留学内容
変性神経細胞の免疫細胞による排除メカニズムの解明
アルツハイマー病などの疾患では、多くの脳内の神経細胞は死んでしまい(変性という)、認知や記憶など機能的な障害を呈す。現在このような変性神経疾患を根本的に治療する方法はなく、新たな治療法が望まれる。私はこのような疾患を治す方法を開発・実用化するために、米国で一年間の研究留学を行った。私は死んだ変性神経細胞が速やかに除去されることが変性神経疾患の進行を抑えるうえで重要だという仮説を立て、変性神経細胞がどのように体内から除去されるのか調べた。研究には線虫と呼ばれる虫を用い、遺遺伝子実験、薬学的実験を行った。結果、変性神経細胞内のカルシウムイオンが変性神経細胞の速やかな除去に必要であることを発見した。この発見は新しく、2019年6月をめどに筆頭著者でCell Reportsという科学雑誌に論文投稿準備中である。