留学大図鑑 留学大図鑑

S.U.

出身・在学高校:
福岡県立東筑高校
出身・在学校:
九州大学大学院
出身・在学学部学科:
工学府 機械工学専攻
在籍企業・組織:
総合機械メーカー・技術系


最終更新日:2020年12月14日 初回執筆日:2020年12月14日

米国で最先端ロボット工学を学ぶ!

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ヴァージニア工科大学・工学部・コンピュータサイエンス学科
  • アメリカ合衆国
  • ヴァージニア
留学期間:
8ヶ月
総費用:
1,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,600,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEIC 950点, TOEFL 95点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<コロナ禍で未受験>

留学内容

私は「ロボット工学と機械学習(AI)の融合分野に関して学び、災害や介護など日本特有の問題をロボットで解決する」ことをテーマとして留学を行いました。留学先はアメリカのヴァージニア工科大学(Virginia Tech)のコンピュータ・サイエンス学科(以下「CS学科」)を選びました。ここに私は8ヶ月間所属し、学修活動と実践活動を行いました。
まず、機械学習(AI)に関しての知識を深めるために、CS学科で数値計算・データ分析・機械学習等の講義を履修しました。無論ロボット工学に直接的に通じる学びがありましたが、それだけではなく、グループプロジェクトで現地学生と共同でプログラミングをしたりするなかで、異文化のバックグラウンドを持つ人と協力するコツを学びました。
同時に、機械工学部門の「地上ロボット制御研究室(TREC研)」でレスキューロボットに関する研究を行いました。留学前半はロボットが外界を認識するセンシングに関する部分の実装、後半はロボットの歩容生成に関する研究に携わりました。惜しくもコロナ禍により後半の内容は途中で断念せざるを得ませんでしたが、著名な先生の運営する研究室でロボット研究に携われたことで、最先端のロボット工学を学べたと思います。

留学の動機

私は元々長期留学に行きたいという願望がありました。学部の頃は部活動の運営をしていたので留学準備の行動を起こせませんでしたが、大学院に入って運営を抜けてからは一層留学に対する思いが強くなりました。また、元々ロボット系・制御系の技術に興味があり、日本の大学でもその分野の研究をしていることから、ロボット工学で最先端を行くアメリカで留学し、学んだ技術を持ち帰りたいと思うようになりました。

成果

所属研究室では実際のロボットの制御系に関わる実装に携わり,研究室内での定期報告の機会を与えていただいた.また,最終報告では教授と同じグループの学生の前で発表を行い,教授からお褒めの言葉を頂き,自分が実装した部分をロボットに採用してもらうことができた.

ついた力

再起力

元々の専門とは違う知識も必要とされたため、最初はあまり順調と言える研究生活ではありませんでした。教授からも進捗の遅れを注意されることもあり、落ち込んだときもありました。しかし、日本代表という責任ある立場を思い出し踏ん張った結果、教授に成果を認められ、私が実装した部分を実際に採用してもらえることになりました。この経験から、何度も再起して頑張り続ける胆力を得ました。

今後の展望

留学中に培った「異文化のバックグラウンドを持つ人たちと協力して働く能力」を活かせる企業で働きたいと考えています。現在は機械系のメーカーから内定をいただき、来年(2021年)の春から働き始めることになっています。海外での事業も多く手がける企業であることから、私が留学で学んだことを還元していきたいと考えています。

留学スケジュール

2019年
8月~
2020年
3月

アメリカ合衆国(ヴァージニア)

VA州ブラックスバーグにあるヴァージニア工科大学(Virginia Tech)に留学しました。

1.生活面
キャンパス内にある学生寮で生活し、地元出身の学生1人とルームシェアをしていました。同室で他の人と住む経験自体が初めてな上に、英語でコミュニケーションを取る必要があるため、最初は慣れませんでしたがそのうち楽しめるようになりました。

2.学業面
機械工学部門の「地上ロボット制御研究室」に所属し、レスキューロボットに関する研究を行いました。また、座学では計算機科学に関する授業を主に履修し、機械学習やデータ分析などを中心に勉強しました。

3.課外活動面
秋学期は卓球部・Web開発部・日本語会話の会に所属しました。特に、日本語会話の会ではトビタテ派遣生の使命の一つである「日本発信プロジェクト」を行い、日本出身の人と触れる機会の少ない学生にリアルな日本の姿を伝えました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

学内スタジアムでのフットボール観戦
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中にやってしまった、私の失敗談

教授に「この結果は非常にがっかりだ」と言われてしまった話です.私が留学先で行っていた研究はロボットに関するものでした.特に私が担当するパートは,私の日本での専攻である機械工学の知識のみならず,専門外である電気電子工学や情報工学の知識も必要とするものでした.そのため,研究を開始した当初はなかなか進捗を生み出すことができず,中間報告では教授に「君たちのこの結果には非常にがっかりだ」と言われてしまいました.当然(?)日本を発つ前にはバラ色のアメリカ留学を想定していたわけですから,これは私のモチベーションに十分すぎる打撃を与えました.「You're fired」とか言われたらどうしようとおびえていましたが,現地の友達に励まされ何とか続けることができました.最終成果報告では教授に成果を認めてもらうことができ,私の実装した部分を実際にロボットに採用してもらうことができました.

研究室内の様子

ワクチン接種を忘れずに

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

私が留学したヴァージニア工科大学では,複数種(ポリオ・B型肝炎など)に対するワクチンの接種が義務図けられており,接種した証明を提出しなければ授業を受けることができません.事前に送付されてきた書類にも書いてあったのですが,いかんせんワクチン接種が受講の条件になるというのは日本では全く浸透していない仕組みなので,すっかり失念してしまっていました.渡航の2週間前くらいになり念のため書類を見直したときようやく「ワクチン接種しないと受講させない」などという恐ろしい文面に気づき,慌ててワクチンを打たせてもらえる病院を探す羽目になりました.しかも,米国の大学に提出する文面である以上,英語での接種証明を発行してくれる医者を探す必要があり,非常に焦ったのを覚えています.結果として,1回の接種でよいものは間に合いましたが,数週間以上の間を空けて2回接種しないといけない種類のワクチンもあり,こちらは渡航前に接種を終わらせることができませんでした.どうしようかと思っていたところ,現地でも新入生向けにワクチン接種が行える機会があり,こちらを利用して2回目の接種をしました.
以上のように,ワクチン接種を忘れると非常に面倒くさいことになるので,渡航前数か月前にワクチン接種を終わらせておくことをおすすめします.

留学前にやっておけばよかったこと

TOEICやTOEFLなどの「きれいな英語」ではなく,実際のネイティブがしゃべる爆速英語に触れておくべきだったと思います.もともと英語は得意な方だったので,あまり語学に関しての準備をしてませんでしたが,実際に現地に行くとあまりの英語の速さに面食らいました.もっと映画やコメディなどの自然な英語に触れて耳を慣らしておけばよかったと思います.

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は言語や実践活動だけではなく,思ったよりも多くの要素で構成されています.事前の準備・奨学金の獲得・語学・動機...etcなど,ただ学生生活を送っているだけでは体験できない要素(試練)がてんこ盛りです.きっといろんな場面で失敗を経験することになります.いっぱい失敗しましょう.それがきっと将来の糧になると思います.