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
医学部医学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2025年03月11日 初回執筆日:2025年03月11日

生物学×情報でO157の感染戦略を解明

留学テーマ・分野:
大学生:研究留学
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • マックスプランク生化学研究所
  • ドイツ
  • ミュンヘン
留学期間:
2か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 670,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

テーマは「バイオインフォマティクス×生物学でO157の感染戦略の解明に挑む」です。
私が取り組んでいる感染症の研究を進めるためには、生物学の知識だけではなくバイオインフォマティクスという情報科学の知識も必要になると考え、その分野で世界をリードする研究室で研究をするべく、留学を決意しました。留学中はサマースクールに参加し、網羅的なタンパク質情報の取得技術である質量分析法の解析ソフトウェアの原理を学びました。また、日本で研究していたサンプルを用いて実際に質量分析を行い、バイオインフォマティクス解析を行いました。

留学の動機

私は1年生の時から、感染症の研究をしていました。その過程でバイオインフォマティクスという、生物が持つ膨大な情報を情報科学の手法により解析し、生命現象を解き明かす学問に興味を持ちました。しかし、これらの理解と使用には、生物学・医学の知識だけでなく、物理化学や情報科学などの異分野の知識が必要であり、せっかくならその分野で世界一の研究所で最先端を学ぼうと思い留学を決心しました。

成果

目標だった、自分の研究サンプルで質量分析を行い解析することは達成できました。また、研究室のセミナーで留学中の成果を発表し、研究結果や今後の展開についてディスカッションができました。でもそれと同じくらい、海外の研究室の環境を見られたことや、大学院生、世界をリードする研究者たちとのつながりを作れたことがうれしかったです。

ついた力

ためらわず聞いてみる力

留学前は、特に研究関係においてわからないことがあれば自分で解決しようとする傾向がありましたが、留学中は異分野であるということもあり、サマースクールやラボセミナーなど分からないことばかりになりました。その結果、疑問に思ったら詳しい人に聞いて情報を集める習慣がつきました。そうすることで、自分で解決するよりも正しく深い理解ができ、さらにコミュニケーションもとることができたので一石二鳥でした。

今後の展望

留学中は主にタンパク質のバイオインフォマティクスについて学びましたが、今後はDNAやRNAなどを含めたバイオインフォマティクス全般を使いこなせるようになりたいです。今の目標は抗菌薬が無効な細菌に対する根本的な治療法を開発することです。また、バイオインフォマティクスの知識は感染症に限らずあらゆる分野に応用できるため、将来医師や研究者として働くときに選択肢を広げることになると思っています。

留学スケジュール

2024年
9月~
2024年
10月

ドイツ(ミュンヘン)

留学先のマックスプランク生化学研究所では、世界中で使用されている質量分析の解析ソフトウェアを開発した先生の研究室に所属しました。留学期間中に偶然その研究室が、解析ソフトウェアのサマースクールをミュンヘンで開催するということだったので、参加して基礎的な原理や使用法を学びました。サマースクールに参加していた研究者や学生と、お互いの研究について話したり、それぞれの国について話したりもしました。研究室では、日本で研究していたサンプルを用いて、実際に質量分析を行い、ソフトウェアを使って解析を行いました。その結果、細菌の病原タンパク質が細胞にどのような変化を与えるのかについての研究を進めることができました。留学終盤には、研究室のセミナーで発表・ディスカッションを行い、次の研究につなげました。
住居は研究所のゲストハウスに宿泊しました。1人部屋でキッチンと洗濯機のみ共用でした。たまたまキッチンで出会った人と会話をしました。日本人はいませんでしたが、日本語を少し勉強している人がいたり、日本のアニメが大好きな人がいたりして、楽しかったです。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

35,000 円

お世話になったラボの人たちとオクトーバーフェストに行きました
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

35,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

留学が終わりに差し掛かるころ、せっかくミュンヘンにいるので、シンデレラ城のモデルとなったとされるノイシュバンシュタイン城を一目見てみたいと思い、ツアーに参加しました。そのツアーは世界中の観光客が参加するようなツアーで、私以外にも日本人グループが1組いました。ツアー中にお話をさせていただいたところ、なんと東京大学の心臓外科の教授の小野稔先生と、小野先生と協力していらっしゃる医療機器の会社の方々でした。その後、夕食もご一緒させていただき、先生のキャリアや海外留学についてのお話などをお聞きして、自分の将来の糧になりました。本当に偶然でしたが、普段なかなか会うことができない人と会うことができたのは留学ならではの経験だと思います。自分のロールモデルとなるような人とのご縁をいただけて感謝しています。

小野先生と夕食を食べました

早めの準備

  • 留学先探し : 大学院

留学したいと思った研究室にapplyするのは、特に学部生にとっては初めてで難しいと思います。短期留学の学部生はなかなか受け入れてもらえないという話も聞きます。それに加えて奨学金の応募締切なども考慮しないといけないので、早めに準備をして、不安があれば先生に相談するなど、すぐ行動するのが良いと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

初めは環境の変化に戸惑うかもしれません。でもせっかく自分で計画して、日本から遠いところに行くので、自ら貪欲に120%の力で頑張って、多様なつながりを作ってみるのがいいのかなと思っています。