留学内容
留学の一番の目的は、アメリカの研究室を見ることでした.アメリカがどうして100年以上にも渡って,研究のトップランナーであり続けてきたか,その理由をこの目で見るために,研究型大学であるストーニーブルック校を選び,9ヶ月間の交換留学を計画しました.しかし、渡航前に立てた計画は甘く,振り返ってみると,留学前半の学びは希薄はものでした.留学折り返し地点で再度留学目的を考え直し,ここで研究がしたいと思うラボに,必死で受け入れのお願いをしました.学部生ながら受け入れてくれ,留学後半の4ヶ月は人生で一番濃い期間になりました.
研究内容は,僕の原点であるロドプシン.世界でも珍しい手法である「NMRによる活性機構解析」をマスターすることができました.実験のやり方やデータの読み方を丁寧に手ほどきしてくれたのは,同ラボの博士学生の二人.一人は西アフリカオリジンの二児の母,もう一人はLGBTQでメキシコからの留学生.二人と一緒に深く研究に携わっていくうちに,専門知識を身につけただけでなく,当初の問いであったなぜアメリカの研究環境が優れているのか,その答えを見つけることができました.