留学大図鑑 留学大図鑑

渡邉可菜実

出身・在学高校:
成蹊高校
出身・在学校:
北海道大学院
出身・在学学部学科:
獣医学院
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年09月13日 初回執筆日:2024年09月13日

大好きなゾウを追いかけて

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • タイ国立ゾウ保護センター、チェンマイ大学、カセサート大学
  • タイ
  • ランパーン・チェンマイ・バンコク
留学期間:
8ヶ月
総費用:
1,110,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,110,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<Toeic 910> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

アジアゾウの代謝機構を解明するため、タイの3つの都市にある保護施設や大学と共同研究を進める計画で留学しました。各都市で2〜4か月ずつ生活し、現地の研究機関と協力しながら研究を行いました。研究は、日本と異なりスムーズに進まないことも多く、そのたびに課題を乗り越える経験を積みました。また、タイの各地方で異なる形でゾウと人々が共存している姿を実際に見て学ぶことができました。この経験を通じて、ゾウ保護における多様なアプローチと、現地の文化や環境に応じた保全の重要性を深く理解することが出来ました。

留学の動機

私は、ゾウをはじめとする希少な野生動物の保全に貢献するため、環境汚染が野生動物に与える影響を研究したいと考えています。特にゾウは絶滅の危機にあり、環境汚染物質の蓄積や解毒機構の解明が重要です。タイにはゾウの保護に関する主要な研究機関があり、現地での研究を通じて、野生動物の保全に必要な知識と技術を学びたいと考え、留学を志しました。

成果

臨床現場での経験は、私の獣医学的知見を広げるだけでなく、研究テーマである薬剤の作用や効果を実際に確認できる貴重な機会となりました。これまでの知識は主に文献から得たものでしたが、現場で働く獣医の近くで実際に治療が行われる様子を学ぶことは非常に有意義でした。この経験は、今後の研究における課題の幅を広げ、視点をより多角的にしてくれると感じています。

ついた力

問題解決、多角的視覚、とりあえず食べる力

日本のように既に整った環境とは異なり、自力で設備を整えながら進める必要があり、その過程で何度も困難に直面しました。そのたびに解決策を考え、すぐに行動に移すことで、問題を乗り越えてきました。生活面では、勧められた食べ物を片っ端から試す姿勢が気に入ってもらえ、タイの人々から「かなみは普通のタイ人よりも何でも食べられる」と、様々な食べ物を勧めてもらうようになり、タイの食文化を学ぶきっかけになりました。

今後の展望

今後はタイで行った実験の解析をすすめ、研究成果を学会や論文としてパブリッシュすることを目指しています。また今後も共同研究を推進していき、さらなる研究に繋げていきたいと思っています。

留学スケジュール

2023年
11月~
2024年
7月

タイ(ランパーン・チェンマイ・バンコク)

一つ目の目的は、未解明のゾウの代謝機構を解明する研究の実施です。二つ目は、タイの文化、宗教、経済に深く根付くゾウについて学び、絶滅の危機にある彼らとの共存方法を探ることです。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

臨床現場でゾウを治療を行った
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中にやってしまった、私の失敗談

留学中、日本から友人がタイに遊びに来てくれました。5月上旬はタイで最も暑い時期だったため、友人に何度も「暑さには注意して」と伝えていました。短い滞在の中で、バンコク観光やアユタヤの世界遺産ツアーを計画していたのですが、2箇所目あたりから私自身に異変が。水分補給を怠ったせいで頭痛が始まり、ツアーが進むにつれ、4箇所目では気分が悪くなり、人生で初めての「熱中症」を経験しました。体が震え、頭痛に苦しみ、後半の観光はツアーバスでぐったり寝る羽目に。結局、友人は一人でツアーに参加することになり、あれだけ注意していた私が熱中症になるという情けない結果に。幸い翌日には回復しましたが、今度は友人が少し体調を崩してしまい、楽しいはずの旅行が少し苦い思い出になってしまいました。熱中症は本当に辛いです。しっかり水を飲むことが大切だと痛感しました。

どうにか訪れたワットパクナム

ビザの更新手続きで苦戦

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

学生ビザでタイに滞在していましたが、3か月を過ぎるとビザの更新が必要でした。ビザはバンコクのカセサート大学で発行してもらっていたため、ホストの先生にビザ更新の書類をお願いするとともに、私は当時、北部ランパーンにあるゾウの保護施設に滞在しており、現地の居住証明も必要でした。しかし、宿泊施設では外国人の居住を申告するTM30の手続きについて知っている人がおらず、また同じ状況を経験した留学生もおらず、参考にできる事例もありませんでした。そんな中、友人で世話になっていた施設の獣医師が、市役所に足を運び、TM30の手続きやビザ更新について調べてくれました。彼女の親身なサポートに助けられ、無事に手続きが進みました。
その後、バンコクまで行って行ったビザ更新も紆余曲折がありましたが、運の良さとタイの友人たちのおかげでなんとか乗り越えることができました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

タイでは、「そこまで面倒見てくれるの?」と驚くほど、多くの人に支えられ、助けてもらいました。元々計画が苦手で、行き当たりばったりな性格の私は、何度も失敗しましたが、タイ人の包容力に救われながら、8か月間を過ごしました。私の場合、困ったときはいつも誰かの助けがありました。問題にぶつかった時、人に頼ってみることで意外とうまくいくこともあります。ぜひ周りに声をかけてみてください。