留学大図鑑 留学大図鑑

奥平 柾道

出身・在学高校:
岩手県立盛岡第一高等学校
出身・在学校:
筑波大学大学院
出身・在学学部学科:
人間総合科学研究科コーチング学専攻
在籍企業・組織:
筑波大学陸上競技部/コーチング論・トレーニング学研究室


最終更新日:2020年11月10日 初回執筆日:2020年11月10日

米国プロ陸上チームでのインターン留学!!

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ALTIS(プロ陸上チーム)/アリゾナ州立大学
  • アメリカ合衆国
  • フェニックス
留学期間:
10ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,280,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

米国のプロ陸上競技チーム”ALTIS”でインターン活動を行うために、2019年6月から2020年4月までアメリカ合衆国アリゾナ州に留学していました。6月から10月までの4ヶ月は現地のアリゾナ州立大学附属の語学学校Global Launchに通い、英語でのコミュニケーション能力を養いながら、College FootballやMLB、NBAなどの代表的なアメリカのスポーツ文化を体験しました。10月以降は、同州Paradise Valleyに拠点を置くプロ陸上競技チーム”ALTIS”でインターン活動を開始し、世界トップレベルのアスリートに対するコーチングやトレーニングを学びながら、外部でアメリカ陸上競技連盟のコーチ資格を取得するなど、専門分野での実践と学習活動に励みました。インターンでは、コーチングやトレーニングの実践だけでなく、チームで開催しているコーチングカンファレンスの運営や、オンラインコンテンツの作成などを経験することができ、プロスポーツチームの新たな経営スタイルを学ぶことができた。

留学の動機

私が留学を決意した理由の一つは、国外での長期的な実践活動の経験が、将来自分が国際的なレベルで活躍するために必要であると思ったからです。もう一つは、環境を変えることで、自分のこれまでの活動を客観視することができ、自分の強みの理解とさらなる成長のチャンスを見つけ出せると思ったからです。分野に限らず、留学は将来の可能性を大きく広げることに貢献し、夢を達成するための大きな1ステップとなると確信しています。

成果

最大の成果は、なんといっても専門分野である陸上競技コーチングの理論と実践を、アメリカ合衆国のプロ陸上チームで学べた経験です。インターン先のALTISは世界的にも非常に有名なプロ陸上チームの1つであり、アートとサイエンスの両方を使い分けながら世界トップレベルのアスリートを指導していました。これにアシスタントとして関わり、実際の選手への指導や分析のサポートをすることができたことは大きな成果です。

ついた力

人に頼る力

留学を全て1人でマネジメントし、完遂することは不可能だと思います。私はこの留学で様々な失敗を経験してきましたが、この経験から人を頼ることの重要性について学びました。私はこれまでどんなことにも責任を持って取り組める一方で、困ったときにも人を頼らず1人でやってしまうことが弱点でありました。留学中の大きな失敗経験は、私の「必要な時に人に頼る力」を育み、他人と協力することの重要性を教えてくれたと思います。

今後の展望

今後はこの留学経験を活かし、さらにもう1度留学を行いたいと考えております。この度の留学で、これまで抵抗のあった海外での活動に対して、抵抗が非常に小さくなったため、さらに別の国での長期海外留学を検討しております。これに加えて、これまでよりも一層、国際学会や国際誌への論文投稿の機会を増やしていくことで、国際的な舞台での活躍を目指して行きます。

留学スケジュール

2019年
6月~
2019年
10月

アメリカ合衆国(アリゾナ州立大学(テンピ))

留学の主たる目的であるプロ陸上チームでのインターン活動を円滑に行うために、チームの所在地に近い場所に位置するアリゾナ州立大学(ASU)で語学留学を行い、英語によるコミュニケーション能力の向上を図りました。ASUは米国屈指の大規模大学であり、ここでの活動を通じて語学に限らず多くのアメリカ文化を経験することができました。語学学校におけるアカデミック向けの英語学習に加えて、現地の友達と遊ぶことが、日常生活で用いられる自然な英語を学ぶことに役立ったと感じました。またインターン開始以降は自由時間がほとんど確保できないことが予想されたため、国内有名大学の研究室やトレーニング施設の視察、アメリカ陸上競技連盟(USATF)のコーチ資格取得など、専門分野における研修活動も積極的に行いました。特にUSATFによるコーチ教育プログラムの受講は、日本のコーチ教育を考える上で、非常に参考となる経験となりました。

費用詳細

学費:納入総額

735,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

木曜朝のルーティーンはEthanとのハイキング
私のアナザースカイとなったセドナ
USATF Coach Level2取得2時間前
費用詳細

学費:納入総額

735,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

2020年
1月~
2020年
3月

アメリカ合衆国(アルティス(フェニックス))

留学の主たる目的であったプロ陸上チーム「ALTIS」でのインターン活動では、本当に素晴らしい3ヶ月を送ることができました。インターンコーチとして世界トップレベルの選手の指導に関わることができただけなく、1人のスタッフとしてコーチたちと日々現場で生じる様々なトピックについて議論を重ねることができました。継続的な測定から得られる科学データをどのようにトレーニングに活用していくのか、スポーツ障害に対してコーチとアスレティックトレーナーが競技復帰までをどのように協力してサポートしていくか、会社としてチームをどのようにプロモーションしていくべきか、スタッフそれぞれがどのように成長していくかなど、本当に様々なことについてディスカッションを重ね、学ばせていただいたと思います。言葉や文化が違う自分を快く受け入れ、この留学を素晴らしいものにしてくれたALTISには本当に感謝しています。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

インターン同期のLukeyとTorryと
Anasoに日本語を教えているシーン
Women Coaching Educationプログラム
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

ショートスプリントのヘッドコーチであったStuart Mcmillan(Stu)には本当に感謝しても感謝しきれません。英語に不慣れで仕事に上手く馴染めていなかった自分に対して、「ここに何をしに来たんだ?」「自分がやれることをやれ」と厳しい言葉を投げかけてくれました。心が折れる事も多々ありましたが、自分がチームに対してできることを考え、初めて1つのプロジェクトを成し遂げた時、Stuはその成果をしっかり認めてくれ、その後責任のある仕事を多く任せてもらえるようになったと思います。本当に基本的なことではありますが、たとえ言語や文化が違ったとしても、物怖じせず真摯に仕事に取り組むことが重要であるということを身を持って学びました。自分の事を本当の意味で平等に扱い、インターンを通じて人間的に大きく成長させてくれたStuには感謝しても感謝しきれません。

Stuには様々な面で大きく影響を受けた(写真左)

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

インターンの同期であった、Lukey, Torry, Mike, Annaにも本当に感謝しかありません。年齢が近かったこともあり業務外のくだらない話をする時もあれば、同じインターンとしてチームに関わっていたため、ALTISでのインターン活動について主観的にも客観的にも議論を交わすことができました。仕事で精神的にかなり疲労することが多くありましたが、彼らと協力し助け合うことができたからこそ乗り越えることができたと思います。

写真右からTorry、自分、Lukey、Anna、Mike、
トレーニングセッティングに関するインターン間での打ち合わせ
このカフェで遅いランチをするのがルーティーンでした

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

谷澤順子さんには、留学計画段階から留学終了まで本当にお世話になりました。順子さんは現在メジャーリーグベースボールのアリゾナ・ダイヤモンドバックスでマニュアルセラピスト兼アスレティックトレーナーとして活動しているプロのトレーナーです。ご自身も留学経験がありますし、何より私のインターン先であったALTISでトレーナーとして活動していた経験や、陸上競技のアメリカ代表トレーナーとして活動していた経験から、本当に貴重なアドバイスを数多く頂きました。今回の留学に対して頂いたアドバイスは大変貴重だったのですが、それ以上に、スポーツ現場に関わるプロフェッショナルとしての心持ちやマインドセットの部分を順子さんから多く学ばせて頂いたと思っています。順子さんがいらっしゃらなければ、こんなにも充実した留学生活を送ることはできなかったと思います。いつか自分が将来立派になった姿を見せて恩返しをしたいと思っています。

写真右が順子さん、一緒に写った写真がないのが本当に悔やまれる

頼れる人をちゃんと頼る

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

トビタテ!留学JAPANは、留学計画の自由度が高く個人でオーダーメイドの留学計画を作成できる反面、その計画の責任は全て自分にあるため、不備等に気づかずトラブルになってしまう事があると思います。私は留学先の住居やVISAなどでトラブルが生じ、金銭的な負担が余計にかかってしまった部分や、留学中にこの問題の解決を行うために余計に時間を取られてしまった事がありました。もちろん海外生活で生じた問題について、自分でチャレンジして解決することが、自分の生きる力を伸ばしたという感覚はあります。一方で、限られた留学期間と資金の中で余計なコストであり、主目的から逸れた部分に時間を取られてしまったことに間違い有りません。留学エージェントや現地の頼れる人などを、例え有償だったとしても頼って、このようなトラブルが生じないように準備を進めておくべきだったなと今は感じています。みなさんも事前の準備を抜かり無く留学に望んで下さい。

これから留学へ行く人へのメッセージ

僕は博士課程で初めて留学を行うことになったわけですが、前述したように、海外生活という環境の変化を通じてこれまでの自分を客観的に振り返ることができ、自分の行動や取り組みを改める非常に良い機会になったと感じています。これから留学へ行く皆さんは、ぜひこの環境の変化を楽しみ、自分のこれまでを見つめ直す貴重な時間にしてもらえれば良いと思います。楽しんで下さい!