留学大図鑑 留学大図鑑

ヤマモトチヒロ

出身・在学高校:
埼玉県立春日部女子高等学校
出身・在学校:
東京女子大学大学院
出身・在学学部学科:
人間科学研究科
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年06月09日 初回執筆日:2020年06月09日

紛争地留学 パレスチナ女性運動調査

留学テーマ・分野:
語学留学・アラビア語
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Palestine and Arabic Studies Curse , Birzeit University
  • パレスチナ
留学期間:
11ヶ月
総費用:
2,100,000円 ・ 奨学金なし

語学力:

言語 留学前 留学後
アラビア語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

(1)パレスチナ自治区内にあるビルゼイト大学のThe Palestine and Arab Studies(以下:PAS)プログラムを履修し、アラビア語とパレスチナの社会学・政治学の勉強をしました。また、PASの履修と並行して、ビルゼイト大学の女性学研究所及び図書館でパレスチナにおける「ジェンダーと開発」の研究を行いました。
(2) パレスチナの女性団体、RWDS(Rural Women’s Development Society)とInash Al-Usraでボランティアとして参加し、プロジェクトに参加し、メンバーと交流し話を伺うことで、各団体の活動の意義と課題を調査しました。

留学の動機

留学の動機は、私の大学院における研究テーマに関係しています。私の大学院における研究テーマはパレスチナの女性運動についてです。イスラエルによる支配に加えて、地域慣習がイスラーム伝統規範をという二重の制約の中でパレスチナの女性が草の根の団体を組織し、参加することによってどのように自らの力をつけ、どのように社会を変えているのかに関心を持ったことが留学するきっかけとなりました。

成果

アラビア語が日常会話レベルまで喋ることができるようになりました。また、パレスチナの民族解放運動の歴史について、現地でより深く学ぶことができました。また、パレスチナの女性団体での活動では実際にパレスチナで活動している女性団体の幹部や草の根の女性たちのプロジェクトを実際に見て、話を聞けたことは修士論文の研究にも活かすことができました。

ついた力

かじりつく力

どんな状況でも徹底的にかじりつく力を身につけました。
特に、ほとんどゼロの状態から始めたアラビア語の授業は、授業のレベルにも、周囲のアラビア語既習者の学生にもついていくことが難しかったのですが、本当の初級者向けの特別授業を別に開講してもらうなどして勉強しました。その結果、テストも合格することができました。この経験から、諦めず、徹底的にかじりつく力を得たように思います。

今後の展望

留学中に得たアラビア語の知識と草の根の女性たちに関わった活動を通して、ビジネスの可能性を見いだすことができました。今後は、特に、職業訓練所でパソコン操作などを学んでいる女性たちを巻き込み、ITに関わるビジネスの発展の可能性をさらに見出していき、日本とパレスチナを繋げる架け橋として活動していきたいです。

留学スケジュール

2017年
9月~
2018年
7月

パレスチナ(ビルゼイト大学)

ビルゼイト大学のPalestine and Arabic Studiesコースで、アラビア語の授業を受講した。また、パレスチナに関わる政治・社会学の授業も併せて受講した。アラビア語の授業では、口語と正則アラビア語の授業を受けた。基本的には、アラビア語既習者が参加していたが、私のようにほとんどゼロから始めている学生も数名いた。そのような学生には補講クラスも開講されたので、ゼロからの初心者でも学期の最後には、既習者と同じ授業レベルまで自分のレベルをあげることができました。政治・社会学の授業では、実際に民族解放運動に参加していた先生が教鞭をとっており、その時代にパレスチナでは実際に何が起こっていなかったのか、文献調査では出てこない生の歴史を知ることができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

大学と寮のあったビルゼイト
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
9月~
2018年
1月

パレスチナ(RWDS)

RWDSでは半年間ボランティア活動を行ないました。RWDSは農村地域でプロジェクトを展開している団体です。私は、そのプロジェクトの一つである「家庭菜園・リサイクル事業」に関わり、実際にプロジェクト現場に連れて行ってもらい、活動に参加させてもらいました。また、事務所では私が参加していたプロジェクト内で新しく展開されるプロジェクトのプロポーザル執筆などを行ないました。ボランティアしていく中で、実際に参加する女性たちに話を聞くことができました。パレスチナの農村部の女性たちに焦点を当てた研究は少なく、文献調査などで見えにくい部分だったため、実際に展開されているプロジェクトに参加している女性たちの話を聞き、その詳細を知ることができたことは、その後の論文執筆の際に大変参考になりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

活動地に残る占領の爪痕
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2018年
2月~
2018年
7月

パレスチナ(In'ash Al-Usra)

In'ash Al-Usraでも半年間のボランティア活動をしました。この団体は、都市部の女性たちをターゲットとして、職業訓練場や、パレスチナ伝統遺産品の保存、団体で調査した内容を学術誌として発行したりしています。私はその中で、パレスチナ伝統刺繍製品販売による経済的エンパワーメント事業に携わりました。実際に伝統刺繍を作成している女性たちは、積極性を持ち生き生きと活動していました。また、刺繍を作成する場所が一種のコミュニティーになっており、そこは情報交換や悩みなどを共有する場にもなっていた。また、都市部の女性たちは、自分たちが置かれている占領の状況について話を聞かせてくれました。パレスチナの都市部に住んでいる女性たちの研究はすでにあったが、実際の生の声を聞くことは修論を執筆するにあたり大変参考になりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

In'ash Al-Usra施設の概観
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

パレスチナの伝統ダンス「ダブカ」に挑戦!

留学期間中、同じ大学で学ぶ友人に誘われパレスチナの伝統舞踊「ダブカ」のレッスンに参加しました。ダブカのレッスンに参加している人々は、半分がパレスチナ人、もう半分が世界各地からパレスチナに来ている人々でした。ダブカはステップの数がかなり多く、もともとダンスに親しみのなかった私は、覚えるのに相当苦労しましたが、同じグループのダンスのセンスが抜群のパレスチナ人にステップを教えてもらいつつ、練習しました。最終的には、パレスチナで開催されたインターナショナル・フェスティバルの会場で踊ることになりました。私の友人を含めた多くのパレスチナ人が見守る中でのショーは大成功でした!異国の地で、しかもダンスショーに出るという忘れられない、とても貴重な経験することができました!

ルームメイトとパレスチナ伝統衣装に身を包む私

日本人コミュニティーとの連携

  • 生活 : 治安・安全

私が留学していたパレスチナ自治区はイスラエルと紛争をしている国でした。そのため、毎日のようイスラエル兵とパレスチナ市民の衝突(小規模なものを含む)が発生していました。私が留学中、イスラエル建国記念日に在イスラエルアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移し、エルサレムをイスラエルの首都として認めるとトランプが発言した「エルサレム宣言」があり、私が住んでいた西岸地区でも大きな衝突が発生しました。パレスチナ内が緊張に包まれる中、治安を把握する際にとても助けになったのが現地の日本人コミュニティーとの繋がりでした。パレスチナ在住の日本人のほとんどは、大使館、NGO、ODA関係者でした。その方達は、治安状況をいち早くキャッチする情報網があったため、お願いをしてその情報を私にも流してもらいました。紛争地の情勢は非常に不安定です。いつどこで何が起こるかわかりません。治安面に関しては、現地で働いている日本人の方々といかに繋がりを持つことができるかという点が鍵になるのではないかと思いました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

現在の留学の形は、以前と違って非常に多様化しています。そして、留学することであなたの世界は確実に広がります。留学前はたくさんの不安を抱えているかもしれませんが、自分の殻を打ち破り、一人でも多くの方と繋がりを持ち、活動し、あなたの中の無限大の世界をもっともっと広げてください!