留学内容
今回の留学では修士論文執筆のための研究と、日本語教育の現場での実践経験を積むためのティーチングアシスタントとしての活動の2つの柱で留学をしました。留学全体のテーマとしては、「ディスレクシア(読み書き障害)を抱える日本語学習者がより効率的に、且つ楽しく漢字を学べる教材を作る!」というものでした。具体的には、私が修士過程の研究として作成した漢字教材を使って、実際にディスレクシアを抱えるチェコ人日本語学習者と一緒に勉強をし、その効果を測るという留学です。日本ではあまり知られていないこの障害ですが、日本以外の国、特に欧米では誰もが知っている障害です。日本語教育は日本語非母語話者がメインのターゲットですので、ディスレクシアを抱える学習者の障害は見逃せません。しかし、まだ実践研究がほとんどされておらず、特に漢字教育に関しては皆無です。そこで、私が最も興味のある言語地域であるスラブ語のなかでチェコを選び、研究をするぞ!という気持ちのもと、今回の留学に至りました。実際、長い研究を経て、研究に関する新たな課題や、知りたかったこと、チェコにいかなければわからなかったことなど多くを学ぶことができました。また、研究と並行して日本研究学科で日本語の先生方のお手伝いをさせていただき、チェコでの日本語教育について知ることもできた留学でした。