留学大図鑑 留学大図鑑

みう

出身・在学高校:
兵庫県立芦屋国際中等教育学校
出身・在学校:
神戸市外国語大学
出身・在学学部学科:
外国語学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年04月27日 初回執筆日:2020年04月27日

シンガポール人らしさはどこから来るの?

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • シンガポール国立大学
  • シンガポール
  • シンガポール
留学期間:
10か月
総費用:
2,800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,600,000円
  • 大学独自のもの 1,200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

私達は、グローバル化した社会に生きています。
外国で作られたものがすぐに手に入ったり、町中で日本在住の外国人とすれ違う機会が多かったりする中で、何世紀も前に作られた「国家」という枠組みは、どのように私たちの生活やアイデンティティに影響を与えているのでしょうか。また、今後、国家の役割はどのように変わっていくのでしょうか。

私は、このテーマを考える大きなヒントが、4つの公用語を持ち、多様な民族で構成されていながらめざましい経済発展を遂げてきたシンガポールに隠されていると考えて、シンガポール国立大学で1年間ナショナリズムの勉強をしてきました。

留学先のシンガポール国立大学では、主にシンガポール社会や歴史についての概要を学ぶことのできる科目を履修しました。
講義やチュートリアルでのディスカッションを通して、シンガポール人の考える「シンガポール人らしさ」はどのようなものなのか、さらにその「シンガポール人らしさ」に国家がどのように関係しているのかという点を勉強しました。

留学の動機

「シンガポール人らしさがどこから来るのか」が私の留学テーマでしたが、
帰国した今振り返ると、私はあの留学を通して、「私らしさ」を探していたのだと思います。
大学生活を送る中で、日本人らしさとは何なのか、自分の強みとは何なのかということを考える機会が多くなり、一度世界へ出て日本を客観的に見てみたいと思うようになりました。

成果

シンガポールのことが大好きになりました!!!!
シンガポール社会について勉強するうちに、「シンガポール社会に日本人として存在する私」という新しいアイデンティティを獲得し、シンガポールについても、日本についても、100%主観でも100%客観でもない視点から考えることが出来るようになりました。

ついた力

自立力

日本では実家暮らしで、恥ずかしながら身の回りのことは何でも親にやってもらっていました。
留学中、人生で初めて「自分のことは自分で」できるようになりました。
また、日本の大学では必修科目や履修条件等、自分が本当に取りたいと思っていなくても勉強しなければならないこともありますが、留学先ではオール自己責任で授業を選ぶことができたので、そういう面でも自立することができたと思います。

今後の展望

ナショナリズムやアイデンティティの問題を考えると、言語という要素はとても大きな役割を果たしていることに気が付きます。
留学を通して勉強したシンガポールのバイリンガル政策は、「言語」と「アイデンティティ」がいかに結び付いているかを考えるうえですごく参考になりました。
今後は中高の英語科教員免許を取得し、日本人らしく英語を話すとはどういうことなのかを考え、よりよい英語教育を追求していきます。

留学スケジュール

2018年
8月~
2019年
6月

シンガポール(シンガポール)

2018年8月~12月
シンガポール国立大学で前期授業受講

2019年1月~5月
シンガポール国立大学で後期授業受講

2019年5月~6月
実践活動(模擬国連大会)準備期間と大会本番

費用詳細

学費:納入総額

1,500,000 円

住居費:月額

45,000 円

生活費:月額

30,000 円

中秋節期のガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
大好きな朝ごはん!カヤトースト!
費用詳細

学費:納入総額

1,500,000 円

住居費:月額

45,000 円

生活費:月額

30,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

渡航する前のことですが、学外の寮に入居申し込みをする際、提出書類に「人種」の欄がありました。
「国籍」は別の欄で既に書いたし、このご時世「人種」を聞くってどうなのだろう、と思いながら"Japanese"と記入しました。

ところが、留学が始まってから、授業や友達との会話を通してシンガポール社会について勉強していくと、この欄に隠された謎が解けました。

シンガポールでは、人口を「CMIEOモデル」と呼ばれる分類法を用いてChinese, Malay, Indian, Eurasian, Othersという人種にカテゴライズしていると学んだのです。

「人種」や「民族」といった分類は、自然に存在しているものではなく、誰かの定義によってカテゴリー化されているものなのだと実感する機会になりました。

4つの公用語は町の看板や駅名表示に用いられています

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

シンガポール人は「シングリッシュ」と呼ばれる独特のアクセント、語彙、文法がある英語を話します。留学開始当初は、シングリッシュで話しかけてきた店員さんに「私、中国語話せません」と言い返してしまった苦い思い出もあるほどです。
先生方は、レクチャーでは標準英語を話すので講義を理解することには問題はありませんでしたが、学生同士のディスカッションやプレゼンテーションが中心のチュートリアルでは、学生たちの独特のアクセントを聞き取るのにとても苦労しました。
でも、そんな環境だからこそ、私自身も、日本語なまりの英語を話すことに全く抵抗がありませんでした。
日本で英語を勉強していると、どうしても「正しい発音で」「正しい文法で」話さなければならないというプレッシャーがとても大きく感じてしまいますが、「正しい発音って何だろう」と考えるようになりました。

教室のクラスメートは、チューターがインドなまりの英語を話そうが、私が日本語なまりの英語を話そうが、アメリカ人留学生がアメリカなまりの英語を話そうが、何も気にしていないようでした。

「正しい英語」にとらわれて自分を表現できないことが馬鹿らしく感じ、日本人が日本人らしく、誇りを持ちながら英語を話すことが出来る未来を目指して、日本の英語教育に携わっていきたいと思います。

シンガポールのビザ申請はとても簡単!

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

シンガポール留学が決まったとき、留学ビザの手配をしてくれるようなエージェントを探してみましたが、見つかりませんでした。
というのも、シンガポールでは、大学がビザ申請を行ってくれ、必要書類を準備して送付すれば簡単にビザが降りるからです。
日本で大使館に行く必要もなく、入国時は申請不要の観光パスで入国し、留学先の大学で学生ビザを受け取ることが出来ました。

留学を勧める・勧めない理由

留学は、実際に海外へ行く1年間だけでなく、過去の自分や未来の自分と向き合う大きなチャンスです。
留学を通して、「自分ってこんなことがしたいんだ」「あの時、自分がこれを選んだのには、こういう意味があったんだ」と、自分の人生を見つめなおす機会を得ることが出来ると思っていますし、私はそれこそが留学に行くことの最大の意義であると考えています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

「留学を通して自分を変えたい」と思っている人もいるかもしれませんが、私は留学に行って自分が変わったとは思いません。むしろ、自分がそれまでよりももっともっと自分らしくなって帰って来ました。

これから留学に行く上で、期待や不安、いろんな感情が心の中で混ざり合っていることと思いますが、
その複雑な気持ちととことん向かい合って、みなさんが誰よりもみなさんらしい留学が出来ることを祈っています!