留学大図鑑 留学大図鑑

ぴょん

出身・在学高校:
兵庫県立有馬高等学校
出身・在学校:
高知大学
出身・在学学部学科:
地域協働学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年10月09日 初回執筆日:2020年10月09日

想定外のことから得られる学び

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • JC Agricultural Cooperatives co.,ltd
  • カンボジア
  • バッタンバン
留学期間:
11ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,320,000円
  • 東京海上各務記念財団 留学支援金 550,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私は幼少期から農業が好きだったものの、日本での活動に行き詰まりを感じて海外の農業を実際に見て考え方や手法などに興味を持つようになったことがきっかけで、カンボジアの農業系のベンチャー企業でインターンシップ生として働くことにしました。
仕事内容は、カンボジア人の現地社員と日本やプノンペンにいる日本人の経営陣とのコミュニケーションサポート、経費処理、中古トラクターの売買、トラクターの位置情報管理、食用コオロギの生産方法研究、農地や工事現場でのドローンフライト、水田の雑草分布状況の分析、測量用のドローン画像解析サービスの市場調査代行、オフィスの安全衛生環境の改善など、留学期間中に会社が行なっていた事業全般に関わりました。
これらの仕事は当初自分がやりたかった内容との接点がほとんどなく、結果的にカンボジアの農業の仕方や農家の考えなどは少ししか知ることができませんでしたが、その代わりに農業だけに取り組んでいたら縁がなかったような昆虫食業界とドローン関連産業について理解を深められました。

留学の動機

私は高校・大学ともに自分の大好きな農業を軸に学んできていましたが、大学2年の時に取り組んだ過疎地域の耕作放棄地再生プロジェクトで失敗したことがきっかけで、狭く深く極める前に一度広く全体を見てみることも必要だと考え、留学を決意しました。全く新しい環境で改めて農業に向き合い、将来どこで何をして生きていくのが良いのかを考える時間を作るためにそれまで縁のなかった土地で活動しようと思いました。

成果

海外の農業への理解を深めるという目的には辿り着けなかったが、コオロギ生産とドローン画像分析について詳しくなれた。また、日本で興味本位で学んでいたことが突然カンボジアで活きたり、帰国後の活動時に留学中に身につけたスキルが活きたりしたので、学びや経験が確実につながって自分を助けてくれるものになることを実感し、食わず嫌いせず何でもやってみることが大切だと学べた。

ついた力

チームマネジメント力

チームで活動するときにメンバーの特徴に合わせた役割分担やゆとりのある計画を立てて進めていくことや、複数の立場から一つの物事を見て最適解を探すことなどができるようになってきたと思う。初期はいつも直前でばたばたして失敗することもあったが、メンバーと一緒に逆算して計画を立てたりこまめに進捗状況を共有してミスの原因を減らしていくようにし、本番当日にケアレスミスが発覚することがほぼなくなった。

今後の展望

農業系の会社でのインターンだったが、農業以外かつデスクワークも多かったことから、少なくともデスクワークではなく農作業や農家とコミュニケーションが取れる仕事のほうが良いと思い、就職活動時に会社を選ぶ基準ができた。また、葉物野菜の害虫であるコオロギをただ殺すのではなく食べるという解決案を実現していきたいと考えている。

留学スケジュール

2019年
4月~
2020年
3月

カンボジア(バッタンバン)

偶然私が留学したタイミングで始まった食用コオロギの生産は特に面白かったです。大量のコオロギにはじめはびくびくしていましたが、慣れてくると可愛いと思えてきました。餌の配合や温湿度管理など適切な生産方法を模索しました。現在は新しいコオロギ工場も新設され、日本への輸出も行なっています。
中古トラクターの売買をする事業を担当する修理専門の社員は本当に知識が豊富でどんなトラクターの故障にも対応できるうえ、高い集中力を維持して作業し続けるので尊敬していました。すでにプロの腕前がありながらも休憩時間までトラクター関連の本や動画を見ている姿を見て、好きなことを仕事にできるのは素敵だと思いました。

住居は外国人向けの整った場所を選びましたが、食事はローカルフードばかり食べていました。同僚と市場や屋台に行くうちにお気に入りの食べ物が見つかり、結局ほとんどレストランには行きませんでした。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

37,000 円

餌に群がる生産中のコオロギ
私の大好物!コショウで味付けされた白身だけのゆで卵
カンボジアの伝統衣装を着て同僚の結婚式に参列
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

37,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

留学中、唯一毎日のように連絡を取り合っていた大学の友人には本当に感謝しています。カンボジアでは会社に関係する人としかつながりがなかったので、利害関係なく会社での愚痴や悩み事をきいてくれていた友人の存在は大きかったです。そして、その友人が初の海外旅行先としてカンボジアを選んでくれ、一緒に観光できたのも良い思い出です。

友人らとアンコールワットで朝日を鑑賞

最初は美味しくなくても、、、

  • 生活 : 食事

インターンをしていた会社では昼ごはんの時にみんなで1品ずつおかずを用意してそれをシェアして食べていたのですが、そのおかずが最初の頃はどれも美味しいとは思えませんでした。でもそれ以外に食べるものがなかったので少し無理して食べていると2か月を過ぎた頃からそれらの味が美味しいと感じられるようになりました。慣れてくると食べたことのない料理でも見た目から味を想像できるようになりましたし、途中からは1人で食事をするときすら屋台でおかずを買うほどカンボジアの庶民的な料理が好きになりました。中には最後まで好きになれないものもありましたが、大半のものは美味しく思えるように変わったので、最初のインパクトで決めきらずに、違う店の同じ料理を食べてみるなどして何度か試してみると自分の味覚に合うものが見つかるのではないかと思います。短期間の旅行の場合は舌を慣らす時間がありませんが、長期留学の場合は徐々に慣らすことができるので、現地の人でも好き嫌いが分かれるような食べ物にも挑戦するのは面白いと思います。私の場合は味覚とともに胃腸も丈夫になったようで、留学終盤は明らかに危険な物を食べない限りお腹を壊すこともなくなりました。

レストランでは食べられないリアルなカンボジアの家庭料理

留学前にやっておけばよかったこと

インターン先の現在の活動についてもう少し詳しく調べておけばよかったと思います。今回の留学自体は悪くはなかったのですが、カンボジア国内を観光していて見つけた農場など、もっと自分の目的を満たしてくれそうな会社があったのを後で知りました。ホームページや仲介会社のホームページに掲載されている情報でとどまらず、直接問い合わせるなど入念に調べていたほうが良かったと思います。

留学を勧める・勧めない理由

周りに頼れる人が減るので嫌でも自分で何とかしなければならない状況になることが増え、自然と自力で頑張れるようになると思います。普段、石橋を叩いて渡るような性格だったり控えめだったりする人でも多少勢いのある行動がとれたりします。新しいものにたくさん出会えるだけでなく、自分でも知らなかった自分の新たな一面を見つけられる可能性があるので、迷っていれば一度留学してみることをお勧めします。

これから留学へ行く人へのメッセージ

思ってもみなかった問題が起きたり留学前に考えていたことと実際の状況が乖離してしまったりすることがあるかもしれませんが、振り返ればそれが転機になることもあるかと思います。しんどいことも後々笑い話にできる日がきっとくるので、少しでも前進するための行動を続けて留学期間を走り切ってください。