留学内容
本留学では米国のシカゴ大学で研究室を経営する私の分野では新進気鋭と呼べる若い先生のもとで,電気刺激を用いたVirtual Reality技術の研究を行った.電気刺激とVRの研究は将来的に体の自由不自由の差を埋め,さらに現在の運動や感覚を拡張した体験を可能とすることができると考えこのテーマで研究している.本留学においては,数か月単位とはいえ一つの論文をまとめるのにぎりぎりの短い期間であるので,当時目下の目標として,同分野で高い質の論文を出し続けている若い研究者たちとともに研究することで,彼らの研究に対する取り組みを取り込み,今後の研究に生かしていくことを第一とした.研究テーマに関しては留学前から進めていたもの,現地で先生とディスカッションして挙がったものなど3,4つのテーマを試したものの,あまり芳しい結果には至らず,少し焦りを感じ始めたころに目的外の発見をし,これが先生に受け,先生の勧めで当分野最高峰の学会論文に挑戦することとなった.しかし,実験を開始直後にCOVID-19の影響で大学が閉鎖,実験続行が不可能となり,そのまま3月末を以て留学を終了・帰国となってしまった.ただし,帰国後日本で実験可能となった7月以降再度実験し,予定していた国際学会同等以上の学会に提出,査読後採択が決まった.本留学中の成果ではないが,実質本留学がなければ成しえなかったことであり,一応付記する.