留学大図鑑 留学大図鑑

カーズ

出身・在学高校:
徳島市立高等学校
出身・在学校:
徳島大学
出身・在学学部学科:
医学部医学科
在籍企業・組織:

アメリカのカリフォルニアとノースカロライナに一年ずつ滞在。最新の自閉症事情に触れるというテーマでアメリカ中の施設を巡る。ひょんなことからアメリカだけでなくイギリスや日本のASD(Autism Spectrum Disorder)関係者と関われる機会を得ることができ、現在はASDの方との触れ合いを通じて得た経験をもとに共感能力の強制的な発現方法に興味をもって勉強中。フランクに話しかけてね!


最終更新日:2018年11月05日 初回執筆日:2018年11月05日

イギリス日本アメリカそれぞれの自閉症事情

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • NPO法人GHA
  • アメリカ合衆国
  • アルバマーレ
留学期間:
24か月
総費用:
4,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,400,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<TOEFL504> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEFL546>

留学内容

30 年進んでいるというアメリカの情報や技術、研究を日本に持ち帰り自閉症認知に努めようと思いで二年間アメリカのカリフォルニアとノースカロライナに留学した。量は質を変えるという言葉の下、たくさんの施設、学会を訪れ比較するための材料を集めた。そしてひょんなことからイギリスや日本の自閉症事情をも知る機会に恵まれ日本がそこまで後進国ではないこと、国ごとの特徴によって性格が違うということに気づき外に学ぶだけでなく自分の国を知ることから始めたいと考え今はこの留学での学びを通じて得た心の理論を応用した共感能力の発現を次のとっかかりに医学を勉強している。

留学の動機

高校の時から脳に興味があり、脳を解明することは自分を知ることひいては人を知ることにつながると考えていた。さらに脳から生み出される行動と密接なかかわりを持った感情をくみ取る方法に広がり、感情とは人とのかかわりの中で生まれるものであるから、コミュニケーション障害と揶揄されるASD患者のことを知り、彼らを知ることで脳と感情の結びつきを知ることができるのではないかと考えた。

成果

研究を開始する前に実態をつかむことが必要だと感じ特別支援施設を主に訪問し、たくさんのASDの方と知り合うことができた。その過程でASDが単なるコミュニケーション障害ではなくより複雑で私たちにも共通することが多々あることを感じた。また三カ国の比較により、イギリスは研究者気質、アメリカはビジネスライクな、日本では支援者に沿ったサービスが目立つことがわかった。

ついた力

俯瞰力

いちいち施設を訪問する度に自分とは何か、自分は何がしたくてここにいるのか...etcを考えていたので目の前のことがいかに次の行動に結びつき、それが自分や周囲にどんな影響を及ぼすのかを考える力がついたように思える。行動力や多動力はもとからあったので身についたことといえばこれ。

今後の展望

今後も脳と感情に関わる研究に携わりたいと考えているが、同時に留学で学んだことを社会に直接的に還元していきたいとも考えている。なので大学での勉強をまずはしっかりと終了し、臨床医としてできれば徳島にある自閉症者の職業支援に関わりつつその体験をさらに研究に活かしたい。

留学スケジュール

2016年
3月~
2018年
3月

アメリカ合衆国(カリフォルニア)

当初の予定ではカリフォルニアのサクラメントにあるMIND InstituteでESDM を学びに教授のシャドーイングをするつもりでメールでの受け入れ許可も得ていたが、土壇場で急遽受け入れ拒否がされたので、その後は途方に暮れて破れかぶれで申し込んだThe Cancer Centerのマネージャーに拾われ、カリフォルニアの社会福祉施設にはほとんど相手にされない中、半年後にはノースカロライナのGHAに拾われ、そこで出会った臨床心理士の方に自閉症の今を教えて貰いました。

費用詳細

学費:納入総額

1,200,000 円

住居費:月額

1,080,000 円

生活費:月額

360,000 円

項目:クレープ

600,000 円

語学学校
ホームステイ先の犬
ファミリーとカタン
費用詳細

学費:納入総額

1,200,000 円

住居費:月額

1,080,000 円

生活費:月額

360,000 円

項目:クレープ

600,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

留学内容のパートで少し触れたんですが僕は留学が始まってすぐにサクラメントの研究所にシャドーイングを断られていくべき場所がなくなりました。
その後は途方に暮れて破れかぶれで申し込んだThe Cancer Centerのマネージャーに拾われ、カリフォルニアの社会福祉施設にはほとんど相手にされない中、半年後にはノースカロライナのGHAに拾われ、そこで出会った臨床心理士の方に自閉症の今を教えて貰い、たまのツアーで訪れる方には日本に帰ってからも施設を案内していただき、僕は計画通りに進んでいたら得られていたであろう物よりもはるかに多くを得て留学を終えることができたのではないかと思います。特に今でも何かと僕の面倒を見てくれ、留学中たくさんのコネと訪問するべき施設を教えてくれた臨床心理士の方には頭が上がりません。彼は僕の人生の師です。自閉症の有益な情報だけではなく、物事に対する取り組み方であったり、人との接し方や人生哲学であったり、僕に「魚の釣り方」を教えてくれ「ノブレスオブリージュ」を体現した憧れの人物でした。「ギブアンドテイク」だけではなく「ギブアンドギブ」の選択を持つ。これから先は僕も与えられるばかりではなく少しでも恩返しできるよう精進していきます。

ミルウォーキーの自閉症学会にて。真ん中が師匠。
ミルウォーキーの自閉症学会にて。GHAのCEOとチーム。
ボストンにて。みんなのマザーのりPさん。

B-1もJ-1もF-1も取得できない時はESTAビザを念頭に入れよう

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

僕は研究所への入室が断られてJ-1の取得が絶望的になった時からビザの問題に悩まされてきた。通常留学前にビザの申請やらもろもろは済ませておくものである。だが緊急の事態が起きて予定していたビザの入手が困難になった時には臨機応変に戦略を変えていかなければならない。さもないと以後永久にアメリカへ足を踏み入れることができなくなる。そうならないための応急措置として僕はESTAビザの存在を挙げておく。知らない人も多いかもしれないがこれは短期就労、短期旅行の人のために作られた簡易ビザののようなもので正式なビザではない。詳しくはUSAのビザHPに乗っているから調べてみてほしい。一旦獲得すれば二年間は効果が持続し入手審査も非常に簡単。少しのお金と身分を証明するもの、三日ほどの時間があればOK。だがこのビザの恐ろしいところは毎回の税関審査にある。ESTAビザを使っている人だけ飛行機に乗る前に別室に呼び出されて特別審査が始まる。渡航の目的やら期間、目的地の住所や、受け入れ先からの手紙など準備するものが山ほどある。更に一枚でも足りないと情状酌量の余地はなく日本行の飛行機のチケットを取らされて(しかも自腹)すぐ帰国だ。実際僕の友達はこれで日本に一時帰国せざるを得なかった。更に二年間効果が持続すると書いたが滞在できる期間は三か月なので気を付けてほしい。三か月が過ぎると違法滞在になるのでそれまでに必ず国外に出なくてはならない。だが逆に言うとそれだけ。書類を用意し、税関で自分の渡航目的をしっかり話す。そして三か月以内に国外に出る。それさえ守って楽しい留学ライフを送ってほしい。

三か月の再申請期間を利用してイギリスに
三か月の再申請期間を利用してバンクーバーに
三か月の再申請期間を利用して日本に

留学前にやっておけばよかったこと

留学前というより日ごろから身につけておけばよかったなと思うのは自分の芯を作っておくということです。しっかり自分が何者なのか、何をしに来たのか。何がしたいのか、今の自分には何ができるのかということをはっきりさせておくことは充実した留学生活につながります。あとは英単語は勉強しておくべきでした。発音もスピーキングもリスニングも向こうでやればいいですがステイ先で単語を学んでいた時間は無駄に思えました。

留学を勧める・勧めない理由

簡単に自己研鑽ができ、自分のしたいことに集中できるので留学はおススメです。しかし留学に行かなかったからと言って学べないものがあるとは思いません。実際僕の親友は僕がアメリカに行っていた二年間日本でまた違うことを多く経験、吸収しています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

精一杯楽しんでください。僕は自分の人生は自分で作り上げていくべきだと思っているのでメッセージを残して干渉することはしません。ですので今までに書いた僕の経験で役に立つようなことがあれば何でも持って行ってください。また僕の経験やほかの話を聞きたいという人がいれば喜んで僕でよければ話したいと思います。一緒に語り合いましょう!では!