スイス(チューリッヒ)
神経発生学や神経回路形成を専門とするチューリッヒ大学の教授の研究室に1年間留学しました。教授をはじめ秘書の方、Lab Manager、Technical Staff、そしてスイスだけではなく様々な国から来た研究室メンバーには、研究の基礎から応用、さらには生活面まで手厚くサポートしてもらいました。研究室では留学の全期間をかけて、神経難病を引き起こす遺伝子に関するプロジェクトに取り組みました。
チューリッヒ大学では、自分よりも若い学部生や修士課程の学生が博士課程の学生と対等に研究の話で盛り上がっていたり、英語でまくし立てるように質問をしていたりする光景が日常的であり、その雰囲気についていけず落ち込むこともありました。しかしプライドや恥を捨て、「分からないから教えてほしい」と思いきって何度も発信したことで、皆が喜んで豊富な知識を共有してくれ、そのおかげで徐々に自信をつけていくことができました。最終的にはスイスで行われた学会で筆頭者として研究成果を発表するまでに成長しました。
また、チューリッヒでの住まい探しには大変苦労しました。留学前から準備を進めていたものの、最初の1か月は住む場所が無く、古いアパートのようなホテルで一人暮らしをしていました。その間に、チューリッヒ大学やチューリッヒ工科大学の学生が暮らす大人気の学生寮から、「もうすぐ空き部屋が出る」と連絡をもらえたのは、留学中最大の奇跡でした。留学開始2か月目からその寮に入居でき、ヨーロッパ各地から集まった勉強熱心な学生と毎日交流し、留学を終える頃にはまるで兄弟姉妹のように仲良くなりました。