留学大図鑑 留学大図鑑

Shizuru

出身・在学高校:
福岡県立修猷館高等学校
出身・在学校:
宮崎大学
出身・在学学部学科:
農学部 畜産草地科学科
在籍企業・組織:
ヨーロッパ 和牛事業


最終更新日:2017年10月23日 初回執筆日:2017年10月23日

"日本"の和牛を”世界”の和牛へ!!

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Belltree Australia PTY.LTD./Millaa Millaa Farm/W&B HOLDONGS PTY.LTD.
  • オーストラリア
  • メガロンバレー・アサ―トン・シドニー
留学期間:
8ヵ月
総費用:
1,320,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,320,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC800> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

 日本の和牛生産、海外Wagyu生産、海外主流の畜産、それぞれの現場を経験した土台の上で、もう一度日本産和牛を見つめること、これを留学の1つのゴールに掲げていました。
 留学期間中は①Wagyu牧場、②Wagyuでない品種の牧場、③食肉流通会社、の3つ機関でインターンシップを行いました。①のWagyu牧場では日本式の牛舎、1頭1頭に目の行き届く方法で飼養しており、牛飼い(生産者)としての技術面・精神面で多くの学びが。②の牧場では、ブラーマン種・アンガス種の性格や扱い方、また、家畜を群れで管理・生産する形態を学びました。③の食肉流通会社では、一度生産現場から離れシドニー市内のWagyu肉流通市場に飛び込みました。午前に牛肉の仕分けや配送のサポート、夕方以降はWagyuレストランでサービスをし、生産から食卓までの一連の流れを経験しました。

留学の動機

 日本産和牛のさらなる海外市場進出に貢献したい、これが私の強い想いです。そのためには、海外で生産されるWagyuへの理解を深め、日本産和牛と海外Wagyuの共通点や相違点を把握するべきだと感じました。そこで、Wagyu生産量世界第1位、国内だけでなくすでに14の国や地域にWagyu肉を輸出するオーストラリアへ渡航し、生産・流通現場でのインターンシップ留学をしようと決意しました。

成果

Wagyu牧場では、”牛を見る目”を鍛えました。朝から晩まで牛を見ながら、表情や姿勢、行動パターンをチェック。最後には育成牛の治療を任されるようになりました。次の牧場では、先に鍛えた牛を見る目が活かされキャトルワークの戦力に。3つ目の流通会社では、食肉流通会社の顧客であるレストラン、レストランの顧客の消費者等、様々な角度から人々のWagyuに対する考え方やニーズについて知ることができました。

ついた力

ゴールを見つめる力

 次に予定していたインターン先が受け入れキャンセルとなり不安と焦りを感じた時も、精神的にぼろぼろになった時も、毎日同じルーティンワークで学ぶことを忘れそうになった時も、いつも一度自分を客観視して、今の自分は掲げた目標に対してどの位置にいるか、これから先に進むには何をすべきか、を考えるようにしました。それを教えて下さったのがメンターで、とても感謝しています。

今後の展望

 ドイツを拠点に、ヨーロッパ各国へ日本産和牛の流通を行う会社へ就職。商材としての牛肉ではなく、届ける和牛肉を通して、生産者の想いや情熱、そこに加わるシェフの想い、食べて感動するお客さん1人1人が繋がるように力を尽くしたい。

留学スケジュール

2016年
8月~
2017年
1月

オーストラリア(メガロンバレー)

日本人の家族がWagyuを飼養する牧場。日本式の牛舎、日本と同様の飼養管理で生産が行われ、朝夕の餌やり、牛舎清掃、放牧地見回り、除角・去勢、治療、及びペストコントロールが主な仕事。Wagyuの純血種を日本式で飼養しているため、日本で学んだこととあまり変わらないのではと不安に感じたこともあったが、豪州Wagyuの歴史やマーケットの実態、Wagyu協会のシステム等、オーナーが教えて下さることが母国語だからこそ深く理解することができた。また、学生の時には携わることのできなかった治療も学び、最終的には育成牛の治療を任されるようになった。
現在、インターン中に育成に携わった牛たちの出荷時期であるが、先月出荷したほとんどの個体が最高ランクの肉質評価であり非常に良い成績だった。オーナー家族と先輩従業員、チームで朝から晩まで牛を見て、飼育者として技術的・精神的に多くのことを吸収した期間であった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

200,000 円

生活費:月額

100,000 円

項目:作業着(ハット、ブーツ)

50,000 円

牛舎の様子。皆、人懐っこい。
牛舎から見えた感動
大好きな鈴木ファミリーと。ちなみに私も鈴木
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

200,000 円

生活費:月額

100,000 円

項目:作業着(ハット、ブーツ)

50,000 円

2017年
1月~
2017年
3月

オーストラリア(アサ―トン)

Wagyuでない品種(ブラーマン種主体)を飼養する牧場。家畜を群単位で管理するオーストラリア畜産の主要な形態を学んだ。牛は1日中放牧されているため、水場メンテナンス、フェンス修理、有害植物の除去等の放牧地管理が普段の作業。必要な場合に集牧を行い、出荷や牛群移動、出生確認、ワクチン投与を行った。黒毛和種でない牛の性格や扱い方、家畜市場のシステムやセリ相場など、全てにおいて違いがあった。オーナーが他の牧場ではさらに違う発見があって勉強になるだろうと、セリ場でお世話になった方々へ見学のお願いをし、Millaa Millaa Farm滞在期間中にWagyu交雑種を飼養する牧場、アンガス種を飼養する牧場、フィードロット(大規模肥育場)、3つの機関を見学させて頂いた。畜産農家の家畜に対する考え方や、ライフスタイル、Wagyu産業へのイメージなどを知ることができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

100,000 円

項目:交通費(飛行機・車)

80,000 円

キャトルワーク!車のナンバーはWAGYU
私の相棒、ダイヤモンド
初日で家族の仲間入り。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

100,000 円

項目:交通費(飛行機・車)

80,000 円

2017年
4月~
2017年
4月

オーストラリア(シドニー)

Wagyu流通会社でのインターン。午前中はレストランや顧客へWagyu肉の配達・在庫管理及び新規マーケティングのサポートを行った。午後以降は会社のもつWagyuレストランでサービスをしながらWagyuの部位ごとの提供方法を学んだり、来客を対象にWagyuに関するアンケート調査を行った。レストランサイド、消費者サイド、様々な角度から人々のWagyuに対する考え方や求めるニーズについて知ることができた。マーケットの主要顧客は中華系富裕層であり、現在の流通量では全く足りないと言われるほど、肉質評価の高いWagyu肉のさらなる供給が求められていた。生産現場ではこのような消費者層や旺盛な食肉需要を知ることはなかなか難しかったため、流通会社でのインターンはとても良い経験となった。
社員さんの所有するマンションで1人暮らし!新築、広い、きれい、素敵な場所だったが、やはり1人暮らしは寂しかった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

80,000 円

美しいWagyu肉。
マネージャー家族とピクニック。
農業を語り合ったフランス、ベルギー、レユニオン島の仲間
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

80,000 円

スペシャルエピソード

笑いあり、涙あり!留学中にあった、すごいエピソード

 渡航後2週間も経っていない時に、トラクターから転落して膝が裂け、絶対安静2週間のケガをしました。放牧地で新しく生まれた子牛の性別を確認しようと目を凝らしていると、その子が果敢にトラクターに向かって来て、危ない!と思ったら、危なかったのは私でした。トラクターのステップを踏み外して、ドラマのようにゆっくりと地面に落ちていく感覚で落下、ジーンズが破れてしまった!と思ったら、膝も破れていました(焦)
 牧場は病院のある街から離れているため、通院のための交通手段も、病院での言葉も、全部オーナー家族にお世話になりました。安静期間中は現場に出れませんが、家でもじっとしていられない性格なので、それが一番大変でした...せめてもの恩返しと思って手作りパンを焼くと、治っても現場に出なくていいから毎日シナモンロールを焼いてくれと(笑)もちろん、復帰後は休んだ分を取り戻すくらい真剣に取り組みました。

放牧地の子牛たち。

インターン先を自己開拓するには、とにかく連絡、連絡、連絡

  • 留学先探し : インターンシップ

 自分オリジナルの留学にはつきものですが、コネクション0、インターン経験0、まっさらの状態からインターン先を自己開拓する必要がありました。初めはここに行きたい!!と思った牧場に連絡を送り、返信を待っていましたが、2日、3日、4日、、、5日(待ちすぎです笑)返信なし。
 結局34件の牧場にインターン受け入れの依頼メール、再依頼メール、をしましたが、返信があったのは2件でした。(すべて特別にインターンを募集している会社ではありません。) 返信があった後も、具体的な話が進むまでに返信が途絶えることがあります。それでも根気強く、確認のメールを送って少しずつ話を進めることが大切です。
 留学中に仲良くしていた牧場事務の方とインターン事情について話していると、「インターン中に怪我などがあると責任を負うのは会社、リスクを負うのに好んで受け入れはしない。それに、見ず知らずの学生よりも、誰かの紹介で来る学生を選ぶのが普通よ。」ということでした。留学前、必死にインターン受け入れ依頼のメールを出して返信が来なかったのも、他の仕事がある中で、見ず知らずの学生からのメールは相手にされてなかったのだと思います。
 逆に!ですが、オーストラリアでは一度顔見知りになると、家族のように関係が近くなります。あれだけメールで大変だった交渉も、セリ市場で知り合った方々に牧場見学のお願いをすると、即答で、そして歓迎される形で、他に3つの機関を見学させて頂ける機会がありました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学中、楽しいことだけだった!!とは言えません。だけど、辛いこと、歯がゆいこと、大変なこと、もちろん楽しいことも全部、異なる言語・文化・価値観の中で乗り越えてきたからこそ、本当に行って良かった!!と思える留学になったと思います。アンテナを張っていると、本当に色んなチャンスが巡ってきます。とにかく、体力温存せずに思いっきり挑戦してきてください!応援しています。