留学大図鑑 留学大図鑑

池上凜太郎

出身・在学高校:
三国丘高校
出身・在学校:
大阪教育大学
出身・在学学部学科:
教育学部教員養成課程社会科教育専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年10月29日 初回執筆日:2020年10月29日

イマージョン教育 「使える」外国語学習

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • マウントテーバー中学校
  • アメリカ合衆国
  • ポートランド
留学期間:
10ヶ月
総費用:
920,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 850,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検準1級 TOEIC895> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEFL iBT 101>

留学内容

アメリカの日本語イマージョン教育プログラムを実施している中学校にてインターンシップを行い、効果的な外国語学習の指導方法を学びました。イマージョン教育は、ターゲットとする言語を用いて社会や数学などの教科の学習を行う教育方法で、通常の外国語教育よりもその言語を使用する能力を効率よく習得できると言われています。僕は将来公立の中学校もしくは高校で社会科の授業を英語で実施し、未来のグローバルリーダーになる子どもたちの国際感覚と言語能力の獲得をサポートしたいと考えています。今回活動した学校では日本語で社会の授業授業が行われており、教室内では先生も生徒も日本語で話したり書いたり、まるで日本の学校にいるようでした。そしてクラスで行われているアクティビティや日本語が得意な生徒の習慣などに注目しながら、どのような要素が言語獲得にポジティブな影響を与えているかを研究しました。またホームステイ生活を通してできるだけ多くの現地の人々とコミュニケーションを取り、生の英語に触れることで自身の英語力の向上を目指しました。

留学の動機

専攻は社会科教育ですが、大学2年生の時に英語に興味を持ち始め大学の国際交流室に通いながら英語を勉強し始めました。英語を学ぶことでほかの国の文化やそこで起きている出来事などにもより関心を持つようになりました。英語を社会科に取り入れることで、社会と自分自身のつながりを生徒たちがより感じられる授業を作ることができるのではないかと考え、研究の過程でイマージョン教育のことを知り留学に至りました。

成果

生徒たちの日本語能力はとても高く、イマージョン教育の強みを感じました。バイリンガルの彼らと活動することは僕自身の英語学習のモチベーションにもなり、毎日楽しく言語の勉強に励むことができました。また幼稚園のころから日本人の教師やインターンと交流している彼らの他文化に対する寛容性はとても高く、言語と文化の両方の側面からイマージョン教育の可能性を感じ、将来授業を作る時に取り入れたい多くのヒントを得ました。

ついた力

楽観力

留学開始時に立てた目標と自分の現状の差が大きくて不安になることがたくさんありました。でも周りにいてくれたホストファミリーはいつも明るくて小さいことは気にせずに物事を前向きに捉えていました。彼らを見習っているうちに、僕もいろいろな心配事が気にならないようになり、どんなことでも楽しめる心構えができました。

今後の展望

まずは大学院に進学し、英語教育の方法論などを学びながら、自身の経験と照らし合わせて効果的な外国語の指導方法を身につけたいです。その後は、英語で授業が行われるインターナショナルスクールや私立の学校で経験を積みながら、ポートランドにあるような公立のイマージョン教育学校のコミュニティを作る方法を考えたいと思います。

留学スケジュール

2019年
8月~
2020年
6月

アメリカ合衆国(ポートランド)

日本語イマージョン教育プログラムを実施しているマウントテーバー中学校で日本語のアシスタント教師としてインターンシップを行い、アメリカの子どもたちがどのように日本語で教科を勉強をしているかを学びました。7年生と8年生の授業が毎日合計5つあり、生徒の質問に個別に答えたり、困っている生徒のサポートをしたりしました。教室外ではテストや宿題の採点、授業で使用する教材づくりやそのコピーなどさまざまな仕事がありました。子どもたちの学習意欲は高く教室で一緒に勉強したり話したりするのはとても楽しかったです。生活面ではホームステイを体験しました。夕食の時にはその日あったことをたくさん話し合い、週末は一緒に食料品の買い物やピクニックに行くなど、本当の家族のような時間を過ごすことができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:プログラム参加費用、ビザ取得費用、航空機代、海外保険料

920,000 円

教室内での様子
中学校のエントランス 日本語と英語の両方で書かれています
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:プログラム参加費用、ビザ取得費用、航空機代、海外保険料

920,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

コロナウイルスでインターン先の学校が休校になり街もロックダウンになったとき、インターンシップはオンラインで継続していたのですが、このような状況で滞在していたらホストファミリーの迷惑になるのではないかと不安になり、留学を切り上げて帰国するか迷いました。そんなときに、ホストファミリーのお父さんとお母さんは「家族なんだからそんなことは気にしないでいたくなくなるまでいたらいいよ。」と言ってくれました。彼らは優しさでそう言ってくれたけれどやはり帰った方が良いのではとも思ったのですが、教育委員会やホストファミリーを運営するグループとのミーティングで今後インターンたち帰国させるかを決める際に、彼らは僕のいいところをアピールしてポートランドに滞在できるように話をしてくれました。また、それまでもお父さんと毎晩たくさん話をしていたのですが、コロナ中はお互い朝早く起きる必要がなくなったこともあって、毎日深夜の2時くらいまで雑談するなど楽しい思い出が増えました。ほかにももしあのとき帰国していたらできなかった貴重な体験がたくさんあり、もう本当に感謝の気持ちでいっぱいです。コロナが収束したら真っ先に日本のお土産を持って会いに行き、もう一度お礼を言いたいです。

いつも陽気なホール・オルセン家の夕食

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

留学中は2組のホストファミリーと生活しました。最初にお世話になったのは小学生の男の子が2人いるデイシー一家です。とっても温かい人たちで、出会ってすぐに僕を家族の一員として受け入れてくれました。彼らと過ごす時間はとても楽しく、よく週末も家族のイベントにくっついて行きました。また8月から2月までのホームステイだったためハロウィンやサンクスギビング、クリスマスといったアメリカの伝統行事を一緒に楽しむことができました。一緒に過ごしていて感じたのは彼らが「家族」をとても大切に思っているということです。それぞれの距離が近く、いつも助け合ったり感謝を伝え合ったりしていました。日本だと少し恥ずかしくなってしまうくらいの近さでしたが、それと同時に「家族っていいなあ」と改めて感じました。そして彼らがそんな家族の一員として接してくれるのがとてもうれしかったです。子どもたちは日本語イマージョン学校の生徒なので、帰国後も週に1回オンラインで日本語を教えたりして連絡を取り続けています。

サンクスギビングのディナー 

とにかくリラックスすること、すると自然に音は流れる

  • 語学力 : 英語

留学の目標の1つが「英語を上級者レベルまで上達させる」ことでした。留学前まで海外経験がなく授業などでしか英語を話したことが僕にとって、現地での会話は「言葉が生きている」感じがして最初の3ヶ月ほどはただ英語を話せる機会があるだけでとてもうれしかったのを覚えています。そしてこの頃は上手く話せないことがあっても「アメリカにいるんだからそのうち上手くなるだろう」と思っていました。しかし時間が経つにつれて進歩が見えないことに焦り始めました。また出発前に留学経験者から「3ヶ月くらいですっかり話せるようになった」などと聞いていたのでなおさら不安になりました。このままではいけないとひたすら英単語やフレーズを暗記して練習しました。しかし思うように上手く話せるようにはならず、誰かと話すたびにどうしてうまくいかないんだろうと落ち込む日々が続きました。そんなある日、ネイティブスピーカーであるインターン先のメンターの先生がある言葉をかけてくれました。「アメリカの英語は頑張って話そうとしても上手く話せないよ。リラックスした状態で話すためにできたような世界で一番カジュアルな言葉なんだから。ほら、みんなちょっといい加減でしょう?」この言葉を聞いて、ずっと上手に話せるようになりたくてとにかく必死だったことに気がつきました。しかし英語はそんな風に話される言葉ではなかったのです。うまくいかなかったのは当然でした。それ以来とにかくリラックスして音に身をゆだねるように話すようになりました。少しずつ会話中に詰まることは少なくなり、時にはそれまでの鬱憤を晴らすかのように口から英語があふれ出てくるようなこともありました。帰国後もこの感覚を忘れたくなくて英語は継続して練習していますが、いつも心掛けているのは頑張りすぎずリラックスすることです。

帰国後のTOEFLでは無事目標を達成

留学前にやっておけばよかったこと

英語のリスニングを練習するときにもっと生の英語に触れておけばよかったです。日本にいるときに英検やTOEICでリスニングはまったく問題なかったのですが、現地に行くとネイティブスピーカーの実際の会話がなかなか聞きとれず、苦労したのを覚えています。日本にいても動画配信サービスやYouTubeなどたくさん練習するツールはあるのでいろいろなアクセントや音の連結に慣れておくのがオススメです。

留学を勧める・勧めない理由

留学は絶対におすすめです!特に将来何をしたいかで迷っている方がいたらぜひ挑戦してみてください。僕もトビタテのプレゼンで大きな将来の計画を話しながら、実は具体的に何をしたらいいのか迷っていました。しかしこの留学を通して自分の「これ」というものに出会うことができました。迷ったら海外で時間を作るというのも案外アリかもしれません。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は本当にあっという間に終わってしまいます。留学から帰ってくると「あれをやっておけばよかった」「これも実はやってみたかった」とそんなことばかり考えてしまうくらいです。一日一日を大切にしてもうちょっとでも思いついたことは絶対トライしてみてください!みなさんの留学が素敵なものになることを願っています。