留学内容
『先住民の生き方を知る。広げる。繋げる。』をテーマとして、私はニュージーランドに1年あまり、留学しました。日本ではなかなか認知の進まない先住民の実情に対して、なんとか打破をしたいと、先住民政策が世界でも進む場所で学びたいと考えたのです。
特に言語復興に注目して行った留学を通じては、主に「学術、実践、暮らし」という段階的な3つのコミュニティで活動しました。まず、ビクトリア大学ウェリントン校では、「マオリによるマオリのための教育」と言われるマオリ学を学びました。マオリ語やマオリの世界観に基づく地図の描き方、歴史や慣習などを学ぶことを通しては「羊の多いのんびりした国」というニュージーランドのステレオタイプが根本から覆されました(つい150年ほど前の植民地化以前は、ニュージーランドは一面に木が生い茂る島で、羊もいなかったそうです)。次に、大学で学ぶ傍ら、実践段階として、地域でのマオリ語コミュニティにも参加していました。最後に、コミュニティレベルでは、パリハカという先住民ばかり40〜50人ほどが住む村で、ともに生活をしていました。街からは遠く離れて、電気や水も自給自足の場所でしたが、夜には星が空いっぱいに浮かんでいる場所でした。ここでは日々先住民の伝統的な生活が現代の暮らしに交わって実践されており、特に日常ではあまり話されることのないマオリ語を使って会話する、良い機会となりました。