2018.07.13
グアテマラ・パラグアイ・メキシコの3か国に留学した望月(もちづき)ゆうさんは、小学生時代にテレビで知ったある情景がきっかけで、世界の"貧困"問題に関心を持ちました。彼女が「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を通じて得たものとは…
アルバイトで貯めた資金でメキシコへ。貧困問題が解決されない現状を知る
小学校3年生の時にテレビで見た「国境なき医師団」をとりあげた報道番組がきっかけで "貧困"という世界課題を知ったと同時に 、医師の立場で貧困という課題に立ち向かう姿勢に大きな衝撃を受けました。私は貧しい生活を強いられている人の役に立ちたいという想いから、貧困問題を解決する手段である国際開発に関心を持ち自発的に学んできました。
現地を一目見ようと、大学2年生の夏に、事前に1年間アルバイトで貯めた資金で、メキシコのNGOにインターンシップのため1カ月間滞在しました。現地で目にしたのは、歴然とした貧富の格差でした。私が現地で気づいたことは、草の根で活動するNGO組織は、寄付金に頼った活動のため継続性が保証されておらず、貧困解決につながらない事例が多いことでした。私は短期間の滞在ではわからなかった、「貧困問題を解決するためには、どのような国際開発が必要なのか」という問いが帰国後にますます強くなりました。私は再度現地を訪問して、国際開発の様々な形態を学びたいという想いから長期留学への想いを強く持つようになりました。
勉学を犠牲にしないと長期留学は実現できないはずだった
私が高校生の時に両親は離婚し、母親が私と妹を引き取る形で母子家庭になりました。進学前後、母親はパートタイムの仕事に就いていましたが、国公立の大学で奨学金を借りなければ進学が難しい状況でした。実際に、私は自宅から通学可能な国立大学に進学し、その学費も奨学金を借り、授業料の免除をしていただきながら通学しています。また、母親が難病を患っているため、長期留学の意志は強くなったものの、その道筋は全くたっていませんでした。私は長期留学のための資金は、勉学を犠牲にしてアルバイトでその資金を捻出するしか方法ないと思っていた矢先に出会ったのが、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」でした。新興国を始めとした国々への留学も可能で、自らの留学計画をもとに奨学金を受給できるこのプログラムのお陰で中南米3か国に9か月間の留学を実現することができました。
留学で得たものは、へこたれない精神力
留学した3か国で私は国際開発の様々な側面を見るべく、グアテマラでのスペイン語の学習と並行して、栄養失調の子供たちを支援するNGOでのボランティア活動、パラグアイでは現地NGOの視察やJICA現地事務所にヒアリングや支援活動の見学、そしてメキシコでは日系企業でのインターンシップを経験しました。留学を通じて、「ビジネスによる国際開発」が継続性のある国際開発の手段になり得ると気づくことができました。また、比較的日本人が少ない地域で活動していた私にとって、悩んでも相談できる人が近くにいないという孤独感にもがくことがありました。しかし、アクシデントに直面しても自ら行動すれば、周りの人に助けてもらいながら前進できることにも気づくことができたのです。日本代表プログラムでの留学経験で、貧困削減や持続可能な社会にビジネスで貢献したいと考えるようになりました。将来は途上国での現地従業員の労働環境向上に貢献することで、貧困問題をビジネスで解決していくその一端を担いたいと考えています。
ご支援者向け留学体験談~世界に羽ばたく若き挑戦者たち~について
この記事は「トビタテ!留学JAPAN」事務局が企画・編集を行なったものです。今後も「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に選抜され、世界を舞台に活躍する奨学生をご紹介してまいりますので、よろしくお願いいたします。
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