留学大図鑑 留学大図鑑

岩ちゃん

出身・在学高校:
常翔学園高校
出身・在学校:
岡山大学
出身・在学学部学科:
薬学部創薬科学科
在籍企業・組織:
株式会社サンケイエンジニアリング

アメリカJ-1ビザ申請,ロドプシンの研究,ニューヨークの観光なら答えれます!
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最終更新日:2019年07月19日 初回執筆日:2019年07月19日

一流研究者になるための修行留学

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校・構造生物学研究センター
  • アメリカ合衆国
  • ニューヨーク
留学期間:
9ヶ月
総費用:
3,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,740,000円
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)第一種貸与型 720,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 630> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEFL-iBT 98>

留学内容

留学の一番の目的は、アメリカの研究室を見ることでした.アメリカがどうして100年以上にも渡って,研究のトップランナーであり続けてきたか,その理由をこの目で見るために,研究型大学であるストーニーブルック校を選び,9ヶ月間の交換留学を計画しました.しかし、渡航前に立てた計画は甘く,振り返ってみると,留学前半の学びは希薄はものでした.留学折り返し地点で再度留学目的を考え直し,ここで研究がしたいと思うラボに,必死で受け入れのお願いをしました.学部生ながら受け入れてくれ,留学後半の4ヶ月は人生で一番濃い期間になりました.
研究内容は,僕の原点であるロドプシン.世界でも珍しい手法である「NMRによる活性機構解析」をマスターすることができました.実験のやり方やデータの読み方を丁寧に手ほどきしてくれたのは,同ラボの博士学生の二人.一人は西アフリカオリジンの二児の母,もう一人はLGBTQでメキシコからの留学生.二人と一緒に深く研究に携わっていくうちに,専門知識を身につけただけでなく,当初の問いであったなぜアメリカの研究環境が優れているのか,その答えを見つけることができました.

留学の動機

きっかけは学部内で催された,わずか一週間の研究体験.大学一年の夏,ロドプシンというタンパク質に惹かれました.このタンパク質をさらに研究したいという思いと,どうせ研究するなら最先端の国であるアメリカで研究してみたいという思いが胸の中沸々と湧き上がっていました.そして同年の秋,トビタテ留学でタイから帰ってきた同大学の先輩が嬉しそうに自身の留学談を話しているのを聞いて,思いが計画に変わりました.

成果

形に見える結果は,まだ出せていません.学会発表,論文執筆が分かりやすい形ですが,そうした成果に繋げるには時間が足りませんでした.しかし、持ち帰ってきたものもあります.留学で広がった視野と根拠ある自信です.博士学生に囲まれて研究に没頭した日々は,自信がなかった僕の視野を広げ,一流の研究者になるまでのパスを明確に見せてくれました.10年後,20年後に形ある成果を出したいです.

ついた力

深掘り力

留学の前半は色々経験しようと,あれこれに参加し,”視野”を広げようとしていました.元々飽きっぽい性格と時間管理の甘さも相まって,どれも中途半端に.留学の折り返し地点にさしかかって振り返ってみると,学んだことは薄っぺらいことに気づきました.そこで、自分の原点に立ち返り,留学後半はとにかくロドプシンの研究に没頭.逆説的ですが,一つのことを深掘りをしている時の方が,それ以外のことを学ぶことができました.

今後の展望

運よく僕は研究することが好きで,個人的には今後も研究に携わっていきたいと思っています.
しかし,留学中の2018年9月,九州大学のポスドクが貧困を理由に自殺してしまう悲しいことが起きました.専門知識を身につけ,ひたむきに真理を追究する人材を育てあげたにも関わらず,上手く行かせない今の日本の社会構造に疑問を抱いています.
なので僕は,研究する人たちが幸せになる仕組みを作りたいです.

留学スケジュール

2018年
8月~
2019年
5月

アメリカ合衆国(ニューヨーク)

岡山大学の交換留学プログラムを利用し,研究型大学であるストーニーブルック校に,二学期間留学しました.交換留学だったのでその間、現地学生と同じように,生物系,化学系の授業を取り,単位取得をしました.キャンパス生活の中で思ったのは,月並みな表現ですが,アメリカには色んな人がいるんだなということでした.自分がアジア人であること,宗教に熱心ではないこと,ヴェジタリアンではないことなど,色んな視点で自分を知ることができました.バックグラウンドが違う人と交流することが楽しかったです.
一番の目的であるロドプシンの研究を留学の後半に実現し,満足できるレベルまで持っていくことができました.授業が終わった後の16時以降に,毎日Smithラボに通い,基本的なラボスキルから,専門的な装置の使い方や論文の書き方をそこで学びました.特に「NMRによる活性機構解析」を学べたことは貴重な経験となりました.

費用詳細

学費:納入総額

900,000 円

住居費:月額

800,000 円

生活費:月額

800,000 円

項目:航空券・保険料

250,000 円

一番学べた場所 Steve Smith Lab
和太鼓サークル Taiko Tide
第8期安カ川くん主催 Japanism Theater
費用詳細

学費:納入総額

900,000 円

住居費:月額

800,000 円

生活費:月額

800,000 円

項目:航空券・保険料

250,000 円

スペシャルエピソード

留学先に与えた変化

ロドプシンというタンパク質の形を研究しているラボでどうしても研究がしたくて,そこのボスに自分の意欲をアピールして受け入れてくれるように,何度もお願いをしました.受け入れに消極的ながらも,精製作業を任せてくれ,僕は楽しみながら向き合っていました.足繁くラボに通ううちに,ラボメンバーに教えてもらえることも増え,受け入れから一ヶ月後には,メインテーマを一緒に担当するようになりました.
後から話を聞くと,昔は学部生の受け入れもしていたが,ボイコットしたり,実験に真剣じゃなかったりしたことがあって,受け入れは院生だけに限定するようになったとか.しかし,今回例外的に学部生の僕を受け入れてくれ,ラボ内のミーティングを再開したり,メンター制度を導入したりとラボ改善に繋がりました.これから人を絞らずに受け入れをしていくと,あのボスが言ってくれたことに,僕は自分の留学の意義を感じることができました.

学期の最後にまとめとして作ったプレゼン資料

留学から繋がるストーリー “今、これやってます”

留学中に参加したボストンキャリアフォーラムで出典していた,横浜市内にある中小企業と出会いました.日本の製造業を支えていると言える中小企業に興味と可能性を感じ,帰国後に同社にインターンシップで入社し,今は産学連携に繋がる新規事業の立ち上げに携わっています.

渡航前に丸一日設けて,情報収集と経済プラン作りを!!

  • 費用 : 費用準備

僕の場合,物価の高いニューヨークでの生活と,学内保険料といった予想外の支出のコンボ技を食らったために,一時に経済破綻をし,大学の友人や先生に迷惑をかけることになりました。
とはいえ,十分な情報入手と綿密な計画をしていれば,予想外の支出も想定内に変わっていたと思うし,お金を管理する意識も違っていたと思います.「めんどくさがらずに,先輩に話を聞きに行って,留学中にかかりそうお金(住居費,生活費,娯楽費,旅行費)を細かく書き出して,見えるようにしよう.」「後にお金が足りない!ってなる方が100倍めんどくさいから,まだ実家にいる今のうちに腰据えてやれ!」渡航前の自分と話せるなら,こう言ってやりたいです.

留学前にやっておけばよかったこと

日本国内の研究室をもっといっぱい見ておけばよかった!!
日本の研究室を実際に見たことがあまりないので,僕が所属していたニューヨークの研究室は,自由な方なのか,ボスに縛られている方なのか,比べることが難しかったです.また,アメリカの研究室内で会話していると,それは日本ではどうなの?と聞かれることが多々あります.その時に,上手く答えられなかったのも悔しかったです.

留学を勧める・勧めない理由

勧めます!! が,絶対しなくてもいい.予備校みたい捉え方で.
僕は留学で,自分の事がよく分かったし,決めた期間の中で,目標設定,実行,評価のサイクルを回すことをできるようになりました.トビタテのコミュニティで,めっちゃ面白い仲間と出会うこともできました.それらは本当にトビタテ留学のおかげ.でも,自己理解,自己成長,仲間作りは国内でもできます.色んな理由で留学できなくても,機会は日本中にあります.

これから留学へ行く人へのメッセージ

ぜひ楽しんでください.
もし留学中にすごく迷ったら,お酒を飲むより,ネットで答えを探すより,当初自分で立てた目標に振り返る方が,答えが見つかりますよ.