2019.01.31
高校生コース3期生でアカデミックショートでオーストラリアのパースに留学した積 千夏さん。現地で体験した留学内容がきっかけで大学で学びたいことも明確になったこととは....。
何か小さなことでも解決したいと思い留学を志す
私がそもそもなぜパースを選んだかというと、パースの近くにあるロットネスト島にしか生息していないクオッカという絶滅危惧種に会うためです。テレビでクオッカを見て可愛いと思ったと同時に絶滅危惧種と知り、何か小さなことでもアクションを起こそうと思い留学をしました。
現地では、ホームステイをしながら学校に通い、英語の勉強の他にも絵本を使ってアボリジニの歴史を学んだり、演劇のクラスを受けたり日本にはない授業に参加してきました。日本を知ってもらおうと思い、全校生徒の前で披露したソーラン節は、友達も先生たちまで喜んでくれて、とても嬉しかったです。現地校が休みの日には宿泊するホテルを予約し、ロットネスト島に滞在してクオッカの現状やロットネスト島の環境を調べてきました。私も現地に行くまで知らなかったことなのですが、パンフレットには「触ってはいけない・人間の食べ物を与えてはいけない」と書かれていながらも、触っている観光客がたくさんいました。また、ピザやポテトをあげている観光客もいました。その時はクオッカも喜んでいるかも知れませんが、のちには食べカスなどが歯に詰まって顎放染菌症などの病気にかかってしまい、ご飯を食べられなくなって餓死してしまいます。観光客の多い町にいたクオッカは森の方にいたクオッカより見てわかるくらい毛並みが悪く、ボサボサでした。他にも、人間が持ち込んだ家畜により生息地が荒らされてしまっていたり、キツネに捕食されてしまうことまであると分かり、この現状を1人でも多くの方に知ってもらいたいと強く思うようになりました。
ひとりの力は小さくても、伝えていくことでその力は大きくなります。声を大にして環境保護を叫ぶのではなく、まずは現状を知ってもらうことが大切だと気が付きました。
言わないと伝わらない。はっきり言う大切さを学ぶ
「言わないと伝わらない」を実感したことは、自分を変える大きなきっかけになりました。ホストファミリーに「今日の夜ご飯はピザとパスタどっちがいい?」と聞かれたときに、私は自分の意見を言ってしまうと相手に気を遣わせてしまうと考えて「どっちでもいいよ」と答えました。するとホストファミリーに「なんで言わないの?言わないと分からないよ」と言われて初めて気が付きました。気を遣う、察する、空気を読むという文化が日本よりひどくない海外でしか経験できなかったことだと思います。
最初は、その文化に慣れず、「日本人って礼儀正しいけど、すごくシャイだよね」と言われてしまい、笑って誤魔化すことしかできなかった自分がとても嫌で、部屋で一人になる度にどうしたら自分を変える事ができるのだろうと考えていました。しかし、日本とは違った環境のおかげで、意識せず自然と自分の意見をいうことを恥ずかしいと思わなくなり、今では全てのことに対して積極的な自分がいます。
トビタテ!の留学でこれから学びたいことが明確になった
それぞれの想いや夢を持って個性豊かな留学をしたトビタテ生は、本当に面白くて、いつも刺激を受けます。そして、新しい気付きやアイデアを与えてくれます。大きなエネルギーを持っているトビタテ生が集まるコミュニティはとても有意義なもので、これからも魅力溢れるトビタテ生が増えてくことがとても楽しみです。この留学でクオッカの現状を知ってからは、人間と動物が共生できる環境づくりについて勉強したいと思い、環境学が学べる学部に進みました。
ご支援者向け留学体験談~世界に羽ばたく若き挑戦者たち~について
この記事はトビタテ!留学JAPAN事務局が企画・編集を行なったものです。今後もトビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムに選抜され、世界を舞台に活躍する奨学生をご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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