留学大図鑑 留学大図鑑

GennyMax

出身・在学高校:
三重県立松阪高等学校
出身・在学校:
信州大学
出身・在学学部学科:
人文学部/認知心理学分野
在籍企業・組織:
<業界> 食品メーカー


最終更新日:2017年01月31日 初回執筆日:2017年01月31日

カラフルな出会いに満ちた留学生活

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)・哲学・心理・教育・児童・保育・福祉
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • カリフォルニア州立大学チコ校 (心理学専攻)
  • アメリカ合衆国
  • カリフォルニア州チコ市
留学期間:
9ヵ月半
総費用:
1,600,000円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 720,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<IELTS 6.0, TOEIC 880> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS 7.0, TOEIC 915>

留学内容

 学習面と生活面、の二つに分けて記述しようと思います。まずは、学習面に関して、私は心理学系の授業を中心にとっていましたが、授業についていくのは本当に大変でした。語学の壁があることはもちろん、宿題の量が圧倒的に多いことや、授業中に積極的に発言することが求められるなど、日本の教育では経験したことのない教育スタイルがそこにはあったためです。特に前期は、自由時間を確保することはなかなかできなかったです。生活面に関しては、チコはアメリカの中でも治安は良く、気候が穏やかなこともあり、生活をする上で気持ちの良い環境でした。ただ、前期のうちはあまり友人もできず、苦しい時期もありました。日本特有の「遠慮」や「空気を読む」といった姿勢が、自分が積極的に行動することを阻んでいたためです。また、自分の英語力の低さも人に話しかけない言い訳にしていました。二学期目に入ってからは、「下手な英語でも良い」や「少しくらい変な人だと思われても良い」と開き直って行動してみたところ、前期とは違い、たくさんの素敵な友人を作ることが出来たと思います。

留学の動機

 留学動機は「自信が欲しかったから」につきると思います。私はそれまでの人生で、何か主体的に行動したことがありませんでした。自分のことが好きでもありませんでした。そんな中、大学一年生の頃にふと「何か挑戦したい/やりとげたい」という思いが生まれ、留学しようと思いました。英語もろくに話せなかった自分にとって、最もハードルが高いと思われたからこそです。そうした前のめり的な動機が自分を動かしました。

成果

 語学力や友人、自信はある程度得ることが出来たと思います。ただ、他にも思わぬ収穫がありました。それは、キリスト教との出会いです。私はそれまで唯一絶対的な存在である神を信じることは人を盲目的にし、時には極端な行動に導くと考えていました。私が出会ったクリスチャンの人たちは違いました。目には見えないものを信じ、同時に、周りにも良い影響を与えていました。アメリカ留学だからこそ出逢えた価値観だと思います。

ついた力

あせることなくまあ大丈夫だろうと思える力

 留学生活では、日本語が使えない環境の中で、現地のアメリカ人学生と同じ条件で学び、競い、そして結果を残すことが求められました。もちろん、自分の力だけではなく、周りからのサポートもありましたが、いろいろな壁を経験し、それを乗り越えてきたことで、何事に対しても「自分ならできる」と自分を信じてあげられるようになりました。

今後の展望

 私は、海外営業職希望で長野県の日本食品メーカーに就職しました。留学生活を通して、アメリカの食事情に不満を覚えたことと、日本の優れた食を海外に伝えたいと思ったことが理由です。今後は、留学生活を経て培われた語学力やコミュニケーション能力をもとに、日本食を海外へ輸出することで、現地に住んでいる日本人の日本食へのアクセスや、アメリカ人の肥満問題の解消へと貢献していきたいです。

留学スケジュール

2014年
8月~
2015年
5月

アメリカ合衆国(カリフォルニア州 チコ市)

 現地での過ごし方に関して、毎日スケートボードで大学まで通い、平日は夜まで図書館にこもって勉強、週末は友人とジムに行ったり、料理を一緒に作ったりして遊ぶといった感じでした。日曜日には、友人に連れられてよく教会へ行きました。そこで出会った楽しくて美しい音楽演奏や、ユーモアのある牧師先生の説教などは、アメリカで経験した最も大きなカルチャーショックの一つでした。長期休みには、友人と一緒にカリフォルニア州南端のサンディエゴに旅行に行ったりしました。学習に関しては、前期の間はついて行くだけで精一杯でしたが、後期になると少しずつ余裕が出始めてきました。ただし、自分は聖書に関して興味がわき始めたため、大学の授業よりも聖書の研究を優先してしまいました。「すべてを追求することはできない。切るとこは切らなきゃ」とアドバイスしてくれた大学の先生の言葉を思い出しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

友人がくれた聖書。宗教との真剣なお付き合いのスタートです。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

現地でできた大切なつながり

 留学生活を通して出会えた一人の女性がいます。彼女は、現地の大学の正規大学生なのですが、留学生の集まりに積極的に参加していて、そこで知り合うことができました。神を信仰していたり、良いことも悪いことも含めて正直に相手に伝えていたり、自分よりも相手の事を優先したりと、それまでの自分の生き方とは180度異なる彼女を見て、純粋に興味がわきました。「なぜ彼女は眼には見えないものを信じることができるのだろう」、「なぜ自分も今忙しいのに、友人のために車を出してあげることができるんだろう」、などなど、当時は分からないことだらけでした。今では理解できます。みなさんも、留学をする中で、自分と異なる考え方をする人は必ずでてくると思います。反発心や、抵抗感を覚えることもあるかと思いますが、それはチャンスです。そうした一つ一つの違いは、自分が今後どういう風に生きたいのかを考えるきっかけになります。ぜひ、日本では出会えないようなたくさんの人/価値観に触れてみてください。留学とは、カラフルな出会いです。

現地でできた大切なつながり。

シャドーイングの日々

  • 語学力 : 英語

 語学の壁は、留学する人すべてがぶつかるものだと思います。私は、「シャドーイングと音読の科学」 (門田 著) という書籍をもとに、以下に示したような英語の勉強を行っていました。ただ、 語学学習方法に関しては、一人一人「合う/合わない」があると思うので、参考程度に見ていただけたらと思います。リスニング力と単語力を身につける目的で、Word Master Approach for the TOEIC Testという単語帳を使用しました (大学の必修の英語の授業で使用したものです)。この単語帳には短い例文と、付属のCDが付いているのですが、そのCDが例文を読み上げるのを聞いてシャドーイングします。普通のリスニング教材ではなく単語帳をお勧めするのは、例文が大抵短くて初心者にはシャドーイングをしやすいことと、新しい単語を覚えるのにも役立つという二つの理由からです。私はCDを音楽プレーヤーに入れて、大学への移動時間や、家で家事をしている時間を利用して勉強しました。結果としては、リスニング力や単語力をかなり身につけることができたと思います。

ページ左側の文章をひたすらシャドーイングしました。

伝えるべきことは伝えるべし

  • 住まい探し : シェアハウス

 留学生活を通して一番の後悔は、住居に関することです。私は、イギリス人2人と一つの家をシェアしていたのですが、最初のうちは楽しかったものの、シェアメイトとの関係が上手くいかなくなってしまいました。キッチンの使い方を初め、音楽の音量、生活用品の買出しに関して、多くの不満点が出はじめためです。私は、関係をこじらせたくない、や、相手が不満を察してくれるだろうといった期待から、相手に正直に不満点を伝えることをしませんでした。これは本当に良くなかったと思います。「察する」という文化は日本特有で、欧米圏では、自己主張をしなければ、何も意見がないとみなされてしまいます。みなさんは、ルームシェアでもハウスシェアでも何か問題を感じたならば、相手に正直に不満点を伝えてみてください。私はシェアメイトとは行うことができませんでしたが、友人関係においては、お互いに正直に全部伝える事によって問題が解決したり、気分がすっきりしたりといった経験をたくさんすることができました。私がアメリカの文化でいちばん好きな点は、こうしたhonesty を重んじる点です。

留学前にやっておけばよかったこと

 英語の勉強です。大学の授業では、学生から先生へと積極的に発言したり、生徒間でのディスカッションをしたりする機会が頻繁にありました。そうした機会に適切な発言ができなかったり、また、自分が仲良くなりたいと思う人とのコミュニケーションの中で、適切な返答ができなかったりした経験は、自分の中で本当に歯がゆくて悔しいものでした。

留学を勧める・勧めない理由

 金銭的な余裕がある人には留学を勧めます。私は留学生活において、正直に、楽しかったことよりも大変なことの方がはるかに多かったですが、それでも行ってよかったと心から思えるのは、現地でしか出会えない価値観に触れることができたからです。日本で四年間大学生活を送るだけでは体験できない多くの感動がありました。大学のグローバル教育推進センターのみなさん、本当にありがとうございました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

 留学先の環境は日本とは大きく異なります。出会える人たちも全く異なります。そのような環境の中で出会える新しい価値観/考え方に対して、敏感になって欲しいと思います。「あの人はなぜこういうことをするのだろう/考え方をするのだろう」と好奇心を持ってみてください。そして、気になる人には、積極的に話しかけてみてください。そうした人たちとの交わりを通して自分の考え方が変化することが、留学の醍醐味だと思います。