フィリピン(セブ島・マクタン島)
フィリピンに3週間滞在し、僻地医療の現場の訪問や現地での生活を通して、人とのつながりが人々のwell-beingに与える影響を探究した。医療現場では4回の出産を見学し、リハビリ施設や救急医療についても学んだ。また、シールを用いた意識調査を実施し、人々が日常的に誰と交流し、そのつながりをどのように感じているのかを調べた。
調査では、多くの人がさまざまな人と日常的に交流し、それを肯定的に捉えていることが分かった。リハビリ施設では家族が患者に同行し、自宅での継続的なケアも家族ぐるみで支えていた。また、多世代で暮らし、人生の最期を家族で看取る文化にも触れ、家族や地域のつながりが精神的な安心感を生み出していると考えた。一方で、医療機関では病床や設備などの不足が見られた。また、出産の場面では、助産師が妊婦のお腹に乗るようにして、出産を勧めたり、母親に対する温かい声掛けなどは見られず、日本とは異なる立場関係があるようにも感じた。さらに、栄養不足や若年層の高血圧・糖尿病など、身体的な健康に関する課題も学んだ。
滞在中はホームステイをし、水シャワーを浴びたり、毎朝鶏の鳴き声で目覚めたりする生活を送った。家で鶏を捌く場面や、猫が大きなネズミを捕まえる場面にも遭遇し、日本では日常的に目にすることのない光景を経験した。こうした生活を通して、医療環境だけでなく、暮らしそのものも文化や環境によって大きく異なることを実感した。自分の当たり前を基準に判断するのではなく、その土地の生活背景や価値観を理解する姿勢が身についた。
今回の留学を通して、人とのつながりは精神的なwell-beingを支える重要な基盤である一方、専門的な医療技術や適切な栄養管理の代わりにはならないと学んだ。精神的なケアと身体的なケアのどちらも欠かすことなく人々の健康を支える必要性を実感し、人とのつながりを生かしながら専門的な知識と技術をもって母親とその家族を支える助産師を目指す思いが強まった。