留学内容
「一人ひとりが自分らしい生き方ができるような教育をしたい」
それが、日本の公立で小学校から高校まで12年間教育を受けてきた私が抱いた思いでした。個々の違いを豊かなものとして捉えず、押し殺してしまうような環境が、日本の教育には強くあると感じたからです。大学に入学して様々な視点から教育を学んでもその思いは変わらず、1年間フィンランドの大学の教育学部に留学を決意しました。
留学先の大学では、フィンランドで教員を目指している学生と同じ授業を受けたり、付属の小学校や近所の保育園で実習を行ったりしました。また、新しくGlobal Educationという分野に出会い、国ごとの教育の違いを越えた普遍的な人類の教育について、人類の本質や歴史、グローバル化等の視点から深く広く考察しました。
それらを通して気付いたことは、多少の教育課題の違いはあっても、根本的にはどの国の教育も同じ岐路に立たされているということ。留学前は、「個性を尊重している」「自由」という表面的な違いだけに目が行ってフィンランド留学を選んだけれど、蓋を開けてみるとどこの教育もあまり変わらないことがわかりました。どの国も、これからの人類や地球の未来を見据えて教育を創っていかなければならないことには変わりはなく、この国境を越えた普遍的な「教育のビジョン」をはっきりさせることが、これからの私たちの課題だと強く感じました。