留学大図鑑 留学大図鑑

世良田 裕貴

出身・在学高校:
六甲学院高等学校
出身・在学校:
東京大学
出身・在学学部学科:
工学部機械工学科
在籍企業・組織:
ヤマハ発動機株式会社

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最終更新日:2024年09月11日 初回執筆日:2024年09月11日

クルマを通して世界、そして日本を知る

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Artith Machinery Co., Ltd. (タイ)、スウェーデン王立工科大学、Rallye Monte-Carlo Historique
  • タイ・スウェーデン・フランス・モナコ公国
  • バンコク・ストックホルム・バランス・モンテカルロ
留学期間:
5ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 720,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検 2級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 955点>

留学内容

私の留学テーマは、クルマでした。単なる移動手段としてだけでなく、ステータスを表す社会的側面を持つところや様々な産業で人類社会を支えているところが面白いと感じています。
そんなクルマは産業として、百年に一度の大変革期を迎えています。これまで主に発祥地である欧米の概念を輸入していた日本は自ら進路を切り拓いていかねばならないと感じていました。
日本の自動車業界が世界の先頭を走って行くために、そこで働く私は自分の目で世界を見て方向性を模索しなければならないと考えました。
以上のテーマと考え方のもと、私の立てた計画は3パートに分かれています。
1パート目は、タイ・バンコクの会社でエンジニアと一緒に働き、現地の市場を観察することでした。日本自動車産業にとって大きな市場である東南アジアを自分の目で見ることと、現地のエンジニアと一緒に働くことでその価値観や工業製品に要求される機能の日本との違いを学ぶことができました。
2パート目は、スウェーデン・ストックホルムの大学でモータースポーツをする学生団体でのインターンシップです。学生だけでF1のようなレーシングカーを設計・製作するプロジェクトにおいて、ヨーロッパのモータースポーツ文化を肌で感じることと、自分と同世代の現地大学生と交流し考え方や将来の展望を知ることができました。
3パート目は、南フランスで開催されたモータースポーツ大会に参戦しました。日本車で参戦した唯一のチームだった我々に注がれる熱い視線と、そこから始まる交流を経て、日本の国とものづくりを誇りに思い自分も関わりたいとさらに強く思いました。

留学の動機

1つ目は、前の年に参戦した南フランスのモータースポーツ大会で途中、新型コロナに感染しチームメイトと一緒にゴールに行けなかったことです。大会までに準備した1年間を考えると悲しく、残念な結果となってしまったので、留学をしてリベンジしようと思いました。2つ目は、当時から日本で活動していた学生フォーミュラの本場がヨーロッパであったことです。ヨーロッパ大会のレベルは日本より非常に高いので行きたかったです。

成果

旅行ではない、留学だからこそ経験できたこととして、現地の人々との深い交流がありました。
タイでは仕事終わりに同僚とバーに行って、そこからローカルコミュニティで人とのつながりが増え、さらに深くタイの文化を知ることができました。同僚の帰省に付いて行ったこともありました。バンコクに帰るとき、車で3時間の道のりを10時間かけて電車で帰ってきたのは良い思い出です。

ついた力

関西人のノリでなんとかする力

留学での活動は主に英語で行いましたが、日本語ほどのコミュニケーション力はありませんでした。それゆえに誤解を招いたり、感情的になる場面がありました。そんなときはとっさにジェスチャーを交えたりして笑いをとったり、言い方は悪いですが誤魔化すのが吉なことがありました。具体的には思い出せませんが。

今後の展望

留学前と変わらず、ものづくりを通して日本という国と人々を海外にアピールできる道に進みたいと考えています。

留学スケジュール

2023年
10月~
2023年
12月

タイ(バンコク)

100%タイ人の屋上換気扇を製造する中小企業で給料をもらってインターンをしていました。住居は会社が契約してくれたマンションでした。会社まで歩いて15分ほどで、毎日徒歩で通勤していました。デスクが隣の同僚と経営陣だけが英語を話せませたが、Google翻訳を使って社員全員とコミュニケーションをとっていました。業務内容は主に新規製品の開発検討と、日系企業が多数出展する展示会への出席でした。

費用詳細

学費:納入総額

55,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

120,000 円

インターンした会社の倉庫で
費用詳細

学費:納入総額

55,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

120,000 円

2023年
12月~
2024年
3月

スウェーデン(ストックホルム)

スウェーデン王立工科大学の学生フォーミュラチームで、仮想的なビジネスプランを立てて審査員にプレゼンする競技項目の下準備を行いました。工学部の学生だけでなく、経済学部など幅広いバックグラウンドを持った学生と議論しながら、ドローンで森林の管理を行うビジネスについて、サービス内容やマネタイズ方法、収支計画を立てて多方面から検討しました。

費用詳細

学費:納入総額

270,000 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

160,000 円

大雪のキャンパスでスイス留学トビタテ生と再会
費用詳細

学費:納入総額

270,000 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

160,000 円

2024年
1月~
2024年
2月

フランス・モナコ公国(南フランス・モナコ)

南フランスのアルプス地域とモナコで行われる、モータースポーツ大会に参戦しました。ラリーという種目で、時間の短さを競うレースと違って、時間の正確さを競います。一週間かけて3000kmの山道を走破する大会で、車中泊や民泊を転々としながらサービスメカニックとして関わりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

170,000 円

モンテカルロのゴール地点で
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

170,000 円

スペシャルエピソード

日本のことが、とても好きになった瞬間

南フランスで大会の途中、競技車のタイヤを交換するために立ち寄ったタイヤショップで、日本語を少し話せる店員がいました。見渡す限り農地の広がるドがつくほどの田舎だったので、日本語を話せるフランス人がいることにとても驚きました。聞くと日本のアニメが好きで、見ているうちに少し単語を覚えてしまったそうです。日本の誇るアニメ文化の偉大さを感じた場面でした。

そのタイヤショップ

ストックホルムは住宅不足

  • 住まい探し : 学生寮

ストックホルムは住宅不足で有名で、家が見つからないまま留学を開始する日本人が後を断ちません。そうなってしまった人は知り合いの家に泊めてもらう間に、現地の不動産屋に行ってなんとか家を見つけていました。いくらなんでも現地で探して部屋が見つからないことは無さそうです。

トビタテ再審査書類の作成

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

南フランスのモータースポーツ大会に参戦できるか不透明のままタイでの留学が始まったため、タイにいる間に決まった大会参戦についてトビタテに再審査を申し込みました。その際に必要な、活動内容・留学先について当初の留学目的に合致することを示す書類を作成しなければなりませんでした。会社や大学でインターンをするというように、わかりやすい内容ではないため、読む人に活動内容の重要さを伝える書類を作ることは困難でしたが、周りの助けを最大限に借りてやり遂げることができました。

留学前にやっておけばよかったこと

英語を母語としないエリアに留学に行くときは、その地の公用語を学ぶことはやった方がいいと思います。英語が普通に通じるスウェーデンではスウェーデン語の大切さをあまり感じませんでしたが、フランス・タイでは痛感しました。その地に根付いた生活をしている人が英語を話せない場合が多いため、現地語を習得しているとより深くその国を理解することに繋がります。英語を話せても、現地語を話せると話のネタになります。

留学を勧める・勧めない理由

留学を勧めない理由はありません。誤解を恐れずに言うと、日本を一歩出るとテーマパークです。必ず何か面白い発見・知らなかった楽しさがあります。少しでも留学したいなという気持ち、行けるチャンスがあるのなら是非勧めます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

上で、留学に行けるチャンスがあるのなら是非勧めますと書きましたが、チャンスは自ら掴むものです。トビタテ以外にも様々なチャンス・手段があります。あらゆる手間をいとわず、練りに練った計画のもと留学したならば、必ず収穫はあります。それを信じて突き進めるよう応援しています。中でも、事前研修・事後研修といった、自分ひとりで主体的に取り組むことは困難な機会を持つことのできるトビタテプログラムはおすすめです。