留学内容
パドヴァ大学のDi Noto研究室で新規固体電池材料の研究を行いました。固体高分子電解質(Solid Polymer Electrolytes, SPE)(膜状)は高分子と金属塩で構成される材料であり、その組み合わせは無限大にあるため、実用化に向けたSPEの系を模索しました。当初は3種類の高分子を使用する予定だったのですが、実験に失敗したため、高分子は1種類のみ使用する運びとなりました。その後、高分子膜、高分子+金属塩(今まで使用したことがないもの)の膜、さらにそこに可塑剤(2種類)を加えた計4種類の膜を作製し、8種類の測定を用いて、膜の中でのイオンの動きやすさや膜内での物質間の相互作用を評価致しました。今まで可塑剤を加えたことがなかったのですが、加えたことにより、イオンの動きやすさが向上し、可塑剤によっても違いがみられたため、非常に興味深い結果が得られました。残念ながら、実用化に達するほどイオンが動きやすくなかったのですが、天然高分子でしか用いられていなかった可塑剤を今回用いてみたため、今後のSPEの研究の一助になるのではないかと考えております。