留学内容
スイスのジュネーヴ大学に交換留学し、社会言語学と通訳翻訳学を専攻した。ジュネーヴは「言語学の父」ソシュールとゆかりのある、言語学の聖地。加えて、4つの国語を持ち、外国人の受け入れが多い国柄や国際性あふれる土地柄、スイスでは言語への関心が非常に高い。
社会言語学の研究と通訳翻訳学で実績の高いジュネーヴ大学にて勉強&大学の外では、実際に4つの言語圏を訪問してスイスの多言語社会を理論的かつ実践的に理解することを目指した。
最終更新日:2020年05月07日 初回執筆日:2020年05月07日
語学力:
言語 | 留学前 | 留学後 | |
---|---|---|---|
フランス語 | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TCF:B2> | → | 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<DALF C1、仏検準1級、独検準1級> |
スイスのジュネーヴ大学に交換留学し、社会言語学と通訳翻訳学を専攻した。ジュネーヴは「言語学の父」ソシュールとゆかりのある、言語学の聖地。加えて、4つの国語を持ち、外国人の受け入れが多い国柄や国際性あふれる土地柄、スイスでは言語への関心が非常に高い。
社会言語学の研究と通訳翻訳学で実績の高いジュネーヴ大学にて勉強&大学の外では、実際に4つの言語圏を訪問してスイスの多言語社会を理論的かつ実践的に理解することを目指した。
「外国語を使ってしかできない分野を学びたい」という思いから、学部時代は言語に関する授業を片っ端から受けました。一番しっくり来たのが、言語と社会の関係、言語教育と国家の関係を考える分野。特に、学校でも家庭でも複数の言語を話すことが当たり前というスイスは、日本で生まれ日本人の両親に日本語で育てられた私にとって最も「謎」。純粋な自分の関心でスイスを選び、研究実績の豊富さからジュネーヴを選びました。
社会言語学・通訳翻訳学の授業で取得した単位を、上智大学の単位に変換・現地調査の結果と合わせて卒業論文を執筆。スイスの言語政策・言語教育を研究テーマに、修士課程に進学。民間企業の会社員を経て、博士課程でも研究を続けています。
自分に規制をかけない力
自己紹介をする機会が多く、その都度自分をどう見せるかということを考えた。日本では自然に理解される学歴や出身地が海外では通用しない。自分のプロフィールをどのように説明するかで相手に与える印象が大きく変わる。自分の経歴や育った環境では当然と思っていたことも、外国語で説明してみると全く通じない。海外では、素裸の自分の思いに向き合う機会と、それに対応する力を身に着けました。
研究実績を積み、もう一度留学したい!
2015年
9月~
2016年
7月
<社会言語学の講義とゼミ)> Français et la politique linguistique「フランス語と言語政策」、 Français en contact et plurilinguisme「接触言語としてのフランス語と複言語主義」、 Différenciation de la sociolinguistique「社会言語学の分化」、La Suisse et ses langues「スイスとその言語」
***
<通訳翻訳学の講義とゼミ> Science de langage「言語学基礎」 、Rédaction FR,DE「文章構成法(仏独)」、 Aspects de la langue FR,DE「文法的特徴(仏独)」、Analyse de la langue FR,DE「文学的特徴(仏独)」、Civilisation FR,DE「フランス語圏・ドイツ語圏の文化社会」
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 78,000 円 |
生活費:月額 120,000 円 |
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 78,000 円 |
生活費:月額 120,000 円 |
日本で抱いていたスイスのイメージと、実際に見たもの聞いたものから得たこと
スイスは二つの意味で「多言語」。まず、26の州(カントン)がそれぞれの公用語を設定している。隣り合う州で言語を学び合う制度があり、国レベルで多言語主義を推進している。そして、人口の25%を占める外国人の存在が大きい。地域、職場、家庭で異なる言語を使い分ける人が多く、個人レベルの多言語能力も大切にしている。
これまでスイスの言語教育研究は、言語別に分化しがちであった。また、連邦国家という近代の「国民国家」モデルとは異なる性質からスイスは政策研究の”例外”と考えられてきた。
ところが現地の授業では、言語の壁など気にせず、あらゆる分野の研究者と何より一般市民が言語について白熱した議論を交わしていた。私も語学力を生かし、スイス国内の議論を丁寧に調べることによって、先行研究におけるスイス像を変えたいと考えた。
海外での生活に昔から憧れ、外国語でのコミュニケーションも留学前から得意・好きなタイプだと自分では思っていました。留学して実際に期待どおりの生活が得られると、想定していない面で自分がストレスをためていることに気づき、その事実が情けなくさらにショックでストレスをためるという悪循環が起きてしまいました。外国語能力を伸ばさなければいけないから、日本人との接触や日本語からの情報収集を意識的に避けなくては、というプレッシャーもあったのだと思います。そうした時に一息、言葉や人間関係の壁なく「美しい」ものに触れられたヨーロッパの環境はとても恵まれていたと感謝しています。芸術・音楽・街歩きなど自分が”全世界で”好きな物に留学で気づくことができました。
日本国民はビザなしで3ヶ月以上の長期滞在も可能だが、滞在するカントンの移民局に「滞在許可証」の申請が必要。申請のための書類は日本から送っておくと、現地での手続きがスムーズで、手数料もかなり安くなる。
私は渡航3ヶ月ほど前に入学許可証を大学から受け取り、パスポートのコピーや滞在理由書、銀行の残高証明などとともに申請書をEMSで送りました。実際に送ったのは渡航直前で、送った書類のコピーを空港で提示し現地に到着(パリ経由で行ったのでEU入国審査の時に少し質問されたりするかなと心配だったため)。
到着後すぐに、書類受理のお知らせメールを受け取り、ジュネーヴ移民局へ。滞在場所の確認と指紋採取を経て数週間で滞在許可証(身分証明書のような形式)を受け取り。
手続きは本当に海外かと疑うほどとてもスムーズでしたが個人差があるようでした。
*参考 http://ge.ch/population/nos-formulaires (ジュネーヴ移民局の申請書類 仏語)
小さなエリアに世界中から留学生・インターン生が集まるジュネーヴでは常に住宅が不足しており、学生寮の入居は”非常に”困難。
休暇を利用した短期滞在が一時的に増える夏休み中・秋学期開始時期はほぼ飽和状態、シェアルームを見つけることもかなり苦労します。ちなみにワンルームは家賃が基本的に1000ユーロを超えるのでお勧めしません(金銭的余裕がある方は是非。)。
私は渡航半年ほど前に5つほど学生寮に入居願書を送りましたが、返事はどれもNO。諦めてホームステイか安めのAirbnbを直前まで探すことになりました。やっと見つかったAirbnbの一室は一晩60ユーロで、2週間の滞在がやっとでした(ホテルは一泊100ユーロが最低価格の国です…)。
その間に学生寮から、「学期開始の1ヶ月後からなら一室空く」との連絡をもらい、入居までの間の滞在先としてワンルームの間貸案件の家賃を前払いしようと送金手続きをしようとしていたら、大家さんが詐欺師と発覚。その瞬間ホームレスになり、ありとあらゆる人脈をたどって1ヶ月のホームステイ先を見つけて一件落着という経験をしました。
大事なのは、1 学生寮は早めにコンタクトを取り、確実に一室ゲットする 2夏場の住宅不足に漬け込む詐欺に注意(特に、インターネットサイトでのやり取り)3 現地での知り合いは宝物 4 ジュネーヴ市内で見つからないなら、近郊のフランスに住むことも検討すべし(バスで通学しても数十分の距離)
大学が住居斡旋をしてくれないと分かっている場合はとにかく早めに住居確保をしてください。住居さえあれば、治安も良く生活に必要なものがすべて揃ったとってもいい街です。
ヨーロッパでは日本よりもフリーWifiのアクセスが充実しています。
大学と自宅でインターネットがあるなら、普段はSMSと電話のみで十分だと思います。
私は日本からもってきたiPhone(SIMフリーでない)をWifi下で使用し、
現地で買ったプリペイドのNATEL(スイス携帯会社大手のSwisscom)を現地でのメッセージと通話に使用していました。
NATELは本体が19ユーロほど、プリペイドで支払った額は年間で30ユーロ以下でした。
iPhoneはソフトバンクの番号お預かりサービスに登録して、月額390円の支払いのみです。
現地で常に電波が欲しい方は、フランスやドイツでSIMフリーのスマホを買って、SwisscomのSIMを入れて使う方法もあります。本体はだいたい1万円ほどで、緊急時以外はプリペイドを使わないようにしていればこちらもそこまでお金がかかりません。