留学内容
世界で最も住みやすいとされるオーストリアの首都ウィーンで、現地の建築設計事務所での就業体験とウィーン美術アカデミーで建築を学ぶことで、ウィーンの都市空間や建築を多面的に把握しようとしました。また、長期休みにはほかのヨーロッパ諸国へ都市や建築の視察に行きました。現地での留学は1年を予定していましたが、世界的な感染症の流行により、2020年の3月に日本への帰国を余儀なくされ、その後はオンラインで活動を継続しました。
交換留学先は美術大学であったので、建築課題では建築のデザイン(意匠)に対する議論を期待していました。ところが、留学した年は初の試みで建築科全体に「HITZE(熱)」という議題が出され、学部生から院生まで一括されたスタジオに所属することになりました。当初は突然のカリキュラムの変更に困惑し、課題に強い興味を持てなかったことも相まって、留学した意味を見失いそうになりました。が、課題に取り組むにつれ、欧州出身の教員や学生は環境問題の関心が非常に高いことが分かりました。周囲の人々から影響を受け、今後は建築のデザインだけに留まらず、持続可能な社会を構築するための一助となるような建築を提案したいと意識が変わりました。