留学大図鑑 留学大図鑑

直井朝子

出身・在学高校:
長野県上田染谷丘高校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年06月14日 初回執筆日:2024年06月14日

映画の上映会、パーマカルチャー

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・独自で興味のあることを学びに行く
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 東ティモール,permatil
  • 東ティモール
  • ディリ
留学期間:
2週間
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 250,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
テトゥン語(英語も少し) 挨拶など基本的な会話ができるレベル 挨拶など基本的な会話ができるレベル

留学内容

留学中にしたことは大きく分けて2つあります。一つ目は映画カンタ!ティモールの上映会、二つ目は東ティモールのミュージシャンでもあり、環境活動家でもあるエゴレモスへのインタビューです。まず、一つ目の映画カンタ!ティモールの上映会は約20年前の東ティモールを舞台としたドキュメンタリー映画の上映です。映画では、独立した直後の東ティモールの人々が生き生きと描かれています。その反面、私が衝撃を受けたのは、日本やアメリカがインドネシアへの支援という形で深く関与していたという事実です。この映画を東ティモールで上映しようと思ったのは、この映画に対して東ティモールの人がどんな考えを持つのかが気になったからです。東ティモールでは全部で3回上映会を開くことができたのですが、私の言語力が低かったり、そもそも自分の国の歴史に興味がある人が少なく、感想は少ししか聞けず、意見交換はできませんでした。二つ目のエゴレモスへのインタビューは、エゴはこれからの時代に、持続可能な生活が必要だと考え、そのためにパーマカルチャーを学ぶ若者向けのキャンプインを開催したり、水のない村には、タンクを作り、水を循環して使えるようにする活動を行っています。私はインタビューで彼がどれだけの人の生活を守り、どれだけの人に慕われているのかを初めて知り、すごく感動したし、日本も東ティモールのような国になればいいのにと心から思いました。今回東ティモールに留学してよかったなと思いました。

留学の動機

東ティモールへ留学したきっかけはカンタ!ティモールをみたことです。映画の中の東ティモールの人々は自分の家族、友人を殺したインドネシア兵を殺すことなく対話をすることで自分たちの考えを理解してもらい、無傷で返す、そんな人々でした。私はそんな東ティモールの人々に直接会って話したいと思い、留学することに決めました。

成果

留学を終え、私は発展というキーワードに興味を持ちました。東ティモールへ行って、映画の中の20年前の東ティモールとのギャプに驚きました。道も綺麗になって、観光客、観光名所も増えました。また、上映会をしている時に若い人の多くはスマホをいじっていて、映画をちゃんとみてくれませんでした。それを見て、今まで発展することのいい面しか見ていなかったけど、悪い面についても気づくことが出来ました。

ついた力

気を抜く力力

東ティモールへ行って日本との違いを感じたことの一つに時間の流れかたの違いを感じました。日本だとみんな何かしらに追われていて、歩いてる時でさえみんな急いでいます。そして疲れた顔をした人が多いです。しかし、東ティモールの場合、みんな時間にルーズで、疲れた顔の人はいませんでした。これをみた時気を抜くことって大切なんだなと気がつきました。

今後の展望

東ティモールへ行って、同じ子供でも東ティモールの子供と日本の子供の違いに興味を持ちました。東ティモールではどんなに子供が騒いでても怒る大人はいません。しかし、日本だと少しうるさいだけで怒られます。そんな不自由ななかで生活しているので、悩みを抱えている子どもは多いと思います。現に、日本には学校に行けていない子供や家庭に問題を抱える子供が多いので、そんな子たちの役に立てる仕事に就きたいと考えています。

留学スケジュール

2023年
8月~
2023年
8月

東ティモール(ディリ)

第一回カンタ!ティモールの上映会は8月11日に実施しました。この日はエゴの家族とエゴがリーダーを務める団体のpermatilのスタッフ数名合計15名と一緒に映画を観ました。ここでは3人から感想をもらうことが出来ました。1人目はpermatilのスタッフからです。彼はこの映画で初めて日本がインドネシアを支援したことを知って、悲しい気持ちにはなったけれど、日本は東ティモールの再建にも協力してくれたという事実もあるので、これからも共存していくべきと言ってくださいました。また、エゴの妻のヤンティさんはこの映画をもっとたくさんの東ティモールの人に見てもらいたいと言ってくれました。今の東ティモールは昔のことを振り返る機会が少なくなっているから、この映画をきっかけにこれからの世界を考えるようにしたいと言っていました。また、映画で、辛いシーンが多い中、子どもたちの笑顔がせめてもの救いだった、子供達も生活は厳しいのに、笑顔でいるとすごく希望を感じると言っていました。この映画はたまたま向こうで会ったJICAの日本人の方数名にも見てもらいました。そのうちの1人は子供の笑顔と歌声が1番印象に残っていて、こういう笑いの絶えない世界が東ティモールのこれからの在り方だったり、世界の姿に繋がっていくといいなと言っていました。でも日本の場合、こどもが同じように大声で騒いで笑うと問題になります。この映画を見てそれはおかしいことなんだと気づけたと言っていました。日本も東ティモールのような子供がどれだけ騒いでも怒らないそんなあかり国になって欲しいと思いました。

2回目の上映会はその次の日に行ったマリアナというヤンティさんの実家の村で行いました。ヤンティさんが1回目の上映会でもっとたくさんの人にこの映画を見てもらいたいと言ってくれ、マリアナの方に毎日夜になるとパーティーをする広場があるので、そのタイミングで映画の上映会ができることになりました。ここは合計で100人くらいの人がいました。しかし、ちゃんと見ていた人はそのうちの半分もいなかったと思います。その理由としてスマートフォンの普及があると思います。今回東ティモールについた時、私は映画の中の東ティモールとのギャップにとても驚きました。観光客が増えて、1人一台スマホを持ち、大きいショッピングモールができて、街はゴミで溢れていました。東ティモールだけは映画の中のような時間の流れを気にすることもなく、利益も気にしない、そんな国でいて欲しいという勝手な思いがありました。なので私は変わった姿の東ティモールを見て、遂に東ティモールも発展する道へと進んでいっているのかとショックを受けました。しかし、東ティモールで2週間暮らしていく中で、やっぱり、トイレとかシャワーはもっと使いやすくなればいいのになと思ったり、発展してほしくない気持ちと発展して欲しい気持ちがありました。しかし、上映会の時ほとんどの人がスマホを使っていて、映画を見てないのを見て、身勝手ながらすごく悲しくなりました。なのでこの2回目での上映会では、発展することのメリット、デメリットについて深く考えることができました。

3回目の上映会は映画の主人公のアレックスの家族の家でみんなで見ました。アレックスは残念ながら数年前に独立戦争の時の拷問の後遺症で亡くなってしまいました。なのでアレックスの家族は妻のサンドラと子供たちの計7人で暮らしています。行く前は、すごく可哀想だなと思っていたのですが、実際に行ってみると周りは親戚だらけでみんなで助け合いながら暮らしていてちっとも可哀想なんかじゃありませんでした。長女のエイシャは私と同じ歳で、来年から大学生です。彼女は医学部に通いたいそうなのですが、医学部に通うにはとてもお金がかかるため、入れそうにはないそうです。東ティモールに行く前に上映会を日本でやった時に同世代の高校生たちから募金で集めたお金のうち日本円で一万円ほどをアレックスの家族に寄付しました。わずかなお金ですが、少しでも助けになればと思いました。

3箇所での上映会を通じて、東ティモールでの独立戦争はみんなにとって過去の話になりつつあり、記憶が薄れているように感じましたが、日本から来た私がこの映画の上映会をしたことによって東ティモールの人達と平和について考えるいい機会になったのではと思います。

次にエゴへのインタビューについて紹介します。
彼の活動は大きく3つに分けることが出来ます。一つ目は水を植え、コミュニティを育てるという活動です。この活動は簡単に言うと水を循環して使うということです。今まで枯渇していた水源を修復したり、水が不足している地域には溜池を作ったりして、今までの段階で300以上の水田を回復し、同時に400以上の村を助けています。
二つ目の活動は小学校での家庭菜園です。学校の庭で季節に合わせた食物を育てることでその生徒及び家族の生活を支えています。全部で254の学校がこの活動を導入していています。この活動は東ティモール教育省に認められ、現在では国のカリキュラムに組み込まれているそうです。
3つ目の活動はこれらの活動を将来につなげる活動です。キャンプを開催し、若い人をこれからの主導者として育てる活動です。2008年から活動を始め、今の時点で東ティモール内の6000人以上の若者がエゴの活動に対して、理解を示し、活動をしています。現在、多くの若者のリーダーが台頭し、新しいパーマユース・アソシエーションを結成しています。今年には、世界中から若者の代表が集まる国際パーマユース・コンバージェンスを開催し、このプログラムを世界中に展開させる予定だそうです。
エゴは昨年アジアのノーベル賞と言われているマグサイサイ賞を受賞し国際的に彼らの活動が認められ、仲間が増えていっています。
彼へインタビューをして、私が予想していたより規模が大きくて本当に驚きました。彼がそもそもこの活動を始めたのは、これからの世界、いつか資源がなくなり、自給自足をせざるを得なくった時、これらの活動が絶対に必要になると考えたからです。私がその意図を知った時、素直に未来のことを考えて対策をしていることに驚きました。私は今までそんな未来のことを考えたことがなかったからです。彼はカンタ!ティモールの中にも登場するのですが、そこで今の世の中を変えるつもりが無いなら、子供は産まず、自分たちの世代で終わらせるべきだと言っていました。インタビューの話も踏まえ、エゴの活動はこれからも続けていくべきだなと思いました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

上映会を行った時の様子です。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

私が東ティモールへ行ってみて最初に驚いたことは想像よりも発展していたことでした。もちろん、日本よりは発展していませんが、道はコンクリートで整備され、若者は1人一台スマホを持っていて、観光客向けの施設も増えていました。それ自体はあまりショックを受けなかったのですが、留学の中で若者たちの関心が想像と違ったことにとても身勝手ながらショックを受けました。理由は映画の中の東ティモールの人々はみんなのんびりとしているのにボジティブにちゃんと東ティモールのこの先のことを考えていて、今でも東ティモールの人たちはそんな人なんだろうと勝手に思っていたからです。しかし、実際にそのようなことに興味のある人は少なく、ほとんどの人がスマホや流行りに夢中でした。そのような姿を見て、東ティモールの人もいつか日本人のような利益を考えるだけの人になってしまうのではないかと怖くなりました。しかし、自分は発展しきった日本で快適に暮らしていて、東ティモールの人だけに発展してない世の中で暮らしてくださいなんて傲慢すぎると思ったり、モヤモヤとしています。私は発展している国の方がいいというわけではなく、むしろ東ティモールのような国で育ちたかったと思いますが、日本での快適な生活を知ってしまっては東ティモールでの生活は無理だと思います。でも、結果的に東ティモールへ留学してこのようなことに気がつけたので行けてよかったなと思います。

3回目の上映会でほとんどがスマホを見ていました。

言語力の重要さ

  • 語学力 : その他の言語

私が東ティモールへ行って1番困ったことは現地の言葉があまりできなかったことです。東ティモールの言葉はテトゥン語という言葉なんですが、東ティモールの3、4割の人は英語が話せると言っていたので、あまり勉強せずに行きました。結果、結構多くの人が英語を話せていたのですが、現地の訛りがひどく、英語が聞き取れませんでした。なので私は言語力の問題でかなり苦労して、テトゥン語を学ばなかった事にとても後悔していました。この先もし、外国に行くことになったら、事前準備として語学の勉強を努力するべきだなと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学へ行く前は語学力や安全面など不安なことでいっぱいだと思いますが、実際に自分の目で見て感じることは自分の中で大切なテーマになると思うし、新しいことにも気づけるはずなので、全力で楽しんできてください!