留学大図鑑 留学大図鑑

杉森未来

出身・在学高校:
洛南高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
農学研究科農学専攻
在籍企業・組織:

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最終更新日:2024年10月07日 初回執筆日:2024年10月07日

温暖な亜熱帯台湾でのブルーベリー研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 国立台湾大学 園芸景観学系
  • 台湾
  • 台北
留学期間:
12か月
総費用:
1,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 159,000円
  • 留学先大学から給付されたもの 400,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
中国語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

所属大学と国立台湾大学の園芸学系とのダブルディグリープログラムで1年間台湾に留学しました。受け入れ機関である果樹生理学研究室において、指導教員による育種プログラムで作出されたブルーベリーを用いて研究を行い、修士論文を作成しました。亜熱帯台湾の気候下において開花したことのないブルーベリー品種を複数の温度条件下におき、栄養生長や開花に関する特性、さらに開花に関連する遺伝子の発現を調査しました。留学中には授業も受講し、亜熱帯における果樹栽培や地球温暖化進行下における農業についての知見を深めました。専門的な授業だけでなく、毎週6時間の中国語の授業も履修しました。

留学の動機

日本より温暖な亜熱帯台湾での温帯果樹の生産を学ぶことで、日本の将来の果樹産業を守るためのヒントが得られると考え、留学を決意しました。

成果

最大の成果は台湾での1年間の研究をまとめた修士論文の提出です。さらに、修了に必要な20単位を取得しました。授業では座学たけでなく発表する場が多く、発表スキルが向上しました。英語でのプレゼンの経験を積み、修士論文審査会においては原稿を読まずに発表し、自信が着きました。留学開始時は中国語はほとんどわからない状態でしたが、日常的な会話ができるようになりました。

ついた力

楽観する力

私は元々過度に心配する性格で、心配なことばかり考え落ち着かない精神状態に陥るタイプでした。しかし、留学先では自分の力ではどうにもならない状況が度々訪れました。そのたびに周りの人に助けてもらいつつ、今できることを着々とこなし、徐々に前進しました。もちろん楽観的になりすぎてもよくないですが、成し遂げたい方向に向かって、最善を尽くしていればきっと何とかなる、という前向きな心の余裕が生まれました。

今後の展望

私は果樹の休眠を研究することによって持続可能な果樹栽培を実現したいという夢を持っています。留学先の異なる研究環境や指導スタイルを経験して得た気づきや、自分自身の改善点を生かして、今後はさらに研究の道を究めたいと考えています。

留学スケジュール

2023年
9月~
2024年
8月

台湾(台北)

所属大学とのダブルディグリープログラムで、国立台湾大学の果樹生理学研究室に1年間留学しました。台湾大学では修了に必要な専門科目の16単位および中国語クラスの6単位を取得しました。授業では座学だけでなく、実際に農場に出向いたり、さまざまな果物を食べる機会が多くありました。またプレゼンを行う機会も多くあり、プレゼン力や英語での発表力を磨きました。さらに、台湾大学では指導教員の育種プログラムにより作出されたブルーベリー品種を用いて、開花と温度に関する研究も行いました。およそ9か月で行った研究成果を修士論文にまとめて提出しました。短期間で研究を仕上げることはとても困難な事でしたが、周囲の人の力を借りつつ修士論文という形にできたことは大いに達成感のあるものでした。今後、研究をすすめる上でのスピード感を養うことができたと考えています。

費用詳細

学費:納入総額

535,800 円

住居費:月額

37,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:通信費

40,000 円

アカデミックガウンを着て、研究室全体での記念写真
ゼミ発表
費用詳細

学費:納入総額

535,800 円

住居費:月額

37,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:通信費

40,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

留学前から登山が好きだった私は、台湾最高峰の玉山に登りたいと心の中ひそかに願っていました。しかし、留学前は実際に登山が好きな友人ができるのか、どのように申し込むのか等不明な部分も多く、行けたらいいな、程度に考えていました。留学開始後、山登りが好きということをまず前面に押し出して自己アピールしたところ、台北周辺の低山にラボメートと登ることになり、ラボの多くの人が山登りに関心があることに気が付きました。さらに、台湾の一番高い山に登りたいんだ~と、実際に口にすることで、私も登りたい!と言ってくれる人が多数いて、最終的にはラボのメンバー6人+同プログラムで日本の大学から来ていた友人2人の計8人で無事最高峰に登頂しました。この経験から、「やってみたい事、叶えたい事は声を大にすることによって叶う」ということを学ぶことができました。なにより、仲間に出会えたことがとても幸運でした。

台湾最高峰玉山主峰での集合写真

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

ラボメートの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
ラボに歓迎してくれたこと、手続きなどで分からないことを一緒に解決してくれたこと、中国語が分からない時に質問しても真摯に答えてくれたこと、コロナに罹ってしまった時はご飯を持ってきてくれたり励ましてくれたこと、等々困ったときに助けてくれただけでなく、楽しい時間を多く共にしてくれて、台湾でのいい思い出をたくさん持ち帰ることができました。留学前のネガティブな私は、台湾での生活は孤独なものになるかもしれないと思っていましたが、誰かを想って寂しくなることはあったとしても、孤独になったことは一度もありませんでした。私と出会ってくれて友達になってくれてありがとうと皆にもう一度伝えたいです。また長い人生のどこかで交わることができればと思います。

日本を発信する活動でちらし寿司をラボメートに振舞った
台湾大の山地農場(梅峰)にラボ全員で行ったとき
毎晩一緒にご飯を食べるのがラボの習慣

周囲のみんながのネイティブ先生!生活の中でも楽しく学ぶ

  • 語学力 : その他の言語

台湾に行くまでは中国語のあいさつ程度しか知らず、今振り返るといい意味でも悪い意味でも留学を決意した自分を勇敢だったなと思う。台湾大学の学生は英語が上手で、日本語を勉強している学生も多く、環境に恵まれていた。しかし、生活していく上では、買い物など中国語が分からないと困る場面は多く、初めは心臓をバクバクさせながらコンビニのレジに並んでいたことが今でも鮮明に思い出される。ですので台湾大での中国語の授業は台湾での1年の生活を「生存する」ためだけに受講していたが、日常の中国語が分かるようになればなるほど生活の質も上がり、さらに現地の友達が増えた。人と通じあえる喜びがモチベーションにつながり、生存するだけでなく「より深いコミュニケーション」を求めて中国語習得に励めた。語学の勉強に才能がないと思っていた私でも1年で簡単な会話ができるようになり、自分でもその進歩に驚いている。もちろん、ネイティブのみんなの会話についていけなくて辛いと感じることも多かったが、日本語と英語以外の第三の使用言語として中国語を得られて世界が広がった気がする。今でも台湾でであったラボメートが中国語の先生になってくれていて、これからも習得に励みたい。

留学前にやっておけばよかったこと

言語はやっておいて損はないと思います。特に、今回の留学で中国語を習得しながら授業や研究をするのは少し大変でしたので、ある程度日常生活に必要なレベルの中国語を習得しておけばよかったなと少し後悔していました。

留学を勧める・勧めない理由

勧めます!
もちろん準備は大変ですし、金銭的にも心の負担はそれなりにありましたが、留学により今までと違う常識や人間関係・価値観に出会って、より寛大な広い視野を持ち、小さなことで動じない強い自分になれた気がします。留学でパラレルワールドのような違う環境に身を置くことで、新しい自分を発見できるかもしれません。それ以外にも、日本では学べないその国ならではのことを学べる絶好の機会です。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学へ行く前は、うまく生活して環境になじめるか、人間関係はどうか、など不安なことも多いかもしれませんが、行ってしまえば助けてくれる人がいたり、困難の中から学ぶことも多くあり、そのうち慣れてきます。一番大切なのはどんな状況でも楽しむ姿勢だと思います。あとから思い返して後悔すると思うのであれば、勇気を出して思う存分チャレンジしてみてはどうでしょうか!