留学内容
細胞のがん化に関与するタンパク質とその周囲に存在する脂質分子の相互作用を観測するため、蛍光測定を専門とするオーボアカデミー大学の研究室に滞在して実験を行った。将来的には、細胞膜を構成する脂質分子の成分を調節することでがんの発症を予防する医薬に応用を目指す。
細胞条件を再現して行う実験条件を組み立てるのは難しいと予想できたが、前提知識のある測定手法だったので機器の理解や操作方法習得に費やす時間を省略して検討に充てることできると考えていた。予想通り実験系の組み立てには苦労した。今もなお結果を解析している段階であるが、必要となるデータは二か月半で取り切ることができた。新しい研究対象であったため、滞在した研究室の先生方とのディスカッションでもすぐに解決できることばかりではなかった。先生方とは今も連絡を取り合って解析を進めており、論文投稿を目指している。