平山茜

出身・在学高校:
大阪府立千里高等学校
出身・在学校:
お茶の水女子大学大学院
出身・在学学部学科:
比較社会文化学専攻 舞踊・表現行動学コース
在籍企業・組織:

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最終更新日:2026年10月05日 初回執筆日:2026年10月05日

伝統×コンテンポラリーダンスを台湾で研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 国立台北芸術大学舞踊学院
  • 台湾
  • 台北
留学期間:
10か月
総費用:
1,600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,410,000円
  • 大学独自のもの 100,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
中国語 挨拶など基本的な会話ができるレベル → 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

台湾で「伝統芸能の継承とコンテンポラリーダンスとしての再創作」を調査研究するため留学しました。
国立台北芸術大学舞踊学院では、授業の観察記録とダンス教授へのインタビューを行い、伝統芸能とダンスの教育環境を調査しました。
フィールドワークでは、伝統芸能やダンスがいかに大衆に受容されているかを探るため三つの活動を行いました。①雲門舞踊教室へ通い、指導内容、運営システム、社会的需要を探りました。②伝統演劇の劇団「江之翠劇団」の稽古に通い発表会に出演し、演技の継承や作品創作の実際を学びました。③台湾原住民タロコ族の感恩祭とプユマ族の大猟祭に訪問し、芸能の継承・発展を調べました。
さらに、自分自身も他分野のアーティストと協働して、ダンス作品を制作しました。そこでは私が研究・実践する「茶道の型を応用した参加型パフォーマンスの創作手法」を探求しました。

留学の動機

大学ではダンスを専攻し作品創作に励んでいました。その傍ら15歳から茶道を学び、所作や茶会の構成などにパフォーマンスとしての魅力を感じ、卒業論文ではダンス研究の手法を用いて茶道の身体性を分析しました。そうした背景から、日本の伝統的な型をコンテンポラリーダンスに取り入れることに関心を抱き、台湾が〈伝統芸能×コンテンポラリーダンス〉によって舞台芸術を活発にしている点に注目し、研究留学を決意しました。

成果

現地の教授や学生と信頼を築き、授業の観察記録や教授4名のインタビュー記録が得られました。これを基に修士論文を執筆し、2027年5月には台湾の舞踊研究学会の学術誌へ投稿する予定です。また舞台出演や協働制作、フィールドワークを通じて、研究者・振付家・アーティスト・劇団員の方々とのご縁がありました。留学先とトビタテの繋がりから、現在パフォーマンスユニットを主宰し、新たなダンス企画を来年に向け制作中です。

ついた力

環境に適応して協働する力

作品制作では、参画者が躊躇いなく表現したいものを言ったり作ったりして、議論や形がまとまらず、要素過多だと感じることがありました。ぶつかり合う要素をどう昇華できるかと悩んでいるうち、日本では慎重に議論し合意形成して形にしてきた自分に気づきました。ここでは未完成な試みを寛容に受け止め、今あるリソースを生かし、遠慮なく提案・試行しながら形にすることが大切だと思うようになりました。

今後の展望

ダンス研究者・創作者として活動を展開したいです。作品や企画に参加した人が「自分の身体を好きになり、自信をもって踊れること」を大切に、研究と創作を通じて日本の身体性や型を応用した独自のダンス創作手法を確立します。また団体活動としては、他分野アーティストと協働して、ダンス経験や身体的特性に関わらず楽しめる参加型の舞台芸術作品を広めていきたいと思います。

留学スケジュール

2025年
9月~
2026年
6月

台湾(台北)

ダンス教育機関のカリキュラム編成や方針、併せて大衆のなかで伝統がどのように継承・再創作されているのか調査しました。
大学では、モダンダンス、バレエ、京劇、武術、民族舞踊等のクラスで参与観察を行いました。フィールドワークとしては、台湾全土に13の支部を持つ「雲門舞踊教室」、台湾伝統演劇の劇団「江之翠劇場」の稽古に定期的に通いました。また原住民舞踊団「TAI身體劇場」の先生とともに、10月にタロコ族の感恩祭へ、正月にプユマ族の大猟祭へ訪れました。
台湾には多様な民族的背景を持つ人々が共存しています。伝統と現代、異文化が混ざり合うことは、台湾の成り立ちと日常そのもの…学生たちは西洋由来の技能を身につけ、あらゆる伝統芸能を自らの養分として学び、新たな身体言語を編み出すことが求められていました。教授らへのインタビューからは、〈西洋を中心に発展した舞台芸術を模倣するだけではなく、東洋の身体性とは何かを問い伝統を現代に生きる表現として発展させること〉に使命感を持っていると感じました。
このように文化に根差した表現は、日本の舞台芸術環境を活性化させる一つの切り口だろうと考えます。私も音楽やメディアのアーティストと協働制作し、自分が習得・研究してきた茶道の型をどのように参加型ダンス作品に取り入れるか模索しました。
上の世代から伝統を学び、横の繋がりから表現をどのように紡いでいくか、その姿勢を現地で見て学び、実践する留学となりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

台湾伝統演劇「江之翠劇場」の発表会に参加
演奏家と協働してパフォーマンス作品制作
展覧会の開会式に出演 メディアアートとコラボ
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

1970年
1月~
1970年
1月

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

25,000 円

生活費:月額

50,000 円

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

25,000 円

生活費:月額

50,000 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

台湾には茶文化が根づいていて、お茶を飲み交わしながら仲良くなることがありました。
「茶道」の言葉自体も中国語にあって、茶の種類や形式は日本と違うのですが、私が「茶道できますよ〜」と言うと「やってよ!見たい!」と言ってくれることがよくありました。
それで学内で茶道のワークショップを開催したり、舞踊学院の学科長のご自宅で点前をしたりしました。
抹茶や茶道具、作法、文化にまで興味を示してくれて、振る舞っているこちらが温かい気持ちなりました。茶を飲む行為に対して、深層的に日本と共有しているマインドがある気がしました。国を跨いで一緒にお茶を楽しんでくれた台湾の人達に感謝です。

点前体験ワークショップを開催
舞踊学院学科長のご自宅にて点前

ココでしか得られなかった、貴重な学び

原住民の部落に足を運びました。すると、あらゆる所で日本の残り香がしてきます。桃太郎さんの歌を歌える90歳のおばあちゃん、原住民の崇拝するマリア像が建てられた元神社、日本軍への抗争があった地…
日本が同化政策を熱心に広げた反面、身を隠さざるを得ない原住民部族の存在、あるいは抵抗がどれほどあったか。それでも原住民の皆さんは、私が日本人だと言うと親近感をもって文化を教えてくれる人ばかりでした。この地が日本との歴史も抱えながら原住民文化を語り紡いでいることを知りました。
若々しい台湾という国で、伝統を現代に生きる表現としてのびとびと編み出す営みが、これからも溢れんばかりに続いてほしいと祈っています。

刺繍模様の意味を気さくに語ってくれるおばあちゃん
鳥居の奥に佇むマリア像
年越の瞬間を跨ぎ、円陣で3時間歌い踊り続けたプユマ族の大猟祭

日本のことが、とても好きになった瞬間

台湾にいながら、日本の「舞踏」を深く学ぶ機会を得ました。舞踏は日本の身体性と精神性を取り込んだモダンダンスとして世界で高い評価を得ており、私の関心分野と密接であるため、学ぶことは避けられぬ道だろうと思っていたら、図らずもばったり出会い、どっぷり浸かりました。
「大駱駝艦」のダンサーから舞踏のメソッドと作品を教わり、大学の舞台で4日間5公演に出演しました。日本の身体性を用いた創作について理解を深め、海外からどのように舞踏が評価されファンを増やしているのか知ることができました。

真ん中で跳躍しているのが私です
桃色の衣装着用しています

地道なコミュニケーションで研究協力者を増やす

  • 留学先探し : 大学院

私は大学院に所属していましたが、交換留学生は指導教官にあたる教授がつかず、研究室に所属もない仕組みでした。そうした際に、自分の研究の後見人や相談役がいないため、留学初期には学内で研究の協力を得ることが難しいと悩むことがありました。
観察記録を取りたい第一候補の授業では、作品の肖像権の関係で、留学生という立場では同意を得られないこともありました。
けれど多くの授業に参加し、教授たちに自分の関心を伝えていくことで、協力してくださったり、後押ししてくださる存在が少しずつ増えていきました。留学が終わる頃には、何人もの教授が研究を応援してくださり、せひ台湾のこの学会に寄稿してねと言ってくださり嬉しかったです。
地道にコミュニケーションを重ね信頼を築いていくことの大切さ、それによって実地の調査が豊かになることを覚えました。

留学前にやっておけばよかったこと

言語学習を試験点数の目標を設定して励んでいれば、相手の言葉を理解し自分の意思も伝えられ、さらにスムーズに研究のアポやインタビューもできたかもしれないと思います。

留学を勧める・勧めない理由

留学を機に「こんなことが好き」「研究したい」「作りたい!」ということを周りに伝えていくと、日本にいた時よりもどんどん出会いたい人に巡り合うことができました。それは海外の人たちはもちろん、同じ関心を持つ日本人とも出会いやすくなりました。外へ飛び立って、人との輪を広げることで、見えなかった自分の個性や可能性にも気付くことができました。留学お勧めします!

これから留学へ行く人へのメッセージ

中国語で「開心」と書いて、嬉しい・楽しいという意味で、とても好きな言葉です。「うまくいかない」「滞ってるな」と自分が感じた時、心を開くと誰かも心を開いてくれて、良い事が舞い込んでくるようになり、本当に楽しい気持ちになりました。心が開かれることと楽しい感情はリンクしているのかなと思います。思い切って、心を開いて、留学を楽しんでください♪