留学大図鑑 留学大図鑑

入江真樺

出身・在学高校:
大阪府立岸和田高等学校
出身・在学校:
兵庫県立大学
出身・在学学部学科:
国際商経学部国際商経学科
在籍企業・組織:

インド・バンガロールに1年インターンシップ留学をしていました。
留学に関する質問・ご相談はFacebook or Instagramにてメッセージいただければ可能な範囲でお答えさせていただきますが、返信が遅くなってしまうことがあります。


最終更新日:2025年01月10日 初回執筆日:2025年01月10日

インドでこんにゃくゼリービジネス立ち上げ

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Beyond Next Ventures India (VC) , Muse Creation (NGO) , SUN SEA Supply Co,Ltd (Food Enterprises)
  • インド・タイ
  • バンガロール、チョンブリ
留学期間:
12ヶ月
総費用:
1,755,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,590,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

「日本の伝統健康食材こんにゃくをインドに広める」をテーマとして、
世界最大の菜食国インドにこんにゃくゼリーを広め、新たな食の選択肢を提供することを目的とした。特に、糖尿病の影響が深刻なインドにおいて、肥満や糖尿病での効果が期待されているこんにゃくから作られた健康的なデザートこんにゃくゼリーを開発・販売することで、社会課題の解決を目指した。Beyond Next Ventures Indiaでのインターンを通じて、現地市場調査、材料調達、商品開発、販売活動を実施し、ヴィーガンマーケットでの試験販売を行った。

留学の動機

日本の伝統健康食材であるこんにゃくをインド市場に広めることで、新たな食の選択肢を提供すると共に糖尿病大国であるインドの生活習慣病課題の一助となりたいと考えた。また、経済成長率が高く市場として大きいインド市場に学生のうちから触れることで、インドを深く知りたい、ビジネス感度を高めたい、社会課題解決に貢献するビジネスを実践し、将来日本と世界を繋ぐ第一歩を踏み出したいと考えた。

成果

FSSAIライセンスを取得し、インド産こんにゃくゼリーの開発とヴィーガンマーケットでの販売を成功させた。また、現地起業家や学生との交流を通じ、多文化理解を深めると同時に、自身の考えや行動を記録し続ける大切さを学んだ。物事はご縁とタイミングで成り立ち、日々の小さな積み重ねと継続力が肝だと実感した。さらに、多様な背景を持つ人々との関わりを通じて視野が広がり、将来の目標を明確化する力を養うことができた。

ついた力

柔軟性、課題解決力、適応力力

当初のこんにゃく麺輸入案が市場調査で不適と判明後、現地資源を活用したこんにゃくゼリー開発に方向転換し販売を成功させた。この修正力に加え、断水や停電など生活環境の困難に対しマニュアルを作成し、仕事や生活を整えた調整力、未知の環境でも目的を見失わず行動する生き抜く力を得た。市場状況や予期せぬ課題にも柔軟に対応できる課題解決力が身についた。

今後の展望

2024年の経験を基に、2025年は「コツコツ知性を磨き、定める」をテーマに進んでいきたい。先人たちの知識を体系的に学び、資格取得を通じてファイナンスの知識を深めることに加え、自分が誇れる小さなことを大切にしたい。日本とインド、そして世界を繋ぐ架け橋の一員となれるよう、大阪万博を通じて国際的な舞台で活動する一歩を踏み出す。キャリアの一歩を定め、学びを深め続けながら、理想の未来を追求する。

留学スケジュール

2023年
10月~
2024年
9月

インド・タイ(バンガロール、チョンブリ)

Beyond Next Ventures Indiaというインド現地のVCにてインターン生として、日本の伝統健康食材蒟蒻をインドに広めるため、蒟蒻ゼリービジネスの立ち上げに従事。
2023/10/02~2024/09/08
「活動概要」
(1)蒟蒻芋、蒟蒻粉、蒟蒻ゼリーに関する市場調査、競合調査
(2)蒟蒻ゼリー反応確かめ試食イベント、蒟蒻料理(蒟蒻ビリヤニ、蒟蒻野菜反応)試食・蒟蒻紹介会
(3)インド現地にて蒟蒻ゼリーに開発に必要な材料調達
(4)蒟蒻迦葉(日本蒟蒻企業名)と現地ココナッツ会社の協力を得ながら蒟蒻ゼリー開発
(5)蒟蒻ゼリー販売路開拓
(6)カフェでのプレ販売
(7)バンガロールヴィーガンマーケットでの出店
「成果」
1.インド現地にて食の販売ライセンスであるFSSAIを取得
2.全てインド現地の材料でインド産蒟蒻ゼリーの開発に成功
3.Yogisthaan&Namu’s vegan marketでの蒟蒻ゼリー販売経験
4.現地食関連起業家・イノベーター・学生との繋がり

Muse Creationというバンガロールの現地NGOにて、インターン生として半年間活動。
2023/10/02~2024/04/30
「活動概要と成果」
(1)現地慈善活動団体(NGO)訪問(NEW ARK MISSION、ジャグルティなど)
(2)日本着物イベントボランティア×2 (NIFTバンガロール、代表宅)
(3)インドバンガロール歴史的場所訪問&交流
(4)日本人クリスマス会での活動報告
(5)社交パーティー出席
(6)デパート、ワイナリーなどアテンド
「成果」
1.毎週の活動レポート
2.現地慈善活動団体(NGO)それぞれのアプローチの仕方、現状理解
3.デザインにおける日印の歴史繋がり、着物やお茶に関する一般知識
4.インドで経済的・社会的地位の高い方々との繋がり・社交的なパーティーでの振る舞い理解
5.色々な世界のインドを理解

2024/09/09~09/16
「活動概要と成果」
(1)タイにおける蒟蒻ゼリー販売状況調査(蒟蒻ゼリーがどのくらい市場に出回っているか、日常生活での蒟蒻との関わり)
(2)日本、タイでの食ビジネスを加速させようと考えているArthid氏とMTG(今後の協働模索について)(印度・タイ・日本の輸出入状況・市場状況について)
(3)SUN SEA Supply Co.Ltd既存ビジネス理解
「成果」
1.タイにおける蒟蒻ゼリー販売状況(ブランド名、蒟蒻ゼリーの広がり状況、同年代の方の蒟蒻に対する捉え方)
2.Arthid氏、トビタテ16期生も交えたビジネス交流(現状の日本・タイ輸出入状況について確認、印度市場、タイ市場、日本市場それぞれに対して、どのようにインパクトを残せるか議論。養殖場見学を実施)
3.海老養殖業への理解(生産⇨流通までの流れ)


以下、住居や生活の記述を含めて、期間を分けて具体的にまとめました。

インド:2023年10月~2024年9月
住居
Beyond Next Ventures Indiaが用意してくれたシェアハウスに滞在。他のインターン生8名との同居を経験した。住居はシンプルで機能的な設備が整っており、リビングやキッチンを共有しながら、文化や価値観の異なる同居人と協力して生活を送った。断水や停電といった現地特有のトラブルに対応しながらも、同居人と助け合うことで生活を安定させた。

タイ:2024年9月
住居
インターン先の社長宅にホームステイし、家族の一員のような生活を送った。滞在期間中は家庭内での会話を通じて、タイの文化や生活習慣について深く学ぶ機会を得た。

月曜から金曜は就業に励み、休日にはインドで出会った友人とカフェ巡りやイベント参加、公園でのスケッチ、映画鑑賞などを楽しんだ。

費用詳細

学費:納入総額

1,755,000 円

住居費:月額

360,000 円

生活費:月額

955,000 円

項目:往復航空券、渡航準備ワクチン、留学保険、留学準備・お土産品

440,000 円

初めてカフェでプレ販売した際のこんにゃくゼリー
インターンシップ先上司の結婚式に参列、自身初インド結婚式参列
ヴィーガンマーケットでの蒟蒻ゼリー販売様子
費用詳細

学費:納入総額

1,755,000 円

住居費:月額

360,000 円

生活費:月額

955,000 円

項目:往復航空券、渡航準備ワクチン、留学保険、留学準備・お土産品

440,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

写真に写る彼女はパリマラさんという。彼女は私のインターンシップ先のオフィスでハウスキーパーとして働いている36歳の女性で、17歳の娘と16歳の息子を持つ二児の母である。私と彼女の出会いは、オフィスでの挨拶やたわいない会話がきっかけで、当初はそれほど深い仲ではなかった。

しかし、他のインターン生が去り、邸宅に私ひとりだけが残り一人暮らしを始めた時期、彼女は私を心配して自宅に招いてくれた。その気遣いは、心細かった私にとって大きな支えとなり、彼女の温かさが深く心に刻まれた。彼女は「私にもう一人の娘ができたみたいだ」と笑いながら、何度も手作りの栄養たっぷりな食事を分けてくれた。その料理はとても美味しく、彼女の愛情が詰まっていた。

また、こんにゃくゼリーの開発に取り組む中で、彼女は何度も試食をしてくれ、率直な感想を述べてくれた。その助言は商品の改良に大いに役立った。さらに、彼女の心の美しさは、友人が亡くなった際に全財産を使って葬儀を手伝ったり、体調を崩した私を看病してくれたりする姿に表れていた。彼女は、自分の評価や利益を気にせず、目の前の人に全力で尽くす人だった。その寛大さや深い優しさに、私は何度も心を温かくしてもらった。

1年間の留学を経て、私はインドにもう一人のママができたように感じている。今では彼女のことを「パリマラさん」ではなく、「マミー」または「マ」と呼んでいる。

オフィスで笑顔のパリマラママ

インターンシップ先の探し方・確定の仕方

  • 留学先探し : インターンシップ

1.連絡!想いを伝える
インターンシップを行いたい理由、なぜその企業を選んだのか、なぜ今なのか、自分に何ができるのか、何が足りていないのか、費用面をどう工面するつもりか、留学準備として行っている具体的な活動など、想いを丁寧に文章にまとめてまずはメッセージを送る。相手に真剣さや誠意が伝わるように工夫することが大切である。

2.情報収集の方法を広げる
インターンシップ情報サイトだけに頼らず、FacebookやX(旧Twitter)などのSNSで企業の社長や社員が発信している情報を探し、直接メッセージを送ることも有効な手段である。この方法では、企業の理念や雰囲気を事前に把握できることが多い。

3.メッセージのポイント
自分のプロフィールや経歴をきちんと明かす。
相手が自分のメッセージを読む時間を割いてくれることに対し、敬意を示す。
シンプルでわかりやすく、相手に「この人と話してみたい」と思っていただけるよう心がける。

留学前にやっておけばよかったこと

留学でこんにゃくゼリーのビジネスを立ち上げる経験を得たが、事前にビジネス構築の専門知識や実践経験をもっと積んでおけばよかった。また、語学力の向上や表現力を磨くこと、運動など日々のルーティンを整えることも重要だった。さらに、効率的で充実した留学を実現するために、時間管理の習慣を留学前から身につけておくと良かったと感じている。

留学を勧める・勧めない理由

留学は、開始前、留学中、そして留学後と、変化の多い時期となります。その中で、私は留学中の出来事を記録に残すことをお勧めしたいと思います。具体的に、その時もその後も記録することができ、自身の比較ができる「5年日記」を強くおすすめします。日常の中で何気なく感じたことや出来事が、後になって大切な学びに繋がることがありました。経験を記憶として呼び起こせるよう、記録を意識してみて下さい。

これから留学へ行く人へのメッセージ

情報化社会の現代では、現地に行かずとも情報を得たり、人とつながることができます。それでも留学を選ぶ理由は、好奇心やワクワクする気持ち、そして自らを信じて行動する中で得られる考えや学びにあると私は思います。留学での新たな発見や、違和感から生まれた気づきは、すべてがかけがえのない宝となっています。複雑化した情報で溢れる社会だからこそ、その感性に従う価値はあるのでは。私はその一歩を全力で肯定します。