留学大図鑑 留学大図鑑

けんたろう

出身・在学高校:
神奈川県立多摩高等学校
出身・在学校:
法政大学
出身・在学学部学科:
人間環境学部人間環境学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2018年08月06日 初回執筆日:2018年08月06日

日系人をもっと宝物に

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 在亜日本人会 / ブエノスアイレス大学
  • アルゼンチン
  • ブエノスアイレス
留学期間:
8ヶ月
総費用:
1,000,000円 ・ 奨学金なし

語学力:

言語 留学前 留学後
スペイン語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<西語検定4級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

日系人とは、日本にルーツをもつ人のことで、世界中に350万人以上いると言われています。世界中に日本に想いを寄せてくれる人がいる事は素晴らしい事で、日本にとっては心強い味方です。しかしこの日本の宝物を認識している人は少ないように感じていました。私は日系人との関係をもっと強化で新たな可能性が生まれると考えています。
そこで日系社会や日系人についてきちんと学び、この先の関わり方について考えようと思い、アルゼンチンの日系社会に飛び込みました。
現地の日系人団体にてインターンシップ生として参加させてもらい、各種イベントの手伝いをしながら、日系社会がどのように動いているのかを知ることができました。また同年代(大学生)の日系人を中心にヒヤリング調査を行い、彼らのアイデンティティーの根源を知り、日本に対する愛の大きさを体感することができました。
この留学を通じ日系人は日本を愛してくれているという面だけでなく、現地での日本のソフトパワーの増大にも大きな貢献をしているということを肌で感じ、日本にとって大きな存在である、日本の宝物である、と確信しました。
しかし、日本からのアプローチは少なく、日系人の日本への想いは一方通行であると痛感しました。特に若年層同士の日本との関わりは皆無に等しく、この先の持続的な関係の構築には、日本からのアプローチが必須だとわかりました。

留学の動機

私は日系人にルーツがあり、私にとって身近な存在でした。しかし大学3年生の時に初めて日系移民について勉強し、自分が無知であることに気づき、もっと知りたいと思うようになりました。日本では日系社会や同世代の人のリアルを知ることはできず、現地に行くことを決めました。また、2016年沖縄県で開催された、世界中の沖縄県系人が集まる大会「世界のウチナーンチュ大会」に参加したことも大きなきっかけでした。

成果

留学中におよそ300人の日系の方々と交流し、彼らの生活や日本への想いなどをダイレクトに知ることができました。
また、彼らは日本の文化活動(歌、踊り、料理etc.)を通じて、現地に日本のファンを増やしており、現地の人々にとっては日本への第一の扉を彼ら日系人が担っていることがわかりました。
一方で日本から日系社会へのアプローチが少ないという、持続可能な関係構築に向けた問題点を見つけました。

ついた力

同化する力

同化する力とは、相手の懐に飛び込み、人間関係を築き、環境に適応する力。言い換えると相手の仲間になるということ。
こうすることにより関係も良好に築くことができますし、より深い話を聞き出すことができました。
全ては信頼関係のもとに成り立っていて、私の留学ではとても重要な事でした。
相手の内に秘めた想いを聞くためにどうすればよいか考えた、この力がついたと思います。

今後の展望

この留学で一番感じたのは日系の方々の日本愛の大きさでした。
しかし、日本においては日系人の認知度も関心も低い現状としてあります。それは接する機会がないからだと思います。そして、現地で感じてきた問題点も日本からのアプローチの少なさでした。
私は日本人と日系人と関わり合えるようなパイプ役になりたいと思っています。日系人と交流したい!現地の日系社会を知りたいなどあれば是非お声をお掛けください!!

留学スケジュール

2017年
8月~
2018年
3月

アルゼンチン(ブエノスアイレス)

留学前半は日系人団体での活動のほか、ブエノスアイレス大学でスペイン語コースを受講し、日系社会理解と語学力向上に重きをおきました。語学コースを終えた留学後半は、フィールワークをメインにした活動をしました。同世代の日系人へのヒヤリングや日系企業で働いている日系人の方々にアポイントを取りインタビューをさせてもらうなどし、日系の方々が持っている想いを探り、この先の日本との関わり方について考察できた期間でした。また、ペルーやブラジルの日系社会にも足を運び、およそ300人の日系人と交流することができました。活動を通じ日系人同士の絆の強さに感動し、一方で日本への想いが一方通行になっていることが勿体無いと感じました。
普段は学生寮で生活し、寮生と一緒にご飯を作ったり、カフェや公園にマテ茶を飲みに行ったり、週末にはサッカーといった生活をしていました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

インターンシップ先のみなさんと
ラ・プラタ大学で出張授業
ペルーに集まったウチナーンチュと
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

この留学を通じ感じたことは、体感することの大切さです。現地へ行き、見て聞いて触れて…。体感することでわかるものは、これまで机で勉強していた情報と比べ物にならないほど濃いものでした。当たり前のことですが改めてこれを思い知らされました。
日本ではリアルを知ることができないと考え飛び込んだアルゼンチンの日系社会では、毎日毎日が発見の連続で、刺激的な毎日をおくることができました。日系の方々の日本への想いがこれだけ高いとは思ってもいませんでしたし、日本があれだけ愛させていることも考えもしませんでした。留学前では「日系人」というカテゴリーでしか考えられていませんでしたが、留学後にはその認識がさらに細かくなり、ひとりひとりの顔までわかるようになりました。日本では得ることのできない経験、そのひとつひとつの出会い、すべてが勉強でした。
また、多様なアイデンティティーを持っている彼らと生活をすることは、自分のことを改めて見つめ直す機会も与えてくれました。これまであまり意識したことがなかった、「日本人」「日系人」「神奈川県人」「うちなーんちゅ」としての私を気づかせてもらえました。
彼らに出会えたことは、留学においてとても素晴らしかったですが、この先の人生においても大きな意味を持っていると思います。

一緒に生活していた寮のみんなが開いてくれた送別会で

私の“日本発信プロジェクト”

アルゼンチンでは、日系の方々が日本のさまざまな文化活動が行われていて、日本への感度は高い国でした。そのため、折り紙や日本料理も比較的広まっていました。(私が生活していたのが日系社会だったため感度の高い人が多かっただけかもしれないが。)そこでアルゼンチンではあまり馴染みのない方法で日本について知ってもらおうと考え、日本発信プロジェクトを行いました。

Escuchar el paisaje:景色に耳をすまして
南米最大級の盆踊り大会にて、日本の夏の音を4つ(朝•昼•夕•夜)聴いてもらいその音がどの時間帯の音かを当ててもらうというものです。(例:ヒグラシが鳴いている→夕方)対象はお祭りに来た現地の方々です。
おそらく日本人は音だけで時間帯を正確に当てられます。それは経験しているからでもありますが、自然の音をどのように聴いているかが現地の人と違うからです。
このイベントで、日本では自然音を意味のある音として捉え、自然に即した暮らしのもととなっていることを伝え、日本人の自然観を発信できました。
その切り口では体験したことのない人がほとんどで、とても楽しんでもらえました。

参加してくれたアルゼンチンのマダム達と一緒に

スペイン語がわからなくて、それよりも大切なことに気づけた話

  • 語学力 : その他の言語

スペイン語はもちろん出発前に勉強していきました。文法は網羅する程度には。日常会話は大丈夫だろうと思いアルゼンチンに乗り込んだわけなのですが、さー困ったことに、相手の言葉が全くと言っていいほど聞き取れませんでした。私が勉強していたのはスペインのスペイン語とアルゼンチンで話されているものは少し異なることもあり、さらには彼らの話すスピードが速すぎるということもあり、困った困った状態でした。留学の始めで、やる気もMAXなのに相手と思うようなコミュニケーションができず、スペイン語を勉強し直すしかありませんでした。と言っても私の留学は8ヶ月とそんなに長くはありません。
勉強計画を立てている時に、私の活動で一番大切なのは、スペイン語能力よりも、相手の想いをききだせるような信頼関係を築くことだと気がつきました。
そして、留学の前半で彼らとの信頼関係を築きながら、スペイン語の向上を目指すことを決め以下のことを実行しました。
⑴寮に住んでいる人と毎日最低10人とどうにか会話をする。ひたすら絡む。
⑵必ずノートとペンを持ち歩き、新しく聞いた単語や表現をメモし、単語帳をつくる。それを学校へ行く電車の中や寝る前などで覚える。
⑶スペイン語で日記を書き、寮生に添削してもらう。学校の宿題を寮生に手伝ってもらう。
こうすることで、短期間で寮生と信頼関係を築くことができ、スペイン語もだいぶ向上させることができました。信頼関係とスペイン語のおかけで留学後半のヒヤリング調査等はかなり順調に行えました。
スペイン語力の低さで出端を折られたからこそ、より大切なことに気がつくことができ、これにより予想以上に濃い留学になりました。
自分に必要なことと目標の両方を見失わずに入られたことが良かったのかなと考えています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私が留学中で大切にしていたことは、『基本的にはNOと言わない』ということでした。誘われれば行き、勧められればチャレンジしていました。
こうすることで常に発見の毎日でしたが、なにより友達が増えました!!
これまでの常識が通用しない刺激的な日常になると思いますが、そこでの感性を大切に、楽しんできてください。いってらっしゃい。